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部活動のお時間です! ~運動部編~
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騒がしいテント内に背を向けて、といきはフードをかぶったまま空を見上げていた。
予選の記録は決して望んでいたほどではなかった。他校の体格のいい生徒たちに押し負け気味だったこともあり、タイムよりも思うように自分の走りができなかったことに不満を感じていたようだ。
「とーいーきーちゃんっ」
「にゃっ!?」
座っていたといきの背中に抱き着いたのは空音。にやーっとした笑顔とタッパーの蓋に乗せられたレモンを差し出す。
「どしたのー? 体調悪い?」
「いや、だ、だいじょうぶ」
突然の衝撃に少し戸惑うといき。しかしそんなことお構いなしに空音はレモンをといきの口元に持って行く。
「私ねー、あんまりマネージャーの仕事分かってなくて、昨日真央ちゃんにいっぱい教えてもらったんだ。この前授業お手伝いしたしね、そのお礼ってことで。
でも仕事以外にも、私にできることがあるのかなって。それが、まぁプレイヤーのテンションをあげることだと思うんだけど」
空音は言葉を切り、といきを見つめる。
「といきちゃん、今日も真剣。でも緊張してるようにも見えたから。……余計なお世話だったら、ごめんね」
「いや……ありがとう。気にしてもらえて嬉しい、にゃ」
といきは照れ臭そうにフードを下げる。そして蜂蜜レモンを受け取ると、さっきよりも明るい気持ちで空を見上げた。
次は、誰にも負けない。
といきの目つきが変わったのをみて、空音は安心したようにその場を離れた。
こんなこと自分に言われたくないかもしれない、でも空音は放っておけなかった。
とりあえず、気になっていたことを解消したところで視線を浅井先生及び男子部員、の筋肉に移す。
「ふふ、ふふふふふ……」
空音の背後に薔薇色のオーラが現れる。彼女に関わる者ならだれもが知っている空音の性癖。
変 態 で あ る こ と 。
マネージャー業務の傍ら、彼女の視線は部員たちにとどまらず、他校生徒の体をもなめまわしていた。
短いユニフォームの裾から伸びた筋肉。ちらちらと見え隠れする腹筋。大胆にもユニフォームの上を脱ぎ、汗を拭いている部員を見つけたときには、行動には移さなかったが写真を撮りたくてずっとうずうずしていたようだ。
予選のためテントから部員がいなくなった瞬間を狙い、浅井先生にセクハラ、もとい萌えの相談を行い、さらりと流されていた。
「萌えなみんなをじっくり見ていたいけど、今日はネタが多すぎて……美味しいなー、もうお腹いっぱいだよー?」
寝子島高校の部員。特に男子部員は意図的に空音の方向を見ないように視線を逸らす。が、それでも背中、というか背筋をなめまわす様な空音の視線には気づかないふりをするのが精いっぱいだった。
「さあ、みなさん! 次もしっかり応援してますから! ……本気出さないと、掘りますよ?」
最後にぼそりと付け加えられた一言に、男性陣の表情が青くなったところで決勝がスタートした。
最初に競技に移ったのは走り幅跳びの拓郎。複数回飛んだうちのもっともよかった記録が大会記録となる。
決勝という事もあり、予選時よりも空気がぴりぴりしている。拓郎は息を吐き、その頬を叩く。
頬を叩いて5秒以内に走り出してしまうと、ろっこん「ハイヤードジャンパー」が発動してしまうため、走り出すよりも少し早目に。
テントの方をちらりと見ると、真央と空音が並んでこちらに手を振っていた。
小さく手を振りかえしたところで、先ほどの空音の言葉を思い出し、緊張とは別の意味で背筋に悪寒が走る。
それと同時に笑みも浮かんでくる。どこまで行っても空音は空音だった。
拓郎が飛ぶ。
着地するまでがひとつの絵になるように、まるでそこが彼の居場所であるように。
慣れた動きで足場に着地する。記録は予選時よりも少し伸びていた。
誰にも気づかれないように小さくガッツポーズを作ると、次の順番に備え列から外れる。
その後もじわじわと記録を伸ばしていった。
トラックではハードルの決勝が開催されていた。自分より先に走っている人たちを見ながら、侑はリズムを確認する。
順番がまわり、スタートラインにつく前に侑はその頬を指で持ち上げ、口角をあげる。
「大丈夫、よし、行こう!」
目の前のハードルに集中し、走り出す。
――ああ、隣のレーンのひとが一歩先に行ったな。
――あ、誰か倒した音がする
――でも私はいける。もっと走れる!
走っている間、侑は笑顔だった。
一緒に走った組のなかでは3位だったが、タイムは自身のベストを越え、満足そうな笑顔でテントに戻って行った。
高跳びのセットを前にして正也は大きく伸びをする。
2年という事もあり、決して初めてで緊張しているわけではないのだが。
競技場の感覚は慣れたとはいえやっぱり練習と違って他の奴らがやっているのを見るのはプレッシャーかかる。
かといって見ないとか普段と違うことしたら余計に自分のペースじゃなくなるしなあ……と、そんなことを考えてからはっとしたように後ろを振り向く。
そこには他校の順番待ちをしていた生徒がいただけで、いきなり振り返った正也に怪訝そうな視線を投げかけていた。
正也は愛想笑いでごまかすと胸をなで下ろす。
「心の声、出てなくてよかった」
正也のろっこん「思ったー」はヤバいと考えたときに思っていたことがそのままフキダシとなって背後に現れてしまう。
フツウの「ひと」が多い場所ではそうそうでないとわかっていても、不安になってしまう。
そうこうしているうちに番号を呼ばれ、正也の順番になる。
「いつも肝心な場所でバーにあたる……けど、今は何も考えない。なにも」
成功したイメージだけを頭に浮かべ走り出す。
まずは自己ベストよりも低い高さを。難なく飛び越えてから高さを上げていく。
そして迫るのは自己ベスト。飛び越え、背中から着地する。バーは少し揺れたが、落ちることはなかった。
「次だ……!」
一度も成功していない高さに合わされたバーを睨み、呼吸を整える。
短く息を吐き、走り出す。踏み切ると、瞳には空だけが映った。
――。
バーの落ちる音がしない。正也が慌てて起き上がると、そこには飛ぶ前と形を変えていないバーがあった。
「おっしゃ、自己ベスト更新!」
歓びのあまり正也はマットの上でガッツポーズを取り、係員に早く退くように注意されていた。
トラックでは満帆が走り始めていた。
先頭集団には入れなかったが、その後ろについて黙々と走る。
しかし徐々に先頭集団からも離されていく。
ついていけない自分のスピードに、走りながら目頭が熱くなる。
呼吸が乱れ始める。整えようとするが上手くいかず、頬を熱いものが伝う感覚が余計に満帆に焦りを産んだ。
やがて1人、また1人と走り終え、満帆もゴールする。
結果は10分34秒。自己ベストは更新したものの、目標にはわずかに届かず。
頬を伝ったものはすでに乾いていたが、その上から再度雫が流れる。
テントに戻った満帆を迎え入れ、浅井先生はその頭を撫でた。
「まだ1回目の記録会じゃないか。自己ベストは更新したし、ここから着実にタイムを伸ばしていこう、な?」
「負けへんもん……次はぜったい、負けへんからな……」
「よしよし、その意気で頑張ろう」
高校のレベルに触れた満帆は、確実に一歩成長したのだった。
「浅井先生、次は5000mW?」
「そうだな。金戸と冴木と青物か」
「……竜司は今年は何位になるかな」
望月の言葉に浅井先生が苦笑する。長距離、5000mWが始まった。
「青物、緊張してんのか?」
パーカーのフードをかぶったままのといきに幸虎が声をかける。ぶっきらぼうな言葉だが、純粋に心配しての言葉だった。
「……だいじょうにゃ」
といきはフードの下からその瞳を幸虎に向ける。
「金戸さんも、頑張ってにゃ。いつか一緒に駅伝出れるように」
「調子乗ったこと言ってこけんじゃねーぞ?」
ウィンクしてみせたといきに、相変わらずの憎まれ口を叩く幸虎。しかしその表情はどこか嬉しそうだった。
「相変わらず素直じゃねぇなあ、金戸クン?」
「冴木先輩」
後輩2人の会話をにやにやしながら聞いていた竜司。微笑ましい会話ににやにやと頬を緩めている。
「冴木せんぱい、気持ち悪いにゃ……」
「どいひー!? 何言っちゃってんのといきちゃん!?」
「冗談だにゃ」
にゃははーと笑うといきと、割と本気で傷ついている竜司。幸虎はそんな2人を交互に見て、つっこみを諦めた。
男子の組がスタートする。
竜司は最初から先頭集団に属し、ただし去年のように張り切りすぎて最初からトップに出るようなことはしなかった。
先頭集団の中でも真ん中あたりをキープしつつ、後ろのやつの邪魔をしながらいつでも前に出れる位置を確保していた。
一方幸虎は竜司の数メートル後ろを走っていた。前後に翻弄されることもなく、自分のペースを保ち走り続ける。
「はぁ……金戸くん、いい脚……」
そんな風に呟いた空音の言葉が届いているはずもないのに。
一瞬幸虎の首筋を嫌な汗が伝った気がした。
走る位置が入れ替わったりしつつ、最後の1周に差し掛かった時。先頭集団の真ん中あたりから、1人追い上げを図り始めた人物がいた。
竜司である。元々持っていたスタミナを発揮しつつ、目の前にいた他校生を追い抜きトップに躍り出る。
他の走者も負けじと前に出ようとするが、竜司の動きに邪魔されて上手く追い越せずにいた。
そして竜司を先頭に置いたまま走り終わる。
「どやぁああ!! 1位! きたぁっ!!」
走り切るとともにウィニングランとばかりに数十メートル余分に走り両拳を突き上げる竜司。
その後ろで少し後に走り終えた幸虎が声をかけるべきかどうすべきかという顔で佇んでいた。
女子の組がスタートする。といきは予選と同じく先頭集団より少し後ろのあたり。背の高い人たちに囲まれて、やはり思うように走れないでいるようだった。
「……こーちゃん先生、といきちゃんのタイムってどれくらいなんですか?」
「ん、予選の時の結果ならここにあるぞ」
「ありがとうございます。……ん、このタイム……、っ!?」
望月がテントから身を乗り出す。
「といきちゃーんっ! 頑張れ! ほら、こーちゃん先生も!」
「え、あ、ああ。青物ー! いけー!」
望月に促されて浅井先生も声を出す。
他の部員たちも各々に声を張り上げといきを応援する。普段あまり口数の多くない拓郎も、今回ばかりは熱のこもった声援を浴びせていた。
「あと、3周……いけるかに」
「といきちゃんならいけるで。ウチが保証する」
侑と満帆も固唾を飲んで見守っている。
残り2周を切ったとき、といきが動いた。小柄な体を器用に滑り込ませ内側から抜いて行く。
「おお、上手いな」
正也が思わずため息を漏らす。他の人の走りを妨害しすぎず、かといって自分の立ち位置を譲らない。
そこには“陸上部の青物といき”の姿があった。
トップにこそ立てなかったが、4位でゴールしたといきを竜司と幸虎が迎える。
「よく抜いたな! さすが俺の後輩!」
「なかなかやるじゃねーか」
「なんで……そんなに元気なのかにゃ……」
2人に支えられながらテントに戻ってきたといきは疲れ切った顔で小さくブイサインをつくる。
長距離組に冷たいスポーツドリンクを手渡して、望月は歯を見せて笑った。
「頑張ったな、お疲れさん」
「望月、俺は? 俺は?」
その隣でアピールする竜司に望月は軽くデコピンをかます。
「お前はあれぐらいじゃねぇと許さん」
「ど、どいひー!?」
「ははっ、じゃあ俺も行くかな」
ハンマー投げ決勝に向かうためテントから出ようとした望月に一種の違和感が走る。
恐る恐る振り向いた先には、思った通りの人物がいた。
「……モモハラチャン、ナンデ、オレサマノ、ケツ、モンデルノ?」
「せーんぱいっ☆ 相変わらずいいお尻ですよねー」
「……やめいっ!」
ゴチッという音共に空音の脳天にげんこつが落とされる。空音が思わずしゃがみこんだうちに逃げるように集合場所へ向かう。
そんな望月の背後から一言。
「頑張ってきてくださいねー! ……入賞しなかったら合法的にお尻を揉ませていただく方向で」
死んでも記録を出してやる。望月はそう誓ったのだった。
「差し入れとかゼッケン付けとかでちょっとはありがたく思ってたのに! 帳消しだよどうしてくれる!」
憤慨しつつも肩の力を抜き、集中する。最後の一投。目を閉じれば一緒に部活をしてきたメンバーと浅井先生の顔が浮かぶ。
……そして最後に、なんとも形容しがたい表情の空音の顔が浮かび望月は反射的に吠えた。
「うおぉおおおっ!!」
はっとした時にはもう遅く、ハンマーは手元を離れて地面に突き刺さった。
「あ、あああ、やばいんじゃねぇの俺様……」
あまりの手ごたえのなさにその場で膝から崩れ落ちる望月。
神に祈る気持ちで結果を待った。
「記録、69.4メートル!」
「……!?」
予想を超え、目標も越えたスコアに思わず思考が固まる。
「……え?」
どうやら空音の恐怖だけは去ったらしいという事だけは、なんとなく理解したようだった。
表彰式が行われ、日も傾いた夕暮れ。
浅井先生がといきを探してきょろきょろと歩いていた。
木の影に座って1人で反省会を開いていたといきは浅井先生を見つけフードで顔を隠そうとする。
が、浅井先生は目ざとく見つけると、そのフードをはがしてといきの目を見つめてきた。
「な、なにかにゃ、もうバスでちゃう?」
いつもと違う雰囲気にどぎまぎしつつ視線を逸らすといき。
「青物、俺の目を見ろ」
「う……はい、にゃ」
「いいか、青物」
浅井先生は小さく息をついてから続ける。
「お前は今日、予選と決勝で明らかに成長した。自分の中でそのことを思い返すのも構わない。だがな、たまには俺達を頼ってくれていいんだ」
突然のことに目を見開くといき。
「1人で考えていたらループしてしまう。特によくない部分はな。だが俺たちは青物のいいところをいっぱい知っている。だからどうせ1人で考えるなら俺たちに話してくれないか?」
「浅井せんせ……」
今度はフードで顔を隠す様な事はせず、といきはいっぱいの笑顔で大きく頷いた。
「といきちゃんばっかりずるいでー! あさちゃんせんせ、ウチも慰めてー!」
「ちょ、だめ!」
横から浅井先生に抱き着こうと飛び込んできた満帆を妨害しつつ、3人はバスの前に移動する。
「思ったように記録が出なかった奴もいるんだよな……その悔しい想いを来年に残さないためにも、努力してこうぜ。俺も付き合うからさ」
「というかお前が去年そうだったんだろ?」
「桐野、かっこよく〆ようとしてるんだからそんな冷静なつっこみいれちゃだーめ」
「ま、次の大会までにどう化けるか楽しみだよな」
2年生トリオは後輩たちの成長を喜びつつも、いつか追い抜かれるんじゃないかという焦りも抱いていた。
ただやっぱりそんなことよりも、
「「「楽しいのが一番だよな!」」」
記念に集合写真を撮り終え、陸上部を乗せたバスの中は笑い声を絶やさずに寝子島高校へ向かって走っていく。
夕日が空を赤く染めていた。
「あーーーっ!!?」
竜司の叫び声に一同が騒然となる。
「なんだ、どうした?」
「ね、姉ちゃんが」
携帯を握りしめたまま竜司が叫ぶ。
「俺のまゆ先生と飯食いに行ってるー!! 意味わかんねェあのクソ!」
正確にはまゆ先生率いる水泳部の面々なのだが、今の竜司にはそんなことは関係なかった。
自分の姉である
冴木 白虎
が愛すべきまゆ先生と一緒に写真を撮って送ってきたのだ。
今の竜司にはそれだけで姉と喧嘩する材料には十分だった。
「くっそ。こうなったら……帰りは皆でラーメン食いに行こうぜ! 浅井先生の奢りな!」
「はぁっ!? 俺!?」
この後バスが寝子島高校に到着して、真っ先に逃げようとした浅井先生が走者組に捕まえられたのは言うまでもない。
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日常
学校生活
スポーツ
定員
1000人
参加キャラクター数
66人
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シナリオガイド公開日
2013年08月08日
参加申し込みの期限
2013年08月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月15日 11時00分
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