シーサイドタウン　秋の大サービスキャンペーン｜リアクション

シーサイドタウン　秋の大サービスキャンペーン

「ふーむ、クーポンか。どこで使えるものなんだ？」

　水守流は貰ったクーポンをヒラヒラとさせながら自らの携帯端末を操作する。どうやらネットを介して情報を得ようとしているようだ。

「シーサイドタウン全体で使える……。お、このクーポンゲームカフェでも使えるのか！」

　どうやら該当の情報を発見したようだが、その内容に表情を明るくさせていた。
　流が前から気になっていた店でも使える事が判明したようだ。

「シーサイドタウンのゲームカフェ、噂にゃ聞いたことあるけどまだ行ったことないんだよなー。せっかく割引でいけるならこの機会にいってみるか」

　これこそが正しく良い機会というものだと流は考え、その店に行く事を決める。
　携帯端末で件のゲームカフェの場所を調べ、その場所へと足を向けるのであった。

「どもー。すんません、このクーポンって使えるっすか？」

　店に入ってカウンターにいた店員さんに声をかけクーポンを差し出して見せる流。
　そのクーポンを見ると、頷きながら店員さんは使えますと答えてくれた。

　その答えを聞いて安心した流は店員さんに礼を言ってから改めて店の中へと入っていく。
　流が店の中を見渡せば様々なボードゲームやテレビゲームがあるのが確認できた。それだけでなく店内を沢山のゲームグッズが彩っている。

「おー、いろんなボードゲームやテレビゲームがあるな。それに中々良い雰囲気を作り出してるぜ」

　店内には他のお客さんの姿がある。数人が集まっている一角を覗いてみればどうやら彼等はボードゲームに興じているようだ。
　そこから少し離れたところでは一人でテレビゲームをしている大学生くらいの青年がいた。彼は某配管工が出るレースゲームの一番最初の物をプレイしているみたいだ。
　テレビゲームのところではそれ以外にも何人かで格闘ゲームで対戦をしていたりもする。

「ふーむ。どのゲームをやろうかな？　格闘ゲームで対戦するのも楽しそうだし、ボードゲームに混ざるのもいいねぇ」

　食事や飲み物を注文する事も出来るから長時間に渡るゲームでも問題はない。さて、どうするかと店内を再び視線を巡らせる流。
　そんな風に流がどこに混ざるか考えているとレースゲームをしている大学生が声をかけてきた。

「よう、兄さん。暇なら俺とこれやらないかい？」
「ん？　お、良いのか？」
「おう。歓迎するぜ」

　誘いを受けたならば乗るのが流儀と言わんばかりに流は笑みを浮かべて大学生の方へと向かって行く。

「これ、やった事はあるかい？」
「あー、どうだっけな。まぁ、そんな難しい操作性じゃないだろうしやればその内慣れてくるっしょ」
「んじゃ、最初はCPUの強さはノーマルにしとくか」

　そして、レースゲームが始まる。
　この時、この大学生とのレースゲーム勝負が白熱してこの後何時間にも渡ってプレイを続ける事になる事を流はまだ知らない。