シーサイドタウン　秋の大サービスキャンペーン｜リアクション

シーサイドタウン　秋の大サービスキャンペーン

（今日はどうしようかな……）

　休日である一日。しかし、小山内海はそんな日の予定を今のところ決めていないようでどうするか考えている最中であった。
　そこでふと机の上にあるクーポンが海の視界に入る。それは暫くの期間、シーサイドタウンで行われるというキャンペーンのクーポンであった。

（そういえばシーサイドタウンでサービスキャンペーンをやってるんだっけ。画材も結構減って来てるし、いい機会だから買い物に行こうかな）

　海は寝子高の芸術科に所属し絵を専攻しており、その為に画材をとても大量に必要としている。
　画材と一言で言っても様々なものがあるわけだが、例えばキャンバスなんかは一つで千円以上する物もあったりする。
　学校の授業で使用する物に関しては用意されていたりもするのだが、授業外で使用する物に関しては自分で用意をしないといけない物もあるのだ。
　こうして本日の予定を買い物をする事に決めた海は、早速出かける為の準備に取り掛かった。

　いつもの画材屋へとやってきた海は沢山置かれている画材を前に買う物を選択していく。

（えーと、まずはスケッチブックを買っておかないと）

　海は会話をする為にもスケッチブックを必要とする為、どうしても消費量が激しい。スケッチブックがなければ相手に言葉を伝える事が難しくなるので補充にはより気を付けなければならない物であった。

（それから絵の具と色鉛筆、クレヨンも少なくなってきてたっけ……）

　これ等は絵を描く際に使用する基本的な画材と言える物達だが、色によって使用頻度の落差が激しい。その為、一部の色は重点を置いてストックを用意しておく必要がある。
　塵も積もれば山となる。絵の具やら色鉛筆やらは一つ一つ自体は安価と言える値段ではあるものの購入しなければならない数が兎に角多いのだ。
　こうして割引で買える時を狙って出来るだけ買っておけば助かるのは間違いない。

（さて、画材は買ったし次は何買おうかな）

　画材屋で必要な物を購入し終えた海は、顎に指を当てて次は何を買おうかなと考えている。
　何せクーポンは使用した日中であれば他でも使う事が出来る。ならば、折角だし使い倒そうというつもりなのだ。

（あ、せっかくだし服買っていこうかな。今度三人で出かけることになった時に着ていく可愛いやつ）

　海の脳裏に浮かぶのは彼女がとても大事に思っている少年と少女の事である。
　今日は一緒ではないが、彼等と出かける機会と言うのは当然多い。その時の為におめかし出来るように服を買おうと考え歩き出す。
　そして、お店へと辿り着いた海は多くの服の前でどれにするか悩む事となる。

（う～ん。どの服にしようかなぁ）

　沢山の服を流れるように見ていく海。

（あ、このワンピースかわいいかも。ん～、でもこっちの上着とスカートの組み合わせもいいんだよねぇ。これも大人っぽくて中々……）

　しかし、そうしていると次から次へと可愛いと思える服が目に入ってしまうようだ。

（ここはいっそ全部買うとか！　……いや、さすがに予算オーバーだよね）

あまりにも多くの可愛い服が目に入った海は、一瞬そんな暴挙を考えるも直ぐに冷静になって無理だと思い直すのであった。

（そういえば福引もあるんだっけ。じゃあ、折角だしやって行こうかな）

　服屋から出て福引会場の近くにいた事もあり、福引をしていく事にしたようだ。
　スタッフへクーポンを見せてから福引をしてみれば当たったのは近くにあるレストランのお食事券であった。
　丁度お昼にしようかと考えていた海は、これ幸いとばかりにお食事券を片手にレストランへと向かって行った。

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