this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
はじまりのセプテンバー
<< もどる
1
2
3
4
5
…
22
つぎへ >>
なんか今日は街中でパトカーをよく見るなあ。
七枷 陣
はそんなことを思いながら、今日も今日とてゲームショップ『クラン=G』の自動ドアの前に立つ。ドアはロウでも塗ってあるかようになめらかにスライドした。
もっと小さい店舗で経営していた頃から陣はよく来店したものだが、最近とみに来店ペースが上がったような気がしている。この店は商品入荷のサイクルが早いので、毎日来てもなんらかの発見があったりするのは事実だけれど、どうもそれだけではないような気もしないでもない。
「こんちゃーす」
「おー、七枷君か」
ガラスショーケースで組んだレジカウンター、その奥に座っているのは店長の
三佐倉 杏平
(みさくら・きょうへい)
だ(なお彼は、モデラーとして活動するときは苗字同じで『京平』と名乗っている)。
娘の千絵とは背丈がちがうからすぐわかる。飛び抜けて長身なのだ。痩せているせいか、ぬぼーっと高いという印象。杉の木かなにかのような雰囲気だった。座高だけでもかなりのものがある。
「おー、めずらしいなー七枷君、どんな風の吹き回しだい?」
「いや僕昨日も来てましたからね。というかその前日も」
「だったっかなあ」
「……レジの店番はずっと千絵ちゃんでしたけど」
「おー」
ボーっとしているというか自分の好きなこと以外には、まったく興味を持たない店長らしい言い分だ。
「ずっと奥でカードゲームとプラモ作りしてたでしょ店長、仕事時間に」
「照れますなあ」
「褒めたつもりはありませんが」
まあ万事杏平はこの調子なので、店の経営が成り立っているのは、かなりの部分千絵のおかげといえよう。
なお、以前の杏平店長はうさんくさい長髪にヒゲで、姿勢の悪さもあって怪しさ満点のオランウータンっぽいルックスだった。しかしアメリカに行ったおりテロリストに間違われ不審者尋問を受けたとかなんとかで、ヒゲは剃り短髪にカットしており、最近はもっぱらこれで通しているようだ。……それでも、ぬぼーっとしたオーラのせいでやはり存分に怪しいのだけども。
「今日、千絵ちゃんは?」
「まだ学校だよ。そういえば夏休みが終わったんだなあ」
おいおい、と突っ込みたくなる気持ちを抑えて陣は言う。
「ところでTOS(※)の新しいデッキ組んで来たんですよ。後でデュエルしません?」
「やろうやろう、今やろう!」
やはり店長、好きなものには食い付きがいい。
「でも店長、対戦テーブルに行ったらレジ仕事ができないのでは?」
「いいんだよ。ここにこのボードを置けばー、ほら?」
そそくさと杏平はカウンター上に対戦ボードをひろげてしまった。他のカードゲーム用のボードなのだが、大きさ的にぴったりなのだ。こういうときだけ彼の行動力は大変に迅速だ。手際もいい。
なんつうオッサンや――。
社会人としてどうなのか、という気持ちもあるが、それでも陣は杏平のことをちょっと尊敬してもいる。まだマイナーなころからTOSブームが来ることを見越して大量入荷し、メーカーと太いパイプをつなぐことに成功したのは完全に彼の才覚だったというし、プラモやボードゲーム、書籍の入荷についても、すべて勘任せながらほとんどハズレがないという。そもそも、これだけ店を大きくしてなお成功を維持できているのだから大したものだ。
「ところで最近、千絵と仲いいの?」
一切の前置きなくゲーム中に突然、杏平はぽつりと陣に言った。
「へ?」
「仲いいの? よく話してるけど」
「はあまあ……といってもTOSや漫画の話ですけどね、たいがい」
「あの美形の彼もそうなのかなあ……」
「いやそちらの彼というのは存じ上げませんけれども」
「ふーん。お、来た来た!」
杏平はやおら立つと、切り札を場に叩きつけるように繰り出した。
「
オラー! クロス攻撃じゃ! 往生せいやー!
」
「ちょ……それ、そんな使い方します!?」
細かい解説は省くが、ルールの裏をかくような
えげつない
攻撃だった。とはいえ知能的な手でもある。
「ちぇ、僕の負けですね」
あと2ターンあればいいところまで行けたのに、と陣はほぞをかむ。
うしっ、と杏平はガッツポーズをした。たとえ高校生相手でも情け無用の本気、それが三佐倉杏平という男なのである。この辺の手加減の『できなさ』は娘の千絵にもしっかり受け継がれていると思う。
だが彼はまた唐突に、こんなことを言い出す。
「ところで千絵に手を出したらお父さんは容赦しないからね?」
「えっ?」
「容赦しないからね」
口調こそ軽いが杏平、目はまったく笑っていない。
ゲームプレイヤーから父親へモードを予告もなく切り替えるのはやめていただきたいっ!
「しません、って!」
思わず陣も声を上げてしまう。
「相手は小学生ですよそれに僕は――」
「まあ、将来のことも見据え真剣に交際するというのであれば、考慮しないでもない」
「いやだからですねー」
なんつうオッサンや――改めて思う。
しかし逆に言えば結婚を前提にした交際であればOKということ……いやいやいや! 突如湧いて出た思考を振り落とすと陣は言った。
「ところで店長、千絵ちゃんと言えばですね。いくら娘で小学生だからって無給で働かせるのは酷くないですか?」
「え? 突然なに?」
「なけなしでもお小遣いレベルの給料くらい上げたらどうなの? ってことですよ。愛想尽かされて三行半とかつきつけられても知りませんよ? 普段のお小遣いと労働の対価って別枠……」
「おー、それね」
陣の言葉をさえぎって杏平は首を振った。
「千絵がいらない、って言うんだ。無給はあの子の希望なんだよ。ゲームのサンプル品をもらえるだけで十分だ、って。むしろその分を店の経営に回せって言われてる」
あら意外な話。陣はまばたきを繰り返した。
「もちろん普通の小六くらいの小遣いは毎月あげとるよ? おー、でもあの子ほとんど貯金すんのよなあ……ほしいものを我慢しない父からどうしてあんなよくできた娘が生まれてきたのやら……」
親バカ娘自慢なのか照れなのか、杏平は後頭部をかきながら座った。
「……そうでしたか」
考えてみれば、千絵らしい話ではある。
「でもね七枷君ここだけの話だけどね」
「はい」
「賃金のかわりに毎月、娘の口座を作ってそこに入金しているんだよ俺も。将来留学したいと言ったときの費用にするとか、結婚資金とか」
杏平は杏平で、ちゃんと考えてはいるらしい。それなりに親らしいところもあるのだ。では、とカードを片付けた陣はその場を去ろうとしたが、
「あ、千絵が帰ってきた」
杏平が陣を引き留めた。
「ただいま」
ランドセル姿の
三佐倉千絵
(みさくら・ちえ)が立っている。
「七枷さん、いらっしゃいませ」
千絵が言うが早いか、
「ちょうどいいところに帰ってきた。千絵、お父さんは新作ガレキ(ガレージキット)を仕入れに行くから店番頼むな! 七枷君も」
しょうがないですね、と千絵は短く回答する。こういうやりとりは慣れっこらしい。だけど慣れっこではないのは陣だ。
「えっ、いやなんで僕が……ちょっとぉ!?」
陣の伸ばした手はなにもつかむことができない。
「おー、バイト代なら出すから見よう見まねでやってみてよ。チラシ折りとか仕事ならいっぱいあるからさー。ほな!」
言いっ放しにして電撃的な速度で、杏平店長は姿を消したのだった。
普段はぬぼーとしているのに、自分の好きなことだけは異様なまでにスピーディー、それが三佐倉杏平という男なのである。
立ち尽くす陣に、
「……どうぞ」
千絵がエプロンを手渡した。
緑地、白の縁取り、胸には『G』のマーク、まごうことなきゲームショップ『クラン=G』の公式コスチュームである。
※TOS:『Tales Of the Sky』。現在全国的に人気急上昇中のトレーディングカードゲームの名称。出始めのころから『クラン=G』はこのゲームを強くプッシュしていた。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
22
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
はじまりのセプテンバー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月09日
参加申し込みの期限
2019年07月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!