部活動のお時間です！～運動部編～｜リアクション

部活動のお時間です！～運動部編～

【新聞部部室にて】

「お疲れ、橘」

部室の机に伸びている美咲紀に、修がジュースを手渡して頭をなでてやる。
美咲紀は探検部の取材がえりで少しお疲れの様子。頭を撫でられて少し嬉しそう。

「そっちはどうだったんですか？」

ジュースの蓋を開けながら美咲紀が修に尋ねた。

「金曜日に行った歌留多同好会の畳運びで全身が筋肉痛になった以外は上々だよ」

軽く笑ってみせるがそれすらも筋肉痛を庇っているのがわかる。

「片づけもきっちりやらされたからな……」

金曜日のことを思い返し、修はため息をつく。
しかし筋肉痛と差し引きしても、十分に有意義な取材だった。

「そういえば野球部はどうなったんですか？」
「ああ、試合結果が新聞に出ているはずだ」

雨天のため途中で試合が打ち切られた野球部は、土曜日に再試合を行い、４-２で勝ち越ししている。

「これで寝子高はベスト８進出、か」

甲子園まであと３勝。寝子島高校の快進撃は止まらない。

「あ、サッカー部も載ってますね」

美咲紀の指示した方向にはアントニオンの大々的な写真が。
見出しは大きく「まさに神(髪)の手！？」と書かれている。

「神の手？」
「リフティングしたボールを頭上に乗せたままゴールまで走ったんだそうですよ」

確かに写真のアントニオンの頭上にはサッカーボールが。

「普通なら落ちるんじゃないのか？」
「それが、髪の毛がまるで下からボールを支えるかのように絡んで落ちなかったみたいですよ」

記事の最後は「これは今後、高校サッカーの伝説として名を残すだろう。彼を見習ってドレッドヘアーにする若者が増えるかもしれない」と締めくくられていた。

「……先輩が伝説になった」
「光栄なことじゃないですかー！」

デジカメを操作しつつ、美咲紀はパソコンにデータを移していく。

「私たちのお仕事は、この伝説を寝子島高校内で情報として残していくことですけどね」
「そうだな」

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あとがき

担当マスター：時織椎
ファンレターはマスターページから！

まず、お待たせしてしまい大変申し訳ありませんでした。
まさか夏が終わっているとは思わず。まずは深くお詫び申し上げます。

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運動部編、いかがでしたでしょうか。
毎度時織の力不足で反映しきれなかったアクションのある方は本当に申し訳ありません。
野球部が甲子園に行くかどうか、それはまだまだ６月のらっかみ世界、夏のお楽しみにとっておきましょう。

今回運動部を書くにあたって、一番大きな壁は「ルール」でした。
今回ほどもっと武道とか格闘技とかやっておけばよかったと思う機会はありません。
ひとまず弓道経験者の友人に数日間弓道の指導を受けたのですが、左腕が地味に筋肉痛になったことをここに報告しておきます。

それではみなさま、次のシナリオでお会いいたしましょう。
ぜひとも次も見限らず、お付き合いいただければ幸いです。

時織椎

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