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寝子島の休日
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ケーブルカーに乗った一行は、登山道入口から寝子島駅へ向かおうとしていた。
「ちょっと待て。どこ行く気だ?」
雅樹の言葉に、きょとんとした顔の巧が振り返った。
「どこって……駅でしょ?」
ねえ、と美野梨と二人、顔を見合わせる。
「それでいいのか?」
「どういう意味?」
と莉鳥。
「せっかく遊びに来たのに、最後が追いかけられて逃げるように帰るのか?」
「それは」
ソフィが言葉に詰まった。ようやく出てきたのが、「……仕方がありません」
「時間はまだあるのか? タイムオーバー?」
「まだ大丈夫、だと思います、が」
「どこか連れていく気? 変なところじゃないでしょうね?」
にまっと笑う雅樹に、莉鳥は不安げな目を向けた。
寝子島高校の裏手に猫鳴館はある。木造建築の古き良き――悪しきではないか、という説もある――この寮は、居住者の自治によって運営されている。
「盲点だったわ……」
と妙な感動をしているのは、美野梨であった。
読んで字のごとく、猫鳴館には猫がいた。彼らは自由に建物と外の森を出入りし、好きな場所で遊び、眠る。
「建物はムシムシしてるけどな。まあ、外は木陰でそれなりに涼しいし?」
夜になり、居住者たちも次々に戻ってきていた。玄関も窓も開けっぱなしだ。蚊が入ってくるので、虫よけのプレートがあちこちにぶら下がっていた。部屋によっては蚊取り線香が焚かれているが、猫が入ってくるので数は少ない。
ソフィは、すり寄ってきた猫の頭や背を撫でた。猫がごろんと腹を見せる。くすくす笑いながら、更に腹をくすぐる。
ソフィを敵ではないと認識したのか、他の猫たちも寄ってくる。地面に座り、足を投げ出すと、膝に乗る猫もいた。
海岸の方で、誰かが花火を打ち上げた。光が昇り、落ちていくのが見える。
門の前に、初老の男が立っていた。はっ、とソフィが息を飲む。
仕立ての良いスーツを着た男が、深々と頭を下げた。
男が近づいてくると、猫たちがばらばらと逃げ出していく。
ソフィは立ち上がり、ジーパンの汚れを叩き落とした。
初老の男は、ソフィの恰好に驚いたようだったが、すぐさま冷静さを取り戻した。
「お迎えに上がりました」
「……ご苦労」
小さく、囁くような、泣くような声だった。――そう美野梨には思えた。
だが振り返ったとき、ソフィは穏やかな笑みを浮かべていた。
「申し訳ありません。家の者が迎えに参りましたので、そろそろお暇したいと思います」
「そうか、そりゃ残念」
雅樹は頭をがしがしと掻きながら、言った。
「少しは楽しんでもらえた?」
「それはもう。十分に堪能いたしました」
その微笑みが社交辞令とは思えなかったので、雅樹は「そりゃよかった」と素直に答えた。
「また来てね。案内しきれなかったところを案内するわ」
と美野梨。
「次は、島の他も見てほしいわね」
莉鳥の「次」に、雅樹はきゅっと胸が締め付けられる思いがした。その時、自分はきっとここにいないだろう。
それを誤魔化すため、巧の脇を小突いた。
「あ、えっと」
巧は困ったように俯いた。視線が地面をうろうろ動き、花火の音がしたとき、顔を上げた。
「――僕も、楽しかったです」
一際大きな花火が、空で弾けた。音と光に驚いたソフィが見上げたとき、あ、と美野梨は呟いた。
深々と頭を下げたソフィが初老の男と去っていくのを見送った後、うーんと、巧は伸びをした。とたんにぐぅ、とお腹が鳴る。
「……お腹が減りました」
と、巧。
「俺もだよ」
そういえばまともな食事を取っていなかったな、と雅樹は思い出した。だからといって、
「ここでまともな食事を期待されても困る」
「えっ。何も?」
「お前、猫鳴館を舐めてるな?」
寮に入る雅樹を巧が追う。続く莉鳥が振り返った。
「……どうかした?」
美野梨は、ソフィが去った門をずっと見つめていた。
「……いえ」
花火を見上げるソフィの横顔に、美野梨はようやく気付いたのだ。彼女と初めて会ったときに抱いた、違和感の理由――即ち、ソフィの正体に。
けれど。
「――何でも」
それは、黙っていた方がよさそうだと美野梨は思った。
美野梨が何かに気付いたことを莉鳥は察したが、そう、と答えただけだった。
その二日後、某国の王女が帰国した、という小さい記事が新聞に載った。あまりに小さなニュースは、噂に上ることも、ネットに流れることもなかった。
ある少女が寝子島を訪れた話は、僅かな人々が記憶するのみだった。
こうして、寝子島の夏は終わったのである――。
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あとがき
担当マスター:
泉 楽
ファンレターはマスターページから!
お待たせしました。「寝子島の休日」リアクションをお届けします。
参加者が五名と少なめ且つ皆さん最後まで行動を共にしたがったので、割とみんなで行動しています。
猫好きの行動ってどうなんだろ……と思ったのですが、私がするようなことをソフィにさせてしまいました。猫を見ているだけで幸せという……。
ソフィは無事に帰国。小さな小さな国なので、そんな人が来ていたことを知る人も少ないでしょう。彼女が寝子島にいたことを知るのは、巧を含めて六人。正体を知るのは更に少ないです。
彼女の再登場の予定はありませんが、もしまた寝子島に来るようなことがあったら、ぜひ歓迎してあげてください。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
泉 楽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年06月19日
参加申し込みの期限
2019年06月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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