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【魚屋の安楽椅子探偵が、日常の謎をカレイに解く!? ~事件に触れタイ!編~】
あたし
には今、気になっている人がいる。あ、恋愛的にじゃないよ! そういうのはまだ、あたしには早いかなって思うし。
そうじゃなくて……あたしが気になってる人は、いつもお魚屋さんにいるの。
「こんにちは、探偵さん!」
「いらっしゃい、お嬢さん」
栗色のウルフカット。眼鏡をかけた凛々しい顔立ち。けっこうイケメンなの。魚新ってお店のロゴ入りエプロンもばっちり似合ってる、きっとスーツでも着てたらもっと似合うって思うけどね。なぜかくわえてるチクワには、初めての人はびっくりするかもだけど、あたしはもう見慣れちゃった。
「ふふふ。今日はなにを買いに来たか、分かりますか? 探偵さん」
「おそらくホッケでしょう。今日は昨日よりも1尾多くお求めですね?」
さっそく、きたー! これこれ!
人呼んで、
魚屋の安楽椅子探偵
!
本当は魚屋さんって呼ぶべきなんだろうけど、みんな探偵さんって呼んでるんだ。だってちょっとしたヒントから、なんでもバシッと言い当てちゃうんだもん。
探偵さんは椅子に座ったまま、指を二本立てて話し始めた。
「このところ、立て続けにいらしてくれていますね。前々回、お嬢さんはふたつのビニール袋を提げていました。そこのスーパーの袋です、たくさん食材を買い込んでいた。ところが昨日のご来店では、袋はひとつ。そして今日は再び、ふたつに戻っている」
よく見てるなぁ! そのとおり。あたしは買い物した食材あれこれを入れたビニール袋を、確かにふたつ持ってるんだもの。
「さらに、お嬢さんがカバンにつけている、そのキーホルダー」
「あ、これ? これはお父さんが……」
探偵さんは、さ、と手のひらを上げてあたしを遮った。みなまで言うな分かってる、って感じ?
「マリモの入った小瓶。北海道土産ですね。つまりお嬢さんのご家族の誰かが出張、あるいは旅行で北海道へ出かけていたのが戻ってきたのでしょう。買い込む食材の量が増え、袋はふたつに戻った」
「うんうん」
「さて、スーパーの袋には小麦粉、パン粉、卵が見えている。そしてお嬢さんがこの魚心を訪れたという事実。あなたの少しうっかりだが料理上手で素敵なお母さまは、魚のフライを作るおつもりだ」
「おおっ。合ってる!」
「では、なんの魚を料理するのか? 予想するにお父さまは、北海道で新鮮な魚介を堪能した。マリモの土産で有名な阿寒湖は羅臼漁港に近く、晩夏から秋にかけての羅臼ホッケは身の締まりや脂の乗りも最高の絶品と言われている。お父さまはそれを食し、そしてご家族に話したのでしょう」
ぴ、と指を立てて笑う探偵さん。絵になるなぁ。
「そして、自分たちも食べてみたくなった。今日の夕飯はホッケのフライですね」
「正解!」
家族のことをビシバシ当てられてるわけだけど、この瞬間がなんだか、気持ちイイんだよねぇ。
思わず私もにかって笑いながら、
「というわけで、ホッケください!」
「羅臼真ホッケの吊るし干し、少数ながら届いていますよ。少しお値段は張りますが」
いいよね。お母さん、お店で一番高いのを買ってきて! って言ってたし。
と……いかにも脂、乗ってます! なホッケを買おうとした、その時に。
「おおい、探偵くん! いるかね!」
よれよれのスーツを着たおじさんが、ハンカチで汗をふきふきやってきて、探偵さんに声をかけた。
「おや、警部。どうしたんですか」
「うむ、聞いてくれたまえよ!」
こ、これは……事件の予感!
警部さんはときどき、行き詰った事件についての見解なんかを探偵さんに聞きに来るんだとか。
探偵さん、魚屋なんだけどね。
「お嬢ちゃんは、お客さんかね。すまんね、邪魔して」
「いえいえ! 急ぎませんから、お先にどうぞ」
お魚を買う前で良かった。だって警部さんの事件をどう探偵さんがサバくのか、見ものじゃない。
探偵さんは新しいチクワをくわえながら、警部さんに促した。
「それで。お話を聞きましょうか」
「ああ、うむ。とある青年が、祖父と連絡が取れないと警察に相談をしにきてね。ジイさんはこのところ足腰が弱ってきたとかで、心配していたそうだ。そこで若い巡査が、ジイさんの家へ様子を見に行ったんだが」
警部さんはオールバックの髪をしきりに撫でつけながら話している。
なにかを思い出すときの癖なんだろう。その仕草は彼が記憶を掘り起こす際に必要なプロセスなのだ……なんて、ちょっと探偵さんっぽくない? ふふふ、簡単な推理ですよ。
「ジイさんはヨメさんが亡くなってからひとり暮らしでね。家に踏み込んだところ、そのジイさんが床に倒れているじゃあないか。意識はなく、頭部にちょっとした打撲痕があった。まあ、巡査が急いで救急車を呼んだことで、その場は事なきを得たんだが……」
「おじいさんは無事だったのね、良かったー」
思わず口を挟んだら、警部さんは大きくうむっとうなずいた。
「ジイさんの意識も戻り、なにがあったのかと尋ねた。ところが、なにも覚えていないという。ひどく頭を打ったらしくてな。しばらく入院して様子を見ることになったが……奇妙なのは、家に残された状況だ」
そこで警部さんは、何枚かの写真を探偵さんに見せた。
あたしも気になって覗いたら、いっしょに見せてくれた。いいのかな、重要な資料とかじゃないのかな?
「床に落ちていたのは、魚がまるまる一匹。奇妙だろう? 果たして、いったいなにがあったのか」
「わあ。大きいお魚だなぁ」
写真には、黒っぽくて大きなお魚がでーんっと映っている。床が濡れていて、そばにおじいさんのものと思われる血がてんてんと垂れていた。
「ほう、これは立派なクロダイですね」
探偵さんはあごをなぞりながらしげしげと写真を見つめている。
ははーん。ピンと来たわ!
「警部さん、探偵さん。分かったわ、この事件の真実!」
いつも探偵さんの推理を聞いてるからかな? もしかしたら、私にも探偵の才能があるのかも!
「どういうことだね、お嬢さん」
「ヒントは、床の水です。これはもともと、お魚が冷凍されていたことを示しているのです!」
「ふむふむ?」
「犯人はカチカチに凍ったクロダイを凶器に使ったの。だって氷が溶けてしまったら、それが凶器だなんてわからなくなっちゃうじゃない? だからこれは……そう! 冷凍クロダイ強盗殺人事件っ!」
「いや、ジイさんは生きてるんだが」
「強盗殺人未遂事件っ!」
どうだ! このカンペキな推理!
探偵さんもぐうの音も出ないに違いないわ、ふっふっふ。やだなーもう、探偵さんに助手としてスカウトされちゃったりしたらどうしよう? あれ、そしたらあたし、お魚屋さんで働くことになるのかな?
「なるほど、面白い推理です。しかし警部さん、おじいさんの家からなにか盗まれたものがありましたか? おそらくなにもないでしょう」
「ああ、うむ。実は我々もね、最初はお嬢ちゃんの言うように、物取りの犯行を疑った。だが家から盗まれたものはなにも見当たらなかった。現金やカード類は揃っているし、ジイさんの虎の子のタンス預金だってそっくり残されていた」
……あれれ。雲行きアヤシイぞ?
「えっと、じゃ、じゃあエンコン! おじいさんに恨みを持ってる人が……」
「ありえなくはないですね、しかしこの状況には、もっと合理的な説明をつけることができます」
探偵さんはにやりと笑いながら、ぴ、と指を立てた。ああもう、この余裕の表情ってば、もう!
絵になるなぁ。
「写真はこの家の全景をつぶさに写しだしている。まず第一に」
探偵さんは写真たちのなかから一枚を抜き出して、私と警部さんに見せた。
「これは……つりざお?」
「それもかなり高級なタイプです。ルアーやラインも本格的なものが揃っている。おじいさんは釣りが趣味だったのでしょう」
「あ、ああ。確かにそう言っとったよ、入院なんぞしとったら、釣りにも行けんじゃないかと」
「寝子島の有名な釣り場では、メジナやクロダイといった磯魚も釣ることができます。こちらには大型のクーラーボックスも写っている。大物を狙うのがお好きのようですね。つまり」
「床に落ちていたクロダイは、ジイさんが自ら釣ったもの、か」
まあ、うん。強盗殺人犯が冷凍タイを持って押し入ってくるって、ちょっと想像できないもんね。
あ、でも、
「お魚は、この家の冷凍庫に入ってたってこと? それなら、犯人がそれを取り出して使ったって可能性も!」
「確かに、否定はできません」
ほらー! 冷凍クロダイ強盗殺人事件っ! 未遂!
「探偵くん。ジイさんの頭には打撲の痕があったぞ。やはりクロダイが凶器なのか……?」
「そこで、次の写真です」
写真には、おじいさんの使ってた冷蔵庫の中身が写ってる。うーん、何の変哲もないように見えるけど……。
「冷凍庫の奥、ここを見てください」
「あ。びっしり霜がついてる」
「最近の機種なら霜取り機能がついているものもありますが、おじいさんはずいぶんと古い冷蔵庫をお使いのようです。冷凍庫の冷風出口に大きな霜が付き、庫内が冷えにくくなってしまった。おまけに今は夏、定期的に霜取りをしなければ、十分に食材を冷やすことはできません」
探偵さんはさらに、もう一枚の写真をあたしたちに見せた。冷蔵庫のすぐそば、キッチンとその戸棚の中を写した写真みたい。
「大小の万能包丁に出刃包丁、刺身包丁。こちらは骨抜きにウロコ引き、金串は焼き魚用ですね。よく手入れされています。おじいさんは釣ってきた魚を自分で調理していたのでしょう」
「つまり……?」
ま、まだあたしの説が完全に否定されたわけじゃないわ! まだワンチャン残って……。
「つまり。おじいさんは自ら釣ったクロダイを冷凍保存していた。その日も冷凍庫からクロダイを取り出し、キッチンで調理をしようとしたが……冷凍庫の冷えが悪く、クロダイは半ば溶けかかっていたのです。少なからぬ水滴が床に落ち、おじいさんはそれに足を取られ、転倒してしまった。運悪く頭部を床に強打して気を失い……床には水と、おじいさんの血痕。そして解凍されたクロダイが残された」
ダメ押しみたいに、探偵さんは最後の写真を掲げた。ワンチャン、なかったみたい。
写真には真新しくてピカピカの、一度も使ったことがないような、綺麗な杖が写ってた。
「釣りへ行くほどの元気なお年寄りであれど、足腰は弱ります。お孫さんにも心配されていたでしょう。けれど趣味の釣りを続けるため、おじいさんはそれを認めようとしなかった。若い頃の健脚があれば、水滴に足を取られることもなかったかもしれない……警部さん。おじいさんにお伝えしてください。無理をせず、今度はお孫さんといっしょに釣りを楽しんでください、とね」
警部さんは満足顔で帰っていったけど……あたしはなんか、納得いかないわ!
ついついふくれていたら、探偵さんが言った。
「おじいさんを襲うような悪意ある人物がいなくて良かったですね。長生きして、美味しい魚をたくさん味わっていただきたいものです。時には釣るばかりでなく、ウチの店でも買っていただきたいですが」
そうして、ぱちりとウィンクをしたんだ。
ああ、もう。やっぱり、かなわないや!
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シルバーシナリオ(150)
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3人まで
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オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年06月10日
参加申し込みの期限
2019年06月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月17日 11時00分
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