【星幽塔】第四階層　何故かいきなりタピオカチャレンジ！｜リアクション

【星幽塔】第四階層　何故かいきなりタピオカチャレンジ！

　比較的近くにいた真白が、それとなく駆け寄って説明しようとした。
「あぁ、あれは『タピオカチャレンジ』と言ってねぇ……」
「タピオカチャレンジとは、この胸のタピオカをですね？」
「ちょっと待て」
　と突如現れ、己のバストを下からよいしょ、と寄せ上げる美女が口を挟む。実は既に性転換していた新井晶である！　そのまま胸に触れて何かを確認する所でシドニウムの鋭い眼光がそれを止める。
「それ以上はいろんな意味でやめておくことを勧めるぞ」
　何時になく表情が険しいシドニウムに、晶は苦笑して胸から手を離した。たゆんと揺れる胸に複雑な表情を浮かべる梢と桜。
（これをにゃんすたやねこったーでしたら炎上しますかね？）
（やめておきたまえ、命が惜しかったら。君の発言はシンデレラバストな女性たちを敵に回してしまうよ）
　遠い目をする晶の内心を察し、口に出さずに突っ込む月詠。その後ろでは改めて真白が『タピオカチャレンジ』について説明していた。ティオレは僅かに首をかしげる。
「ネコジマの連中、相変わらずぶっ飛んでるな……」
　と言いながらも、目はタピオカドリンクに向いている。それは、そこに集った一同全員に言える事だった。

　――タピオカチャレンジがしたい！

　なぜか、強いタピオカチャレンジ欲に見舞われる！

「まぁ、冗談はそこまでにして……ドリンクを楽しみましょうかね」
　晶は早速、と言った様子でドリンクの屋台へと歩き出す。それに続いたのは梢だ。
「まあ……甘いものはそんなに好きじゃないんです。けどこの展開的にやらないとダメな雰囲気ですよねー、これは！」
　なんか自棄という雰囲気ではない……と、思いたい。が、とにかく明るい顔をしている。
「可能なら流通ルートも確立しておきたいな。だが、まずは味だね」
　月詠は先の事を考えている、らしい。この木がずっとそこにあり続けるのならば、それも可能だろう、と。
「踊り子の衣装だし、汚れても大丈夫よね」
「いや、せっかくの衣装が汚れるのはもったいない」
　そんな事を呟くティオレに月詠が冷静に口を挟む。だが、なんとなく失敗しないような気がするのは彼女だけではないだろう。
（……やらないよ、なんておもっていたけどなんかこう、自分の新たな可能性を開きたいかも！）
突き抜けた先にきっと一段と成長した自分がいるに違いない！　と気を引き締め歩き出す桜の横で、真白がメニューを店員から受け取っていた。
「ふむふむ、普通のもあるけどちょっと珍しいのもあるね。どれもおいしそうだなぁ！　桜ちゃんはどれにする？」
「うーん、どれも美味しそう……」
　２人でメニューを見つつあれこれ迷ってしまうあたり可愛らしい。そんな様子を微笑ましく思っていたシドニウムだが、ふいにアリスが近寄ってきた。
「もしかして、シドニウムって真っ平がすき？」
「何故にそうなる、どっちでもいいだろう？」
「うんうん、隠さなくていいよ。おっぱいって案外重いからね。身軽が好きなんだね」
「だから何故そういう結論に達するのかね？」
　返答に対するアリスの返しに、思わず閉口するシドニウム。アリスは何かぴんと来たのか、「あ、そうだ！」と手を打ち
「ここにのせる？　いいよ、どん、と貸すよ～♪」
　と己の胸を指さす。
「……少し、考えさせてくれ」
　シドニウムは、真面目な顔でそう言った。

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