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【演劇祭】魔法のアーティスト☆キュートないぬみん
【『魔法のアーティスト☆キュートないぬみん』（４）】
（魔法王国を征服しようとする、あくの魔法使い……それが今回の、ボクなんだ）
音海 なぎさが胸に思うのは、まるで自分に言い聞かせるような言葉です。
（やるからには思いっきり。本気でいくよ！）
自分が、悪役だなんて！ 純粋で人が好いなぎさには、思いもよらなかったことかもしれません。
それだけに、不安半分。楽しみなのも半分。
どちらにせよ、舞台へ姿を現したなぎさの心は、きらり！ 太陽きらめく青空のように晴れやかでありました。
「ようこそ、勇者の諸君……魔法王国の中心、神秘なる『タワー』へ、よくぞたどりついた」
『あ、あくの魔法使い、なぎさ……！』
みみみの声が、どこか震えて聞こえました。
伝説のオーブが生み出す無限の魔力。それを制御するタワーによって、魔法王国の平和は保たれてきました。
そして今、タワーはあくの魔法使いの手にあるのです。
「キュートないぬみん。ラブリーあかりん。スイートるなちー。それに、みみみ。君たちの旅もここで終わりだ。我が魔力を見るがいい！」
そう言って、なぎさが手を振りかざすと……ずごごごご！ 巨大な炎の塊が空中へ生まれて、なぎさはそれを勇者たちへと放ちます。
「あぶない！」
いぬみんの叫びとともに勇者たちは身をかわしますけれど、どごごん！ すさまじい衝撃で、魔法王国の建物はおもちゃのように崩れてしまいました。住人たちは避難していてからっぽですけれど、みみみの浮かべた悲しそうな顔に、いぬみんは決意を新たにします。
「みみみん！ あかりん、るなちー、最後のたたかいだよ！ いくよーっ！」
「いくのなのー！」
「うん、負けないから……！」
飛び交う魔法の雨あられ！ それらを避けながら、いぬみんはハートのビームをびびびと放ち、あかりんは光の羽をしゅぱぱぱぱん！ るなちーも美しい歌声を響かせ、なぎさを揺さぶります。
『みんな、負けないで……！ あくの魔法使いから、魔法王国を救って……！』
みみみの悲痛な叫びが勇者たちの耳を打ち、胸に闘志を燃え上がらせます。
「こしゃくな勇者たちめ。そんな力で、我を倒せると思ったか……！」
けれど、なぎさは強大です。彼が腕を振り上げれば竜巻が巻き起こり、手のひらを翻すだけで稲妻が走り抜けました。
勇者たちはあっという間に追い込まれて、大ピンチ！ 身をかわしたり、魔法のバリアーで攻撃を防ぐのが精いっぱいで、反撃の糸口が見えません。
「なぎさは、どうして魔法王国を支配したいの？ 理由を教えてほしいのなの……きっと話せばわかり合えるの！」
心優しい天使のあかりんは、あくの魔法使いへも言葉で語りかけます。
けれどその返事は、
「裏切者、あかりん。いぬみんやるなちーといっしょに、消え去るがいい！」
「わあっ！？」
魔法の衝撃に吹き飛ばされる勇者たち。
それでもいぬみんは、ぐぐぐっと立ち上がります。
「ううっ、強いよ……！ どうしよう！？ 負けたくないよー……！」
『……頑張って。勇者たち……』
「えっ？」
その時でした。心の中へ語りかけてくる、優しく儚げな声が聞こえたのは。
「だ、誰？」
『わたしは……魔法王国の王女。タワーにとらわれているのです』
「あっ！？」
勇者たちの頭の中に、王女の姿が浮かび上がります。
みんなは驚きました。中でも特に驚いたのは、るなちーだったことでしょう。
「私と……同じ顔？」
舞台の端の空中へ、ふわりと里見 ゆいが姿を見せると、会場にはどよめきが広がりました。
彼女の顔は確かに、瑠奈とそっくりだったので。アイドル『末明 せれね』としても活動している彼女の顔を知っている観客も多いのでしょう、そっくりさんの登場には驚きと感嘆の声が上がりました。
ゆいはいつもの少し引っ込み思案もどこへやら、両手を大きく広げ、堂々たる演技を披露します。
「スイートるなちー。あなたは私の妹。魔法王国のもうひとりの王女なのです……」
「あたしが……王女？」
驚きの事実が明かされ、スポットライトが瑠奈と王女を照らします。
「るなちー。予言に従って、あなたはタワーの外へ出され、隠された王女として育てられたの。国に危機に迫った時、あくの魔の手に全てが奪われてしまわないよう……勇者の仲間となって、国を取り戻してくれるように」
「そう、だったんだ……ここは、あたしの国。あたしの家だったんだ」
新たに生まれた決意を、瑠奈は巧みな演技で表します。
もちろんきとりと明里だって、めまぐるしく変わる表情は感情の機微を見事に表現していて、アイドルの演技に決してひけを取りません。
激しい魔法のエフェクトに翻弄されながらも、きとりはきりりとして、あくの魔法使い扮するなぎさを見上げます。
「勇者いぬみん。よく聞いてみて……あなたのマジカルサムシング、『グリーンリボン』があれば聞こえるはず」
「聞くって、なにを？」
「あくの魔法使いが、なぜあくの魔法使いになったのか。彼の心を……お願い、いぬみん。魔法王国を、そして……彼を救ってあげて……！」
さあ、物語もいよいよ佳境へ。
クライマックスまで、一直線！
（魔法王国を征服しようとする、あくの魔法使い……それが今回の、ボクなんだ）
音海 なぎさが胸に思うのは、まるで自分に言い聞かせるような言葉です。
（やるからには思いっきり。本気でいくよ！）
自分が、悪役だなんて！ 純粋で人が好いなぎさには、思いもよらなかったことかもしれません。
それだけに、不安半分。楽しみなのも半分。
どちらにせよ、舞台へ姿を現したなぎさの心は、きらり！ 太陽きらめく青空のように晴れやかでありました。
「ようこそ、勇者の諸君……魔法王国の中心、神秘なる『タワー』へ、よくぞたどりついた」
『あ、あくの魔法使い、なぎさ……！』
みみみの声が、どこか震えて聞こえました。
伝説のオーブが生み出す無限の魔力。それを制御するタワーによって、魔法王国の平和は保たれてきました。
そして今、タワーはあくの魔法使いの手にあるのです。
「キュートないぬみん。ラブリーあかりん。スイートるなちー。それに、みみみ。君たちの旅もここで終わりだ。我が魔力を見るがいい！」
そう言って、なぎさが手を振りかざすと……ずごごごご！ 巨大な炎の塊が空中へ生まれて、なぎさはそれを勇者たちへと放ちます。
「あぶない！」
いぬみんの叫びとともに勇者たちは身をかわしますけれど、どごごん！ すさまじい衝撃で、魔法王国の建物はおもちゃのように崩れてしまいました。住人たちは避難していてからっぽですけれど、みみみの浮かべた悲しそうな顔に、いぬみんは決意を新たにします。
「みみみん！ あかりん、るなちー、最後のたたかいだよ！ いくよーっ！」
「いくのなのー！」
「うん、負けないから……！」
飛び交う魔法の雨あられ！ それらを避けながら、いぬみんはハートのビームをびびびと放ち、あかりんは光の羽をしゅぱぱぱぱん！ るなちーも美しい歌声を響かせ、なぎさを揺さぶります。
『みんな、負けないで……！ あくの魔法使いから、魔法王国を救って……！』
みみみの悲痛な叫びが勇者たちの耳を打ち、胸に闘志を燃え上がらせます。
「こしゃくな勇者たちめ。そんな力で、我を倒せると思ったか……！」
けれど、なぎさは強大です。彼が腕を振り上げれば竜巻が巻き起こり、手のひらを翻すだけで稲妻が走り抜けました。
勇者たちはあっという間に追い込まれて、大ピンチ！ 身をかわしたり、魔法のバリアーで攻撃を防ぐのが精いっぱいで、反撃の糸口が見えません。
「なぎさは、どうして魔法王国を支配したいの？ 理由を教えてほしいのなの……きっと話せばわかり合えるの！」
心優しい天使のあかりんは、あくの魔法使いへも言葉で語りかけます。
けれどその返事は、
「裏切者、あかりん。いぬみんやるなちーといっしょに、消え去るがいい！」
「わあっ！？」
魔法の衝撃に吹き飛ばされる勇者たち。
それでもいぬみんは、ぐぐぐっと立ち上がります。
「ううっ、強いよ……！ どうしよう！？ 負けたくないよー……！」
『……頑張って。勇者たち……』
「えっ？」
その時でした。心の中へ語りかけてくる、優しく儚げな声が聞こえたのは。
「だ、誰？」
『わたしは……魔法王国の王女。タワーにとらわれているのです』
「あっ！？」
勇者たちの頭の中に、王女の姿が浮かび上がります。
みんなは驚きました。中でも特に驚いたのは、るなちーだったことでしょう。
「私と……同じ顔？」
舞台の端の空中へ、ふわりと里見 ゆいが姿を見せると、会場にはどよめきが広がりました。
彼女の顔は確かに、瑠奈とそっくりだったので。アイドル『末明 せれね』としても活動している彼女の顔を知っている観客も多いのでしょう、そっくりさんの登場には驚きと感嘆の声が上がりました。
ゆいはいつもの少し引っ込み思案もどこへやら、両手を大きく広げ、堂々たる演技を披露します。
「スイートるなちー。あなたは私の妹。魔法王国のもうひとりの王女なのです……」
「あたしが……王女？」
驚きの事実が明かされ、スポットライトが瑠奈と王女を照らします。
「るなちー。予言に従って、あなたはタワーの外へ出され、隠された王女として育てられたの。国に危機に迫った時、あくの魔の手に全てが奪われてしまわないよう……勇者の仲間となって、国を取り戻してくれるように」
「そう、だったんだ……ここは、あたしの国。あたしの家だったんだ」
新たに生まれた決意を、瑠奈は巧みな演技で表します。
もちろんきとりと明里だって、めまぐるしく変わる表情は感情の機微を見事に表現していて、アイドルの演技に決してひけを取りません。
激しい魔法のエフェクトに翻弄されながらも、きとりはきりりとして、あくの魔法使い扮するなぎさを見上げます。
「勇者いぬみん。よく聞いてみて……あなたのマジカルサムシング、『グリーンリボン』があれば聞こえるはず」
「聞くって、なにを？」
「あくの魔法使いが、なぜあくの魔法使いになったのか。彼の心を……お願い、いぬみん。魔法王国を、そして……彼を救ってあげて……！」
さあ、物語もいよいよ佳境へ。
クライマックスまで、一直線！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年09月12日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年09月19日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年09月19日 11時00分
