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【演劇祭】魔法のアーティスト☆キュートないぬみん
【『魔法のアーティスト☆キュートないぬみん』（１）】
彼女の名前は狗民 きとり。みんなには、『いぬみん』と呼ばれています。
ごくフツウの女の子であるきとりは、ごくフツウに学校へ行き、ごくフツウに友だちと放課後を楽しむ、ごくフツウの毎日を送っておりました。
でもただひとつ、違っていたのは……。
『……けて……』
「あれ？ 今だれか、いぬみんを呼んだ？」
今日もごくフツウの放課後を過ごしたきとり。いつもと変わらない帰り道を歩く彼女へ、なんだか聞いたことの無い声が届きます。
『襲われてるの！ 誰か、ボクを助けてー！』
「えっ！？ 大変！」
困っている人を放っておくことはできません。きとりはすぐにも、ダッシュ！
角を曲がると、なにやら奇妙な光景がきとりの目に飛び込んできます。
「な、なにこれー！？」
それは真っ黒な、影のような怪物たちでした。ひとりは狼のような形をしたよつんばいで、もうひとりは二本足に手が四本もあります。身体は全部真っ黒なのに、目だけが赤くぎらぎらと輝いていて、ケモノのようなおそろしい声でうなっています。
怪物たちが今にも襲いかかろうとしているのは、犬のような不思議な動物です。
桃色の毛並みに、耳には緑のチェック柄のリボン。つぶらな瞳の愛らしいその姿は、まるでぬいぐるみのよう。
不思議な動物はうるんだ瞳ですがるようにきとりを見て、言いました。いいえ、きとりの頭の中へ、直接声が聞こえてくるのでした。
『ボクは、＜みみみ＞。おねがい、助けて！ 勇者になって、ボクの故郷を……魔法王国を救って……！』
「ゆうしゃ？ まほうおうこく……？」
その瞬間。
りぃん……！
きとりは頭の中で、鈴が鳴るような綺麗な音を聞きました。
狗星 みみみはいかにも犬っぽいなにかなのですけれど……よくよく見るとぱっちりお目目にはどこか理知的な光を感じます。しゃべることこそできないものの、単純に犬とも言い切れないし、きとりはみみみを、神魂の影響で現れた存在か、あるいは星幽塔からやってきたほしびとなのではないかと思っています。
文字どおりに不思議な存在、みみみ。けれどともかく、きとりにとっては大切なお友だちであることに変わりはありません。
（スタッフさん、ありがとー！ みみみの声、タイミングバッチリだよー！）
実は舞台上へ響くみみみの素敵な声は、きとり自身のもの。事前に録音しておいたセリフを、劇場スタッフにお願いして流してもらっているのでした。
みみみ自身の言葉を聞くことはできなくとも、きとりが頼めばばっちり演技もしてくれます。まぎれもなく、いっしょに演劇の練習をしてきた仲間なのです。
（いい感じだよー、最後までよろしくね！ みみみ！）
ぱっちりと目が合うと、なんだかみみみのあたたかい心が伝わってくるかのようで、きとりは嬉しくなってしまいました。
「いぬみんが……勇者？」
ぱああっ！ まばゆい光がきとりの胸元から弾けて、きとりの全身を包み込んでいきます。
胸から腕、指先へ。太ももから爪先まで。ふりふりのフリルがぴょこんと跳ねて、スカートがふわりと広がりました。
いつもの学生服から、美しくかつ愛らしいベルラインのドレスへ……頭にはリボンが、ぽんっ！ と現れます。
みみみの瞳が、嬉しそうに瞬きました。
『やっぱり！ ボクは勇者になれる素質をもった人を探してたんだ。キミは勇者だったんだ！』
きらきら、しゃきーん！
「魔法の勇者、『キュートないぬみん』！ 参上っ♪」
きとりはフツウの女の子。けれど実は、魔法王国の力を受け継ぐ勇者だったのです！
大変身を遂げたきとりへ、影の怪物たちがぐるるとうなり、しゅばっ！ 飛びかかります！
けれどきとりは、慌てずに。
「いっくよー！ 必殺！ 『いぬみんハートフルアタック』ーーー！！」
いぬみんが羽のついたステッキをくるりと振るえば……きらきらほわほわ、ほわわわわん！！
ステッキからハート型の光があふれて、影の怪物をびびびっと打ち据えたではありませんか！
途端、影の怪物から真っ黒い霧のようなものが吹き飛ばされて、中から出てきたのは、きょとんとした顔の、人間でした。
「あの怪物は、もともと人間だったの？」
『そう！ あくの魔法使い＜なぎさ＞の魔力によって、怪物に変えられてしまったんだ……』
悲しげにきゅうんと鳴いたみみみを、いぬみんは優しく抱き上げます。
『おねがい、キュートないぬみん！ ボクといっしょに、魔法王国をなぎさの魔の手から救って……！』
やがて、いぬみんとみみみは魔法王国へと旅立ちます。
激しく険しい戦いと、素敵な冒険の旅が今、始まるのです……！
彼女の名前は狗民 きとり。みんなには、『いぬみん』と呼ばれています。
ごくフツウの女の子であるきとりは、ごくフツウに学校へ行き、ごくフツウに友だちと放課後を楽しむ、ごくフツウの毎日を送っておりました。
でもただひとつ、違っていたのは……。
『……けて……』
「あれ？ 今だれか、いぬみんを呼んだ？」
今日もごくフツウの放課後を過ごしたきとり。いつもと変わらない帰り道を歩く彼女へ、なんだか聞いたことの無い声が届きます。
『襲われてるの！ 誰か、ボクを助けてー！』
「えっ！？ 大変！」
困っている人を放っておくことはできません。きとりはすぐにも、ダッシュ！
角を曲がると、なにやら奇妙な光景がきとりの目に飛び込んできます。
「な、なにこれー！？」
それは真っ黒な、影のような怪物たちでした。ひとりは狼のような形をしたよつんばいで、もうひとりは二本足に手が四本もあります。身体は全部真っ黒なのに、目だけが赤くぎらぎらと輝いていて、ケモノのようなおそろしい声でうなっています。
怪物たちが今にも襲いかかろうとしているのは、犬のような不思議な動物です。
桃色の毛並みに、耳には緑のチェック柄のリボン。つぶらな瞳の愛らしいその姿は、まるでぬいぐるみのよう。
不思議な動物はうるんだ瞳ですがるようにきとりを見て、言いました。いいえ、きとりの頭の中へ、直接声が聞こえてくるのでした。
『ボクは、＜みみみ＞。おねがい、助けて！ 勇者になって、ボクの故郷を……魔法王国を救って……！』
「ゆうしゃ？ まほうおうこく……？」
その瞬間。
りぃん……！
きとりは頭の中で、鈴が鳴るような綺麗な音を聞きました。
狗星 みみみはいかにも犬っぽいなにかなのですけれど……よくよく見るとぱっちりお目目にはどこか理知的な光を感じます。しゃべることこそできないものの、単純に犬とも言い切れないし、きとりはみみみを、神魂の影響で現れた存在か、あるいは星幽塔からやってきたほしびとなのではないかと思っています。
文字どおりに不思議な存在、みみみ。けれどともかく、きとりにとっては大切なお友だちであることに変わりはありません。
（スタッフさん、ありがとー！ みみみの声、タイミングバッチリだよー！）
実は舞台上へ響くみみみの素敵な声は、きとり自身のもの。事前に録音しておいたセリフを、劇場スタッフにお願いして流してもらっているのでした。
みみみ自身の言葉を聞くことはできなくとも、きとりが頼めばばっちり演技もしてくれます。まぎれもなく、いっしょに演劇の練習をしてきた仲間なのです。
（いい感じだよー、最後までよろしくね！ みみみ！）
ぱっちりと目が合うと、なんだかみみみのあたたかい心が伝わってくるかのようで、きとりは嬉しくなってしまいました。
「いぬみんが……勇者？」
ぱああっ！ まばゆい光がきとりの胸元から弾けて、きとりの全身を包み込んでいきます。
胸から腕、指先へ。太ももから爪先まで。ふりふりのフリルがぴょこんと跳ねて、スカートがふわりと広がりました。
いつもの学生服から、美しくかつ愛らしいベルラインのドレスへ……頭にはリボンが、ぽんっ！ と現れます。
みみみの瞳が、嬉しそうに瞬きました。
『やっぱり！ ボクは勇者になれる素質をもった人を探してたんだ。キミは勇者だったんだ！』
きらきら、しゃきーん！
きとりはフツウの女の子。けれど実は、魔法王国の力を受け継ぐ勇者だったのです！
大変身を遂げたきとりへ、影の怪物たちがぐるるとうなり、しゅばっ！ 飛びかかります！
けれどきとりは、慌てずに。
「いっくよー！ 必殺！ 『いぬみんハートフルアタック』ーーー！！」
いぬみんが羽のついたステッキをくるりと振るえば……きらきらほわほわ、ほわわわわん！！
ステッキからハート型の光があふれて、影の怪物をびびびっと打ち据えたではありませんか！
途端、影の怪物から真っ黒い霧のようなものが吹き飛ばされて、中から出てきたのは、きょとんとした顔の、人間でした。
「あの怪物は、もともと人間だったの？」
『そう！ あくの魔法使い＜なぎさ＞の魔力によって、怪物に変えられてしまったんだ……』
悲しげにきゅうんと鳴いたみみみを、いぬみんは優しく抱き上げます。
『おねがい、キュートないぬみん！ ボクといっしょに、魔法王国をなぎさの魔の手から救って……！』
やがて、いぬみんとみみみは魔法王国へと旅立ちます。
激しく険しい戦いと、素敵な冒険の旅が今、始まるのです……！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年09月12日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年09月19日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年09月19日 11時00分
