お化け屋敷でハロウィンを｜リアクション

お化け屋敷でハロウィンを

●お化け屋敷入口？

　お屋敷は九夜山の麓にひっそりとありました。
　観光用の道から外れ、茂った草や高い木、蔦が絡みついたその場所はとても静かな……はずでした。
『にゃー』『にゃにゃーん』『グルグルニャーン』
『フヒヒヒッヒ！』『キャハハハハハ！』
　かげねことふよふよおばけ達が自分達の気の向くままに空を飛んだりひなたぼっこを楽しんでいました。

「見てごらんよミヨちゃん、珍しいねえ」
「どうしたんです馳夫さん？」
　趣味の登山を夫婦で楽しんでいた湯川馳夫は隣を歩く湯川ミヨに話しかけます。
「ほらあそこのお屋敷……お、ハイカラな趣味だなぁ、これはルネサンス風だねぇ？」
　建築関係のお仕事をしていた馳夫は、時が経って尚美しく左右両翼に均等に広がる屋敷をニコニコと眺めます。
　作られたのは相当昔じゃないか、中はまだ入れそうだと楽し気に屋敷の方へ向かう馳夫。
「馳夫さん、中に入ってみましょうか？素敵な洋館ですねぇ」
「門も空いているし、ここの家主さんにお会いしたいねぇ」
　ミヨは鼻歌まじりで今日の散歩コースが決まった馳夫の後ろからミヨは、注意深く屋敷を観察します。
（いっぱい……いるみたいですね。西洋のお化けに、お経やお札が効けばいいのだけど）
　既に妖しが飛び交い、にゃーとないているお屋敷の真の姿をミヨは見抜いていました。

『にゃー』
「にゃーデス！　hello cat！」
　猫が鳴いたのでお返事ににゃーとトワ・E・ライトフェロゥは元気よく返しました。
『にゃにゃーん』
　真っ黒なcatさんは何故だか目もωな口元もありませんでしたがトワにとってそれは些細な問題です。
　喉？をごろごろと鳴らしご機嫌なcatさんの背中を撫でようと振れたその時、ねこはにゃんと一声鳴き、ぱっと消えてしまいます。
「Why？　Black catしょーしつデス？（にゃん」
　にゃんと鳴いたのは自分ではなく、どこから聞こえてくる声。
「Touch！したと思ったら消えたデス。これは！　つまり！(にゃん」
　屋敷の扉の向こうで先程見かけた黒猫さん達が集会を開いていました。
「Cat radar反応ディス！　見つけてtouch！　するのデス！(にゃん」
　トワはお屋敷へと走り出します。
　touch and cat作戦が今ここに開始されました。

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