職業体験学習でお仕事しよう！　セカンドシーズン｜リアクション

職業体験学習でお仕事しよう！　セカンドシーズン

●どこに職業体験に行こう

「去年はコンビニで働いたから、今年はどこで働こうかな」
　どれにしたらいいのかわからなかったので、佐藤瀬莉は目を閉じ、薄緑色の冊子を適当なページで開いた。
　開いたページに書かれた職業一覧から適当に指さしたところへ行くことにしたのだ。
　その結果は……寝子島図書館での職業体験ということに。

「お前、どこに行くか決めたか？」
　瀬莉の冊子を覗き込むように白石龍樹が訊ねる。
「ここだよ」
　指を差した先には『寝子島図書館』の文字が。
　図書館か、と感心したように言う龍樹は「どこに行くの？」と聞かれたが、まだ決めていない、とキッパリ。
「これから決めるんだよ」
　そう言うと冊子とにらめっこしながら、どこにしようか……と悩みながら龍樹は体験先を決め始めた。

　クラスメイトの青木慎之介がダッシュでどこかに向かうのを見た篠原翠響は、寝子島マリンパラダイスに決めた。
「イルカとか、オットセイとか近くで見られそう」
　楽しみだと行こうとした時、冊子を見ていた仙藤蒼にぶつかってしまった。
「ごめんなさい。大丈夫？」
「大丈夫よ。これから体験先に行くの？」
　ここに行くの、と翠響は冊子をめくり、行き先を教えた。
「私は大衆食堂『うみねこ』に行くの。お互いに頑張りましょう」
　じゃあね、と蒼は手を振り、寝子島漁港方面に歩いて行った。
　食堂も良さそうね、と思いつつ、翠響も職業体験先へ向かう。

　行き先が決まった児童生徒は各々の職業体験先へと向かい始めた。
　寝子島駅前に残っているのは、まだ決まっていない児童生徒だけだったが、その人数は次第に減っていった。

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