職業体験学習でお仕事しよう！　セカンドシーズン｜リアクション

職業体験学習でお仕事しよう！　セカンドシーズン

●図書館で職業体験

　寝子島図書館で職業体験をすることにした佐藤瀬莉は、参加する児童生徒と一緒に役割を確認していた。
　配られたプリントには、図書館での主な仕事はカウンターでの貸出と返却。
　他に本の整理。返却された本を元の場所に戻すといったものであることを知った。
　返却された本を元の場所に戻す作業は歩き回ることになるので、体力が必要になることも知った。
　それを聞いた瀬莉は、図書館での仕事は体力もいるのね……と思った。
　司書から仕事のやり方を一通り教わってから、手渡されたエプロンを身に着けてから各々の仕事に臨む。

　小学校低学年の子は、絵本を元に戻したり、あいうえお順に並べたり。　
　比較的体力がある小学校高学年、中学生は返却処理された様々な種類の本を元の棚へ戻していく作業を。
（本って、結構重いのね……）
　１冊ならそれほどでもないが、何冊も手にすると重いうえ、元の場所を探しに行くのが大変だ。
　辞典とかになると、重さはかなりのものに。
　手が届く高さの本は比較的戻しやすいが、高いところに戻さなければならない場合、踏み台や脚立を使って戻さなければならない。
（あたしはともかく、本を落とすと大変。傷つけないよう、落とさないよう気を付けないと）
　戻す時は自分も落ちないようにもだが、大切な本を落とさないように注意して棚に戻す。
　ハードワークがなく、静かな環境で働けると思っていた図書館での仕事は、予想より大変だということを身をもって知った。

　ある程度、本を元の場所に戻し終えると作業交代の時間に。
　次に体験したのはカウンターで行う貸出、返却業務。
「この本を借りたいんですけど」
　図書館利用者から借りたいという本と貸出カードを受け取るとバーコードを読み取り、手続きを済ませる。
　寝子島図書館はコンピュータで情報を管理しているので、この方法で貸出、返却ができる。
　パソコンを使った作業は司書にしかできないということで、職業体験の児童生徒には貸出、返却手続きをやってもらうことになっている。
「上手にできたわね。その調子でお願いね」
「はいっ！」
　どうやら、うまくいったようで何より。司書に褒められたので、瀬莉は頑張るぞー！　とやる気を漲らせた。

　その後、貸出手続き、返却作業といったルーチンワークを交代しながら、黙々とこなしていった。
「あのー、これ、どうすればいいんですか？」
　自分の手に負えないような仕事については、司書にやってもらったり、やり方を教わったり。
　重労働だったり、軽作業だったり、整理整頓をしたりしているうちに、あっと言う職業体験の時間が過ぎた。
　職業体験を一通りやり終えた後、甚だ疲れたような気がする。

「お世話になりました。ありがとうございました」
　職業体験が終わった児童生徒達はお世話になった司書に感謝の言葉を述べてから、図書館を後にした。
「なんかもう疲れてきた……」
　どんなお仕事でも大変なのね……と痛感し、自宅に向かう瀬莉だった。

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