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根積宏一郎改め『マウス』の拳が、唸りを上げナターシャ・カンディンスキーの頬に伸びた。
だが巧い、ナターシャは両手で攻撃を受け流している。
マウスは大きくバランスを崩し倒れこむ――ように見えた。
ひょうと空気を切り裂く音。
次の瞬間右腕を支えに、とんぼ返りを描くようにしてマウスは靴先で、ナターシャの右頬を狙ったのである。
夜海霧楓がいなければ、さしものナターシャも顔面を砕かれていたことだろう。
マウスの足が空中で止まっている。
「コマンドサンボ! そういう芸当もできるのか」
楓はギリギリと、握ったワイヤーを引き絞った。とっさに投げてマウスの足に引っかけたものだ。
通常の人間相手ならこの不安定な姿勢で足を引かれれば倒れる。ところがマウスは逆立ちしたまま動かない。しかもかなりの力で引っ張り返してきた。
楓はワイヤーを引く。マウスも、ワイヤーを引く。引き合う。
膠着状態が数秒続いた。されど、
「欲しけりゃくれてやるよ」
唐突に楓は手を離した。急に引く力がなくなり、マウスはどっとその場に転倒した。
倒すことが目的ではない。
いやむしろ、こいつの全貌が見えない以上、交戦を続けるのは危険だ。
「退(ひ)くぞ」
楓が駆け出すとすぐにナターシャも並ぶ。
コンテナに駆け上がり乗り越え、急な進路変更を繰り返しながら、迷路のようにならぶ倉庫の間を楓は疾走する。ナターシャはぴったりとついてきた。
マウスは二人を見失ったらしい。甲高い声を発しながらどすどすと走っているのが聞こえた。
「やつはまだ、寝子島の地理を知ってるわけでもなさそうだ。ここは、さっさと撒いて逃げるのが一番だと思うぜ」
ナターシャは無言で従った。
ベイサイドから脱し、寝子電の線路が見えるあたりまで来た。
街はもう少し先だが、ちらちらと灯りのともっている建物がある。道路にも車が行き交っている。
ここならばやつも手出しはしないだろう、と判断して楓は足を止めた。
「あんな怪物が目撃されればそれこそ大騒ぎだ。問題を先延ばししてるだけに見えるかもしれないが、ここしばらくは、材料が揃うまで退き続けるしかねーな」
「……」
ナターシャは何も言わない。異議なしということらしい。
「帽子、置いてきちまった。買い直すか」
と言って楓は手をぱんぱんと叩いた。
「さてと、メシでも食いながら話すか? 人目のある店のほうがいい」
「この姿でか?」
ナターシャはマスクの、口のあたりを引っ張ってみせる。
楓は苦笑した。
「その覆面のまま入店すりゃ不審者確定だな。かといって、そいつを剥がしたら小娘のほうに逆戻りってやつか」
だが、黙ってナターシャはマスクを脱ごうとする。
楓はその手を止めた。
「お前のほうが俺は話しやすい。プロだからな。それに、小娘になったとたん逃げられても困る」
尾行がないことを確認しながら、楓とナターシャは廃ビルの二階に陣取った。
ドアは一つだけ、見晴らしもいい。いざとなれば窓より飛び降りればすぐ下はオフィス街だ。すでに二十二時を回っているから人通りは少ないとはいえゼロではない。マウスが出てくればあっという間に警察沙汰だろう。
「ほら、ディナーだ」
楓は、ナターシャに、途上のコンビニで買ったパンとペットボトル入りのミネラルウォーターを投げ渡す。
「毒や自白剤を入れるゆとりはなかった。安心して食えよ」
「礼は言わない」
ナターシャは器用に、マスクの下でパンをほおばった。
「だが借りは返す」
「この豪華な夕食の礼か?」
「根積の件だ」
「期待しねぇで待ってるぜ」
失敗したな、と楓は思った。なんの味付けもないコッペパンだ。しかもやや乾燥している。せめてソーセージを挟んだやつにするべきだったか。
「根積本人はどうにかできなくても、根積を差し向けたやつにアプローチをかけることはできる。元々は詠寛美を探してたんだ、その関係でナターシャが選ばれた」
ナターシャは首を軽く曲げ、十九世紀のガス灯のような蒼い眼で楓を見た。
なぜ知っている? などとは訊かない。だが言外にそう告げていた。
「うちのお嬢から話を聞いた。先日、一悶着あったろ。迷惑をかけたな」
「迷惑とは思っていない」
「そうかい、あいつも喜ぶだろうよ」
「さて、単刀直入に訊くぞ。接点がわかりゃ誰の差し金かくらいは予想できる。俺はそのツテはないが……」
「言うと思うか?」
「思っちゃいない。礼儀として訊いただけだ。だが、俺は詠寛美のセンを調べるつもりでいる。お前はそのセンの依頼は途中で断ったという話だったな。依頼主はそれを快く思わなかった。そして、根積を差し向けたってところだろうさ」
まだ裏はとっていないけどな、と楓はパンをかじった。
窓の外の夜景を見つめながら言う。
「それで次の布石だが……」
気がついて、楓はやれやれと肩をすくめた。
ナターシャの姿が消えている。開いた窓から風が吹き込んだ風がカーテンを揺らしている。
パンの袋と、飲みかけのペットボトルもきれいになくなっていた。
「それにしても不味いパンだ」
残りを口に押し込みながら楓は思った。
季節が変わろうが退屈しねぇっつーか、変わらず厄介ごとは多そうだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月09日
参加申し込みの期限
2019年07月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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