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あかいヤドリギ、ニャ!
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この日の朝はこれまでより少し熱気が和らいだ気温となった事もあり、広々とした公園内では運動に携わる人々がジョギングしている姿がよく見られた。
燦々と照る太陽の下で、その暑さに負けることなく汗を煌めかせ運動している者に対して抱く印象は、得てして好感触が多い(当社比)。それは猫目線も同じである。
植木の中に紛れて、走る人たちを物色するが如く射るように見つめる猫の目。
そのまん丸い目が、すぐ傍の木陰へ休憩の為か足を止め座り込んだ女性へロックオンされた。
夏休みの部活前にやはり自主トレに励みに来た
羽生 碧南
である。
「しまったなぁ、もうペットボトルの水無くなっちゃったか。買いに行って、」
「ニャー! ニャー!」
「え? 猫? ……が、立って歩いて来た!? ……えっと、もしかしていぬねこの国のコ?」
驚きを早々に引っ込めた碧南、一瞬で悟った。伊達に何度もあの国に関わっていないのだ。
「どうかしたの? 文字通りな、迷い猫ちゃんかな?」
したたる汗すら爽やかに、笑顔で声をかけられれば安堵の表情になるにゃっぱち。
そうして事情を聞き終えた碧南は、猫の手で指し示された頭上を仰ぎ見る。
かなりの高さの位置に、確かに赤い葉っぱが揺れているのが目に入った。
(頼られるのは嬉しいんだけど……まさかと思うけど、自分の背が高いから、それを見込んで……?)
女子にして180cmという慎重を持つ事は、バスケにおいてはこの上なく役立っているのでそこまで気にしているわけではないが。
待ち合わせ場所の目印にされたり、高所作業を請け負ったりと、高身長ゆえに時折哀愁感じる経験も決して少なくは無い碧南は、ついつい猫さん相手にもそんな思考がよぎったり。
(尚、にゃっぱちの数十センチの身長から見たニンゲンは、高さにおいては大体同じに見える為『やさしそうニャ!』という好みや第一印象で近づいてきた模様)
さておき。
さむい気持ちって何だろう? 正しく盛大に首を傾げる碧南。
こうも暑いと、確かに心頭滅却すれば火もまた涼し、という言葉が浮かぶけれど。
たくさん届けなければいけないというその気持ち、明らかにそういう事ではないだろう。
風に揺れるヤドリギを見上げながら、何を以て『さむい』というのか、真面目に模索する。
さむいのが苦手なのかな……分かる、空気が肌を刺す感覚、あれきついよね……なんて、季節的な寒さが自分も苦手であれば、思わずヤドリギへ共感の視線向けたりしながら。
ふと。脳裏に現れるは、ゲーム画面。
現実のどのようなシチュエーションにもマッチするゲームが、すぐさま浮かぶ程の乙女ゲーマーな碧南、いつかの、攻略に失敗しその対象キャラにこっぴどくフラレた瞬間が『さむい』のワードから連想された。
乙女ゲームも立派な戦略ゲームの一面を持つ。
ゆえに攻略サイトが必ず立ち上がるわけだが、碧南は基本的にその類には頼らない。
何が起こるか分からない、リアルのようなドキドキ感を大切にしているのだ。
まぁ、時には狙っているキャラがどんなに頑張っても落とせず、がっくり肩を落としながらスマホから恐る恐るサイトを覗く事もあるわけだが。その際にもなるべく、目当ての選択肢の解答だけが視界に入るよう、慎重にチラ見するという程度である。
そんな碧南であるが故、痛恨の選択ミスを経験したことが稀とはいえ当然あるわけで。
一度思い出されればあまりのショックの強さから、細かに前後の場面までがフラッシュバックされる。
攻略しようとしていたキャラから失望と軽蔑の感情も顕わに、容赦も手加減もなくフラレるバッドエンド
次送りのボタンを押すが如く、映画のシークエンスのように脳内再生されて、まるで今、再び体験してしまっているかのような冷たく、哀しく、凍てつく心があるのをはっきりと感じた。
その当時、数ある乙女ゲーの中でプレイヤーに対しこれ程に厳しい反応を返すキャラは、ほとんど類を見なかったのもあり、逆にそのリアリティを評価する者を確かに多かったが。
素直に感情移入してしまう碧南にとっては、大ダメージを免れるはずは無かったのだ。
記憶の画面から、拒絶の言葉が何度も再生されその都度心が凍り、足元が揺らぐ。
攻略対象、すなわちそのキャラのルートを進めれば進める程、自分の感情かのようにキャラへと心を預けるわけで。
バッドエンドにより砕かれた心は喪失の痛みとなって、冷たさを伴い心の芯を侵していく。
すっかり色あせた唇から、震えながら押し出されるように言の葉が漏れた
「ああ……さむい……」
瞬間、頭上から葉同士がこすれ合う音が鳴ったかと思えば、碧南の足元にまぁるい赤の葉がコロリと落ちた。
突然視界に飛び込んだ赤色に、一気に現実へと戻る。
「ニャニャ!? 取れたニャー! どうやったのニャ!? 魔法ニャ? ねんりきニャ?」
「あはは……うん、ナイショ」
鳥肌浮く二の腕を無意識にさすりながら、碧南は苦笑いを向けた。
ヤドリギを高々掲げ喜ぶにゃっぱちの様子を見れば、手伝えたのならいいか、と思えた。
でも、だ。
「喉が渇いた、な」
そういえば水分を取ろうとしていたのだった。そこに更に心凍るような思い出から、すっかり口の中も乾燥してしまっている。
にゃっぱちに手を振って分かれれば、自販機へたどり着くまで必死に、ベタ甘に口説いてくれたキャラとのイベントで脳裏を上書きする碧南がいるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月23日
参加申し込みの期限
2019年05月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年05月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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