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ブラックの缶コーヒーを、ゴミ箱にそっと入れる。
注意したつもりだったのに、カランと大きな音が立った。
それくらい静かだったということだ。病院のロビーは。他に人の姿もない。
呉井陽太と獅子目悠月が連れだって歩いてくるのを見て、志波武道は立ち上がった。
「……じゃ、俺いってくるね」
病室のドアのところで深呼吸する。
驚かせないようノックしてから、「コンニチハ!」と言うと同時に武道はドアを開けた。
「やあ」
窓際のベッドに、香川王堂は半身を起こしていた。壁際の席に、彼の弟道太郎がいる。
「これお見舞いの品です手触り最高デスヨ!」
じっくり選んで買ったタオルだ。色は白、薄いオレンジの花模様。
「感謝するよ。入院しているとどうしても、タオルがたくさん必要になるのでね」
負担にならないよう手短に済ませようと思う。だから武道はあまり、王堂と言葉を交わさなかった。
「元気になったらまた会いましょう☆ 待ってますよ」
「そうだね。どうやら病院の外には、楽しいことがたくさん待っているようだから」
「その意気です」
不安要素は口にしない。するはずがない。武道も王堂も、道太郎も。
それでは、と去り際に武道は右手を差し出した。
王堂はためらわず握った。
――細い。
武道は腹の底に冷たいものを覚えた。細いし骨張っているし、力がない。まるで骨格標本じゃないか。
けれど体温はある。
体温は感じられる。
生きている証拠だ。彼が生きようとしている証拠だ。
思わず武道は力を込めていた。王堂の姿を目に焼き付け、体温を覚えておく。弱々しいのも今だけの状態なのだと思うことにする。
病院を出て、並んで帰路につく。
最初に口をひらいたのは武道だった。
「俺、よく考えることがあるんだよ」
悠月は目で、陽太は「うん?」と言って先をうながす。
「なんで俺には治す力が宿らなかったんだろう、って」
コホンと武道は咳をした。
「……いや、この力にはすんごく助けてもらってるけどね☆ 治せはしないけど、怪我した人の痛みを緩和できるしな」
でも、と言ったとき、武道の視線はアスファルトを見つめていた。
「病気の痛み、苦しみに関しては……この力は役に立てない。苦しそうな姿を見ても、俺ができることってまったくないんだなって」
無言だ。陽太も悠月も。
「陽太くんからメールもらったとき、そして病院についたとき、正直言うと悩んだんだ。行かなければ、会わなければ、知らなければ……まだ他人事のままでいられた。でも……『動かなきゃ後悔する』、そう思ったんだよな」
悠月はかるく唇を噛んでいた。
慰めの言葉なんてかけられないし、彼自身、求めていないだろう。
――薄々思ってはいたが……。
志波は、優しすぎるし重荷を背負いたがるな。
俺にはない思考だ。
少しの心配を覚えないでもない。
だが、そういうところが志波の、尊敬できる部分、力になりたいと思う部分でもある……。
陽太が口を開いた。
「考えすぎとは言わないよ。武道君らしいと思う。でももう、オレたちには祈るくらいしかできないんじゃないかな」
「それはそう、だけど……」
と言いかけた言葉を中断して、武道は深々と嘆息した。
「あぁ、ちくしょう…癌がアムリタからの持ち越しなら、フツウではない事象なら、もっと早く手を打てばどうにかできたのかな?」
「今となっては、わからないことだと思うよ」
かもね、と武道は言った。
「……でもこんなこと言ってると、思い上がるなと神様に一蹴されそうだなHAHAHA☆」
「一蹴? それはオレもだねぃ。悪あがきするタイプだから」
なんだろう、と陽太は思う。
いますごく、武道君とわかりあえたような気がした。
武道君はきっと、悔しがっているんだろう。すごく。
だから笑った。オレもそうした。
同じ気持ちだったから。
やがて十字路にたどりついた。日に焼けて白くなった煉瓦道。
ちょうど行き先が三方に別れる。誰も言わなかったが、ここで解散ということは三人とも理解できていた。
「……もし、何かあったらまた呼べ」
悠月が告げたその言葉に、武道と陽太は自分たちと共通する意識を感じ取っている。
じゃあ、と武道は片手を上げ、またね、と陽太は両手を振った。
ああ、と告げて単身に戻り、悠月は歩き出す。
悔しさを解消することはできないかもしれない。
それでも、少しでもいい方向へ努力する手伝いができたら――。
そう思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月27日
参加申し込みの期限
2019年06月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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