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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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暴け！ 大人だけのヒミツの暗号
武道と彰尋は苦悩していた。
「武道先輩、これは……」
「やっぱりかー……偶然の産物というには、ちょっと……」
なんとも言えない面持ちで、二人はコーヒーを片手にまだ交流ノートを覗き込んでいる。そこには見間違いでなく、確かに―3046461629―と書かれていた。
「二人はまだ何か悩んでいるのか？ それとも、謎が解けて楽しくなったか……」
「おわっ!? い、いやー、例のアレが気になってね☆」
もう謎解きは解決したんじゃないのかと思いながらテーブルを訪れたのは月詠。しかし、薄々答えがわかってきた二人には、なんとなく―3046461629―の並びを見せるのすら恥ずかしくなった。
（例の……ああ、アレか）
誰が記入したかまでは確信はないが、この二人の慌てようは先程の義弘に通じる物がある。
二人が書き込んでいる解読用のノートには、縦の列は１から０まで使われているのに、横の列は５までしか使われていない。そこに気づいた月詠は、横の列の５をトントンと指先で叩いた。
「どうして、ここは５までなんだい？」
「どうして、って……そりゃあ、えーと……あ、い、う、え、お、で五十音は終わり……だから、なぁ？」
「いやいや本当に、見当もつかないですよねぇ……」
――嘘だ。二人は思い当たる物があるのだが、それから考えを逸らすべく知らないフリをした。
五十音が埋まった今、残りの枠にくるであろう文字は、英数字しかない。これを仮に、上から順番に16がA、17がBと埋めていき、10にEまで埋めて26にFとすると―3046461629―は『OPPAI』となってしまう。
こんな物が交流ノートに記されるワケはない。でも、単語として成立してしまっているので、アルファベットを埋める過程は間違っていないと思う。いや、しかし――。
かれこれ、そんな思いが続いて、ここから先へは進めないようだ。
「……まあ、気づかぬ幸せもあると思うがね」
なぜか遠い目をする月詠に、やっぱりこれは『OPPAI』なのかと二人は困ったような息を吐く。
「特別メニューでもなさそうだし、作品タイトルってことにしたいけど……スッキリしないなぁ」
ポソリ。考えていたことがそのまま口に出てしまった武道に、彰尋が頭を抱えながらも同意する。
古書喫茶で使われる暗号の、新たな謎が増えてしまった。二人はやっぱりなんとも言えない面持ちをしている。
「それに心奪われ、気になってしまうのは……男のサガか」
月詠はそれだけ言い残し、興味の惹かれる本を探しつつ他に謎解きで詰まっている者がいないか見て回るのだった。
智瑜は、入り口で拾ったメモを義弘に見せながら、交流ノートで見てきたことを相談する。
「先生の考えた問題、やっぱり難しいですね。3046461629……交流ノートにも同じ数字があったんです、でも考えてもまったく分からなくて……」
「ノートに？ 馬鹿な、それは消したはず……」
「え？ ノートのは間違ってたんですか？」
「ああ、いや……少し確認してくる」
おかしい、何かが記憶と違っている。
義弘は少し考え込みながら、ノートを確認しに席をたつと、手近な交流ノートを手にとった。そこには、やはり自分が書いた記憶のない―3046461629―が書かれている。
（誰かがふざけて書いているだけか、私の消し忘れが発端で悪ノリを流行らせてしまったか……）
後者だとすれば、申し訳がない。義弘は事実確認のために、文也へこのノートのことについて聞かなければと、再び―3046461629―のメモを用意した。
『OPPAI』がただの落書きなのかメッセージなのかはひとまず置いておいて。彰尋はつい頭に浮かんでしまうものを入れ替えるために、ポケベルにまつわる本などが無いか探してみた。
推理小説のイベントコーナーに置けば回答になってしまうので、あるとすれば実用書のコーナーだろうか。彰尋が背表紙に目をこらしながら探していると、ちょうど気になるタイトルの本があった。
『ポケベル使いこなし術』と書かれた本をパラパラとめくってみると、まだかな変換コードが無かった頃、語呂合わせで挨拶や地名を入力して待ち合わせに活用したり、個人の電話が無かった頃は、これでメッセージを送り合ったりしていたようだ。
（……うん、これは大事に覚えておこうかな）
語呂合わせだから、読もうと思ったら読めるかもしれないし、もしかしたらちょっと難しいかもしれないけれど。―14106―は、いつか彼女に使ってみたい暗号だと思う。
もし、読めないと言われたら、この言葉を正面から口にすることはできるだろうか。演技に頼らず、まっすぐに――『あいしてる』の言葉を。
「武道先輩、これは……」
「やっぱりかー……偶然の産物というには、ちょっと……」
なんとも言えない面持ちで、二人はコーヒーを片手にまだ交流ノートを覗き込んでいる。そこには見間違いでなく、確かに―3046461629―と書かれていた。
「二人はまだ何か悩んでいるのか？ それとも、謎が解けて楽しくなったか……」
「おわっ!? い、いやー、例のアレが気になってね☆」
もう謎解きは解決したんじゃないのかと思いながらテーブルを訪れたのは月詠。しかし、薄々答えがわかってきた二人には、なんとなく―3046461629―の並びを見せるのすら恥ずかしくなった。
（例の……ああ、アレか）
二人が書き込んでいる解読用のノートには、縦の列は１から０まで使われているのに、横の列は５までしか使われていない。そこに気づいた月詠は、横の列の５をトントンと指先で叩いた。
「どうして、ここは５までなんだい？」
「どうして、って……そりゃあ、えーと……あ、い、う、え、お、で五十音は終わり……だから、なぁ？」
「いやいや本当に、見当もつかないですよねぇ……」
――嘘だ。二人は思い当たる物があるのだが、それから考えを逸らすべく知らないフリをした。
五十音が埋まった今、残りの枠にくるであろう文字は、英数字しかない。これを仮に、上から順番に16がA、17がBと埋めていき、10にEまで埋めて26にFとすると―3046461629―は『OPPAI』となってしまう。
こんな物が交流ノートに記されるワケはない。でも、単語として成立してしまっているので、アルファベットを埋める過程は間違っていないと思う。いや、しかし――。
かれこれ、そんな思いが続いて、ここから先へは進めないようだ。
「……まあ、気づかぬ幸せもあると思うがね」
なぜか遠い目をする月詠に、やっぱりこれは『OPPAI』なのかと二人は困ったような息を吐く。
「特別メニューでもなさそうだし、作品タイトルってことにしたいけど……スッキリしないなぁ」
ポソリ。考えていたことがそのまま口に出てしまった武道に、彰尋が頭を抱えながらも同意する。
古書喫茶で使われる暗号の、新たな謎が増えてしまった。二人はやっぱりなんとも言えない面持ちをしている。
「それに心奪われ、気になってしまうのは……男のサガか」
月詠はそれだけ言い残し、興味の惹かれる本を探しつつ他に謎解きで詰まっている者がいないか見て回るのだった。
智瑜は、入り口で拾ったメモを義弘に見せながら、交流ノートで見てきたことを相談する。
「先生の考えた問題、やっぱり難しいですね。3046461629……交流ノートにも同じ数字があったんです、でも考えてもまったく分からなくて……」
「ノートに？ 馬鹿な、それは消したはず……」
「え？ ノートのは間違ってたんですか？」
「ああ、いや……少し確認してくる」
おかしい、何かが記憶と違っている。
義弘は少し考え込みながら、ノートを確認しに席をたつと、手近な交流ノートを手にとった。そこには、やはり自分が書いた記憶のない―3046461629―が書かれている。
（誰かがふざけて書いているだけか、私の消し忘れが発端で悪ノリを流行らせてしまったか……）
後者だとすれば、申し訳がない。義弘は事実確認のために、文也へこのノートのことについて聞かなければと、再び―3046461629―のメモを用意した。
『OPPAI』がただの落書きなのかメッセージなのかはひとまず置いておいて。彰尋はつい頭に浮かんでしまうものを入れ替えるために、ポケベルにまつわる本などが無いか探してみた。
推理小説のイベントコーナーに置けば回答になってしまうので、あるとすれば実用書のコーナーだろうか。彰尋が背表紙に目をこらしながら探していると、ちょうど気になるタイトルの本があった。
『ポケベル使いこなし術』と書かれた本をパラパラとめくってみると、まだかな変換コードが無かった頃、語呂合わせで挨拶や地名を入力して待ち合わせに活用したり、個人の電話が無かった頃は、これでメッセージを送り合ったりしていたようだ。
（……うん、これは大事に覚えておこうかな）
語呂合わせだから、読もうと思ったら読めるかもしれないし、もしかしたらちょっと難しいかもしれないけれど。―14106―は、いつか彼女に使ってみたい暗号だと思う。
もし、読めないと言われたら、この言葉を正面から口にすることはできるだろうか。演技に頼らず、まっすぐに――『あいしてる』の言葉を。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年08月13日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年08月20日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年08月20日 11時00分
