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七色の星、想い届けて
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都府楼 暦
の歩みはまるで妖精だ。
水に浮きそうなほど軽く、魔法の粉をふりまいているかのようにきらめいていて、音楽的なまでにリズムを刻んでいるから。
「……さて」
暦は足を止め、胸にスケッチブックを抱いたままわずかに小首を傾げている。
この状況をまだ理解できないでいるのだ。
まあ、理解しきることはできそうもないが。
青々と広大な、畳敷きの広間だった。左右、奥、いずれも広く、い草の香りが胸に心地好い。四隅はいずれも襖で、隅と筆で描き彩色した麒麟や虎の絵が、こちらを射すくめるように眼光を放っている。
座敷に居並ぶはいずれも着物姿の女性だ。十人はいるだろう。女御というのであったかいわゆる女官らしく、きらびやかというよりはむしろ地味な、質実剛健たる色味をまとっている。そろって畳に正座しているので、その着衣のフォルムもあいまって、たくさんの小さな山が並んでいるようにも見えた。
朗々としたはりのある声。
「御前であるぞ」
一番奥、貴人があるらしき一段高くなった座の手前にいる年かさの女官が告げたのだった。
きょとんとしている暦を見て、鞭を振り上げるような口調で繰り返す。
「聞こえなんだか。御前である!」
ああ、はい、と簡単に告げて暦は膝を折った。とりあえず正座しておく。特に意識せずとも自然に、暦の背筋はすうっとのびている。
女官の背後、高くなった畳には竹で編まれた簾(すだれ)がかけられていた。上下左右は綾織りの菱模様、なんという名前だったか、房つきの紐飾りまでかけられている。
その御簾の向こうに、潜め声で年かさの女官は何か問いかけた。その強張った表情から、何を考えているのかは読み取りづらい。
でも、もしかしたら――。
怖がっているのかも、と暦は思う。
それもそうだろう。
切りそろえた前髪こそこの状況にも似合うとはいえ、それを除けば暦の服は、寝子島高校の制服姿だからだ。彼女らからすれば異形としか言いようがあるまい。つやのあるポリエステルもナイロンのストッキングも、この時代の人間は見たことすらないだろう。
――この時代の?
そうか、と暦は理解した。
どういう理屈かわからないものの、どうやら自分はタイムスリップしたものらしい。
原因はもちろんきっかけすらわからない。気がついたら暦はこの場所にいて、宇宙人を見るような目で、並みいる女官たちに見守られていたのだった。
御簾に隠れた人物とは話がついたらしい。
「近う寄れ」
年かさの女官が声を上げた。
暦は、正座のままにじり寄った。
「もっと、近う」
さらにもっと、と言われること二度、距離にして一畳もないほどまで暦は御簾に近づいている。
「伏しませい」
女官はいくらか言葉を和らげている。
はて? と暦は目をぱちくりする。少し意味がつかみかねた。
どうやら平伏しろということらしい、と理解したのと、年かさの女官がまた目尻をつり上げたのと、
「よい」
御簾のむこうから声がしたのは同時だった。
するすると御簾が巻き上げられた。
「姫っ」
たしなめるような口調で女官が言う。
「よいと言っておろうが」
御簾むこうの人物が、片膝を立て自分で御簾を巻き上げているのだった。慌てて別の女官が、巻き上げ作業を交代した。
「堅苦しいのは抜きじゃ。暦よ、ようきた」
暦は小さく声を上げた。
よく考えてみれば驚くほどのことはなかったのかもしれない。
御簾の向こう、きらびやかな小袖をまといにやりと笑っているのは、寝子島では『プロムナード』というクラブで働いている
九鬼姫
であった。
さして見るものもないが、と九鬼姫は前置きしたが、そんなことは決してない。見事な日本庭園である。
苔むした石灯籠を眺め、小さな池にかけられた橋を渡り、暦と九鬼姫は並んで歩いている。
「ようやく、わらわも元のときに戻れてのう。友を招くことにしたのじゃ。数日、遊んでいってくれ」
「それはありがたいことです」
言いながらも暦は、庭園そのものより、庭に生息する昆虫や日陰に生えている植物に目を奪われていた。
あれはウスバキチョウではないか。現代では絶滅寸前の種が、この時代ではまだ普通に飛んでいる。見たことのないキノコもある。知識として形状は知っているのだが名前がどうしても思い出せない。ええと――。
「そっちはどうじゃ?」
「そっち?」
夢中でキノコ観察をしていた暦は我に返って言う。
「ああ、『現代』ですね。ぼちぼちといったところですよ」
「そうか」
「まあ、九鬼姫さんがいなくなって、ちょっと寂しいではありますけどね……」
「うむ」
九鬼姫は女官が離れているのをうかがってから、暦に顔を寄せささやくように告げたのである。
「実を申せばわらわも……せっかく戻ったはいいが退屈しておってな」
「おや」
こんなに貴重な昆虫や動植物に囲まれていますのに? と暦は思ったが、それは自分の場合に限るのかと考え直す。
「そも、ここにおったらまたじきに、顔も知らん男のもとに嫁入りに出されるのは必定。それを思うと気鬱でのう」
「なんだそれなら――」
と声に出したところで、暦は目が覚めた。
見慣れた光景。自室だ。キノコの図鑑を開いたままうたた寝していたものらしい。
「一緒に戻りませんか……?」
言いかけた言葉の続きを、暦はぽつりとつぶやいている。
薄暗い部屋のなか、暦の発したつぶやきは、誰に届くこともなく消えていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年06月11日
参加申し込みの期限
2019年06月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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