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★メイド・ドールのお留守番(
水上 桜
)
最初の記憶は、“あの人”の優しい笑顔。
初めて世界を映した目は、それでも“あの人”の美しさを読み取って、私を見惚れさせた。
「はじめまして。おはよう、桜。私の魔法のお人形さん」
「……おはようございます、ご主人様」
応えれば、“あの人”はふふっと笑った。
笑う声まで、鈴が鳴る音のように、ソーダ水の泡が弾ける音のように、美しい。
そういう様々の“美しさ”が自分の中にインプットされているのが、私は嬉しかった。
“あの人”が言う。
「ご主人様なんて柄じゃないわ。私は――」
◇
庭園は、今日も、“あの人”によく似て美しい。
(あ。新しい薔薇が咲いてる)
昨日までは蕾だったのにと、桜は、しゃがみ込み、そっとクリーム色の花びらに触れた。
桜色のふんわりとした袖が、さやと揺れる。
(“あの人”に早く教えてあげたいな)
人の気配がしたのは、ジョウロに水を汲みに行こうとした、その時だった。
(! “あの人”だわ!)
綺麗に整備した庭園を、短いスカートの裾をはためかせて、駆ける。
1本だけ植わっている桜の木から、甘い色の花びらがはらはらと降った。
今朝咲いた薔薇と同じクリーム色の門を、桜はよいしょと開け放つ。
「おかえりなさいませ、ご主人様!」
果たして門の向こうに立っていたのは――“あの人”では、なかった。
ボロボロの旅装束を身に纏った、若い男だ。
「……天使、だ……」
男は掠れて引きつった声でそう呟いて、そのままその場に崩れ落ちた。
(“あの人”じゃなかった……けど、)
お客様は丁寧におもてなししてねと“あの人”が言っていたのを思い出して、
「……仕方がないわね」
桜は、腰に手を当てて一つ息を吐くと、旅人を介抱すべく、しゃきしゃきと動き出した。
※
動けるようになった旅人を、桜は、庭園へと案内した。
庭園には、色も形も様々な薔薇達に囲まれるようにして、白いテーブルとイスが置かれている。
旅人は今、そのイスに腰を下ろしていた。
「私のご主人様は、ここでお茶をするのが好きなの。だから、お客様にも特別」
「ありがとう、桜ちゃん」
「私は“あの人”のメイドだから、これくらいはね」
言って、桜は旅人の前に、しゅわしゅわと泡立つピンク色のソーダ水を静かに置いた。
ソーダ水の上にはアイスクリームを乗せて、天辺にはさくらんぼを飾ってある。
「わ、美味しそう……」
「“あの人”のお気に入りよ。ベリーを何種類かと、あとはハーブを使って作ってるの」
美味しい! とはしゃぐ旅人を前に、桜はふっと口元に笑みを乗せた。
(美味しいに、決まってるじゃない)
だって、“あの人”が作り方を教えてくれたのだ。美味しくないはずがない。
「ところで、」
ふと、旅人が桜を見る。
「桜ちゃんは、その、一体どうしてここに?」
「ご主人様の帰りを待っているの。私は立派にお留守番中」
「そうか……しかし、驚いたよ。この国にまだ、君みたいに素敵なドールがいただなんて」
大きな戦争もあったからね、と、旅人はぽそりと言った。
暫し、何か考え込むように顔を伏せて、じきに、旅人はがばっと顔を上げ、
「ねえ、桜ちゃん。僕と一緒にここを出よう」
と訴える。
え……、と、言葉に詰まる桜。
(この人、何を言ってるの?)
少し行ってくるわね、と笑顔で出かけて行った“あの人”を、裏切れというのだろうか。
あり得ない! と思ったけれど、旅人は、一蹴するのが可哀想なほど真剣な顔をしている。だから桜は、
「……私は、繰り返しになるけど、お留守番をしてるの。家の手入れ、薔薇の世話、やることが沢山あるのよ」
と、なるべく丁寧に、旅人に説明し直してやった。
旅人が、置いてきぼりにされた子犬みたいな、しょんぼり顔になる。
「そっか……。うん、そうだよね。変なことを言って、ごめん」
全くだわ、と、桜は呆れ顔で肩を竦めてみせた。
※
旅人が手を振り振り去っていくのを、桜も、小さく手を振って見送った。
(ちゃんとおもてなししたから、“あの人”も褒めてくれるわね、きっと)
口元が綻ぶ。作り物の心が、ふわふわと弾む。
今日こそ、“あの人”は帰ってくるだろうか。
“あの人”が出かけてから、今日は、125年と156日目だ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年06月09日
参加申し込みの期限
2019年06月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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