職業体験学習でお仕事しよう！　セカンドシーズン｜リアクション

職業体験学習でお仕事しよう！　セカンドシーズン

●水族館で職業体験

　寝子島マリンパラダイスで職業体験をする篠原翠響は、他の児童生徒と一緒に飼育員から仕事の説明を聞いた後、作業服に着替えて仕事を始める。
　
　まず行った仕事は、飼育ブースの清掃作業。
　ペンギンやトドといった生き物は展示ブースに移動しているので、清掃の邪魔にならない。
　モップを使った床の清掃作業は力がいる。
　餌の食べ残し、排泄物の処理といった作業は臭いを我慢しながらなのでキツい。
　こんなキツい仕事もやっているのね、と思いつつ、翠響は展示ブースでデーンと寝転んでいるトドをチラリ。
「こんな近くでトドを見られるのは初めてかも」
　水族館に観に来た時は大きなトドでも、少し小さく見える。間近で見ると、改めて大きいことがわかった。
　トドだけでなく、オットセイも間近で見ることができた。

　生き物ブースの掃除が終わったら、ごはんの時間の生き物たちの餌やり。
　飼育員が用意した餌を体験しに来た児童生徒は、いくつかの班に分かれて生き物に餌やりを。
　翠響が担当したのはペンギン。
　飼育員に餌の食べさせ方を教わりながら、慎重に１羽ずつあげる。
　ごはんタイムを楽しみにしていたお客さんは、その様子をじっと見ていた。

　餌やりが終わったら、午後に行われるイルカショーの準備。
　というが、実際にイルカに乗るのはトレーナーで、司会は水族館の職員。
　体験職業に来た児童生徒は、ショーに使う道具を手渡したりといった簡単なお手伝いを。
　ショー開始前、司会のお姉さんが「今日は寝子島小学校、寝子島中学校の生徒さん達がお手伝いします」と観客に報告。
　皆、頑張っているから。という水族館側からのお礼としての紹介だった。
　普段は観客席でしか見れないイルカショーが水しぶきがかかりそうなほど近い場所で見られた。
　楽しそうにショーを見る翠響の仕事は、輪くぐりや立ち泳ぎを上手にできたイルカに餌をあげるトレーナーに魚が入ったバケツを持っていくこと。
　その間だけ間近でイルカが見られたので、この仕事で良かった、と心の中で喜んだ。

　そんな様子を見ながら、翠響は自分がイルカショーに出て、イルカと一緒に跳ね回ったりとかしている姿を想像する。
（あたし、新体操をやっているから訓練すればできそうな気がする、多分）
　なんて思っていたら、目の前で豪快にジャンプしたイルカが派手な水しぶきを上げた。
　観客席はビニールシートでガードしているが、ステージ上の飼育員やトレーナー、翠響含む職業体験の児童生徒は水をかぶった。
　モロにかぶった児童生徒の作業服はずぶ濡れに。翠響もずぶ濡れになった。
　観客席から笑い声と歓声が起こり恥ずかしい思いをしたけれど、ショーを喜んでもらえたので良しとするか、と自分に言い聞かせた。
　ショーが終わるなり、ずぶ濡れになった児童生徒は替えの作業服を用意してもらい、それに着替えた。
　着替えが終わると、再び各自の仕事に戻った。

　夕方。仕事を終えった児童生徒は帰宅。
「大変だったけど、今日は充実した１日だったわ」
　生き物に係わること。お客さんを楽しませることの大変さを知った翠響だった。

このページにイラストを設定する