this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
Color Your Future
<< もどる
1
2
3
4
5
…
15
つぎへ >>
しらじらとしたものが朝の空気に、混じりはじめる季節になった。
けれど変化はそれくらい。
伊賀 解理
にとって、普段の一日のはじまりであることにちがいはない。
解理は現在、ある大学に通っている。
今日は平日だが大学は休校、だけど早起きして解理は割烹着を着込んでいた。コンロに鍋をかけ鼻歌を歌いながらのんびり、包丁で大根葉を刻んでいる。せっかく休みが重なったのだから、朝からムダにせず使いたかった。
「おはよぅ」
末尾の「ぅ」が消え入りそうなのは、まだ眠気が残っているからだろう。
解理が振り返ると、頭の三角巾が左右に揺れた。
「おはようございます、貴子さん」
あえて文字起こしすれば『ン』と『な』の中間のような猫みたいな返事をして、
北風 貴子
はこくんとうなずいたのである。テーブルチェアを引いて、よりかかるように腰を下ろした。パジャマの袖までくたびれているように見える。
「起こしちゃいましたか?」
「いいよ。私もそろそろ起きる時間だし」
大変だったんだろうな、採点――。
今日の一日をフリーですごすために、貴子が昨夜、根を詰めて持ち帰り仕事にかかっていたことを解理は知っている。
彼女のことだ、きっと終わらせるまで床につかなかったのだろう。
歯磨き粉の香がする。眼鏡こそかけてはいるが、目のほうはまだしょぼしょぼしているらしい。髪だってところどころ乱れている。おまけに大あくびまでして、貴子はむにゃむにゃと口元を歪めた。
そんな貴子の様子を、解理はかわいいと思っている。
なんだか子どもみたいで。
抱きしめてなでなでしてあげたいくらい。
クールで大人で、頭が良くてお洒落で、素敵な、普段の貴子さんとはまるきり逆だ。
しかも貴子のこの状態を知っているのはきっと、世界中で自分だけだと思うと誇らしくもあった。
だって解理は、貴子と同棲しているのだから。
そう、『同棲』である。単なる同居やルームシェアではない。
火を止め、テーブルにお椀を並べる。
「味噌汁でいいですよね」
「うん。ありがとー」
「あとハムエッグ」
「ハムエッグ大好き」
「今朝は発芽玄米ですよ」
「なにもかもありがとね」
箸まで置き終えたところで、貴子は解理の左腕をつかんだ。
「ん……っ」
少々強引に、解理を引き寄せてキスする。唇同士を軽く合わせる程度、だけど瞬間的に、舌先を軽く割り入れた。
ミントの味。
すこし、甘い。
「もう、貴子さんったら、びっくりしたじゃないですかっ」
ぜったい紅くなってるな、と自覚しながら解理は飛び退いた。
「びっくりさせたかったし」
くすくすと笑う貴子の目は、もう生気を取り戻している。
「今日はいい一日にしようね……」
貴子は言った。
「はいっ」
抱きしめたい。この人を。貴子を。愛する人を。
「いい一日にします!」
昨年のことだ。
当時解理が暮らしていたアパートは、もれいびが起こした事件によりあっけなく半壊した。
住む場所がなくなり途方に暮れていた解理に手をさしのべたのが、このころすでに新任教師として独り立ちしていた貴子だったのである。
「うちのマンションに来る?」
部屋なら余ってるから、といとも簡単に言ってくれた貴子の好意に、一も二もなく解理は飛びついたのだった。
金銭的に苦しい解理から、貴子は家賃を受け取ろうとしなかった。
「だったら働かせて下さい!」
ご奉仕しますっ、とメイドのような気持ちで解理は宣言、そこから共同生活がはじまったのである。
忙しい貴子のために、解理は家事全般を一手に引き受けた。炊事洗濯掃除、ひとくちでいえば簡単だが、いずれもスムーズにこなせるようになるまでには、悲惨な失敗を何度も味わうことになった。だけど割った皿の分だけ、拭き取った黒カビの分だけ成長したと解理は思っている。
始終顔を合わせているわけだから、何事も順風とはいかなかった。何度か貴子と解理は真剣にケンカしたし、寝込んだ解理を貴子が看病した夜もあった。おまけに、ときおり突発的ににろっこん絡みの事件に巻き込まれたりして、日めくりカレンダーはあっという間にめくられていったのである。
といっても、ここまでは共同生活の域を出なかったろう。
それが同棲に変わったのは、こんな日々が丸一年を迎えた夜のことだった。
朝食があらかた片付くころ、貴子が含み笑いを洩らした。
「貴子さん?」
どうしました、と解理が言うと、こらえきれなくなったのか貴子は声を上げた。
「それにしてもあの夜は……思い返しても笑っちゃう」
「なぜに突然それを!?」
「だって今日、あれからちょうど一か月でしょう?」
「……!」
思いだすだけで解理は、顔から業火が噴き出しそうになる。
ちょうど一ヶ月前、もうじき深夜となる頃のことだ。
遅く帰宅した貴子を、解理はじっと待っていた。
「貴子さん、今日は大切なお話があります……!」
ちょうどふたりが座っているそのままの位置、解理は両膝に手を置き、握りつぶすくらいの勢いで握りしめていた。顔もずっとテーブルに向けられている。
「どうしたの?」
ただならぬ様子は伝播して、貴子もジャケットすら脱がず息を詰めた。
「この一年、ありがとうございました。とても楽しい一年でした。今日は……打ち明けたいことがあって」
貴子は何も言わない。
「これを口にすることで……僕たちの関係が決定的に崩れるのはわかってるんです。でも、言わずためらっているあいだに、後悔することになるほうがもっと嫌なんです……」
「うん。言ってみて」
解理は顔を上げた。
「もう僕には、貴子さん抜きの生活は考えられないんです。僕は……僕は……!」
そして決定的な一言を、解理は明かしたのだった。
貴子が席を立ち出て行く様子を、このとき解理は想像した。
あるいは、出て行って、と言われることを。
けれども貴子は、そのいずれも行わなかった。かわりに彼女はこう告げたのだ。
「だったら今夜は、いえ、今夜からは……同じベッドで寝ましょうね」
自分はノンケと言っていた当時の僕が見たらどう思うかはわからないが、僕はいま、とても幸せだ。
「あ……あの貴子さんの言葉、すっごく大胆で、今思いだしても身悶えしちゃいます! あれを冷静に言いのける貴子さん……貴子さんの格好良さに、僕はもう……」
「なに言ってるの? あのね私だって、あのとき死ぬほど恥ずかしかったんだから……!」
あっ、と解理は心の中で声を上げた。
貴子さん、顔赤い。
なんだか嬉しい。
「あのあと、お互いやり方がわからないながら一生懸命ですね、その……」
「ちょっとー、朝からそういう話はよしなさいってば。さあ」
ちゃっちゃと片付けて出かける準備よ、と言う貴子は、もう普段の彼女だった。
クールで大人で、頭が良くてお洒落で、素敵な。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
15
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
Color Your Future
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年08月24日
参加申し込みの期限
2019年08月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年08月31日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!