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今宵の月も
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ざぶん、とプールの一角に立ち上がる水飛沫と慌てたような制止の声に、
綾辻 綾花
は黒い睫毛に縁取られた黒い瞳をぱちりと瞬かせた。月の光がゆらゆら揺れる青い水面を不思議そうに少し眺める間にも、観葉植物でジャングルのようになったプールサイドに座り込んだ膝ににゃあにゃあと猫たちが寄って来る。
撫でて構ってと冷たい鼻先で水着の腿に触れられふわふわの腹を寄せられ、綾花はくすぐったさにくすくすと笑う。
サンマさんパーカーを羽織った肩に細い爪でよじ登って来る仔猫をそっと片手で支え、もう片手で膝に乗って来る黒猫の背をふわふわと撫でる。水着にパーカー姿ではあるけれど、プールサイドに立ったときからひっきりなしに近寄って来る猫たちと遊ぶのが忙しくて楽しくて、爪先さえ水に触れさせていない。
第一、プールで泳げばにゃんこたちと触れあう時間が減ってしまう。
(一人で行くのは、と思ってたけど)
ナイトプールでお月見を、というイベントを知ったときはそう思っていた。珍しくて楽しそうだから行ってみたいけれど、と。
結局好奇心に動かされ、寮生活をしている猫鳴館からほど近い桜台の洋館に足を運んで、
(うん、良かったです)
思いがけずたくさんの猫と触れあえたことに綾花はそっと微笑む。贅沢を言えば、やっぱり誰か知り合いに出会うことが出来れば嬉しいところではあるけれど。たとえば、そう──
「綾辻さん?」
「にゃにゃっ!
ふと横から聞こえた、一緒にお月見出来れば良いなと今しも想っていたひとの声に、綾花は抱っこしていた猫をぎゅっと抱きしめながら素っ頓狂な声を上げた。にゃ、と抗議の声を上げる猫をごめんなさいと優しく撫でつつ、変な声を出してしまった唇を押さえつつ、綾花は丸めた黒い瞳をそっと上げる。
(まさか本当に?)
「今晩は、綾辻さん」
硝子越しの月の光を濡れた身体と黒髪にきらきらと弾かせ、綾花が会いたいと思っていた高校の担任、
早川 珪
がプールから上がってきている。
思わず夢を疑って頬をつねる綾花に優しく微笑みかける。
「ひとりかい?」
問いかけてからまた笑う。
「いや、ひとりじゃないか」
心強いボディーガードたちだ、と綾花の周りで遊ぶ猫たちを示し、膝をつく。近寄ってきた猫に指先を差し伸べて挨拶の代わりにする。
「珪先生っ」
引き止めなければまたすぐにどこかへ行ってしまいそうな珪を、綾花は必死に呼び止める。
「一緒に、おやつにしませんかっ」
猫まみれな女子生徒のお誘いに、珪は驚いた風もなく快く頷いた。
猫たちを足元に引きつれ、綾花と珪は観葉植物と月の光に飾られたプールサイドを歩く。
硝子張りの温室の端にひっそりと設けられた椰子の葉の屋根の屋台には、色とりどりのアイスクリームに始まり南国フルーツ入りアイスティーや自家製フルーツシロップの炭酸水割りに、猫たち用おやつもニボシにクッキーにと様々に揃えられている。
お席にお届けいたします、と恭しく頭を下げるウェイターに反射的にぺこりと頭を下げてから、綾花は『お月見メロンクリームソーダ』と猫用クッキーをお願いする。
「珪先生は何にしますか?」
「スモモシロップのソーダを」
猫たちの待つプールサイドのビーチチェアに並んで寝そべるうち、サイドテーブルに注文の品がそっと届けられた。
鮮やかな翠のソーダにぷかりと浮かぶまん丸お月さまじみたバニラアイスをひと匙すくって口に含み、綾花はその冷たさに頬を抑える。
「冷たくて美味しいっ!」
素直な感想を思わず口にすれば、紅いスモモソーダのグラスを手にしていた隣の珪がふわりと微笑んだ。柔らかな視線を感じ、綾花の冷たかった頬が熱を帯びる。視線を合わせていられなくなって、足元に寄って来ていた猫におやつをあげて頭を撫でさせてもらう。並んで寛ぐのはどうしようもなく恥ずかしかったけれど、恥ずかしいことさえなんだか嬉しかった。
「今日は雲もなく綺麗に見れて良かったですね」
漆黒の空に浮かぶ月と、プールの水面の月、ソーダの中の月とそれから、そっと盗み見た珪の黒い瞳の中の白銀の月。
月と同じくらい魅力的な担任の先生の眩しさを見つめ続けることが出来ず、綾花は抱きかかえた猫をもふもふする。
(にゃんこはお月見するのかな?)
ともすれば紅くなってしまう頬を猫のふわふわな毛並みに埋めて気恥ずかしさを誤魔化すように考えてみたりするうち、うつらうつらしかけて気づいた。月が随分高くなっている。
門限のない猫鳴館ではあるけれど、そろそろ帰らなくては。
帰宅の旨を告げると、珪先生は当然のように言ってくれた。
「送ろう」
夏の熱が薄れ秋の涼しい風が時折吹き抜ける山道を、珪先生と一緒に辿る。街灯のない虫すだく道を懐中電灯で照らしながら、綾花はナイトプールから見上げたときよりも眩しく見える中秋の名月を仰ぐ。地に視線を戻すついでに、並んで歩いてくれる、月の光を浴びて月より眩しく見える珪先生を見つめる。
(今夜の夢は)
知らず、くすりと嬉しい笑みが零れた。
(良い夢決定です)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月13日
参加申し込みの期限
2019年07月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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