「それでニャ! ここにゃらフニャーでにゃごにゃごにゃのだから(ごろごろ)オレっちにゃんとかして
あのにゃを(ごろごろ)にゃふ!」
ニコッ
「………ニャ。分かってくれたニャ?」
「いいや。まったく」
二本足で立つ猫のようなものの顎を、時折撫でていた手を離して
卵城 秘月はすっぱり言い切った。
そもそも、たまたま歩いていたら出くわしたこの喋る猫が、息絶え絶えに暑さに行き倒れていたのを見つけ。
とりあえず木陰まで抱っこで運び水をやった。
途端、元気になって一気にまくし立て始めたのである。驚くのを通り越して、思わずまったり撫でて落ち着かせようとしていたわけで。
「はい落ち着いて。吸って、吐いて」
「スーハーニャ……スーハーニャ……、前来た時もそういえばそうやって言われたニャ」
「君はここへ来た事があるんだな」
「ニャ!」
にゃっぱち、と名乗ったその猫は色々諸々、この島へ来た経緯をやっと分かる様に説明した。
曰く、人間界にある“あかいヤドリギ”が欲しい、とのこと。
「……ヤドリギ、って確か寒い時に育つ樹じゃなかったか。
しかも『赤』なんて聞いたことは無いが」
「ニンゲンカイ、とってもあつくなったニャ。あつーいうにゃうにゃがだいすきな、
あかいヤドリギ、ニンゲンカイで見たことあるって聞いてきたニャ!」
「あつーいうにゃうにゃ?」
「あ! あったニャ!」
「え?」
今まさに涼んでいる大きな樹の上を、肉球指したにゃっぱちにつられるように、秘月もつと見上げた。
葉葉葉
葉葉葉葉葉葉葉
葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉
葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉
葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉
葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉葉
葉葉葉葉葉葉葉葉葉
葉葉葉葉葉
幹
幹
→秘月嬢&猫 幹 ※パソコン画面推奨 ← ※見なくとも問題無し!
「え゛?(二度見)」
「やっぱりあったニャッ。きれいなのニャッ。あれを取ってほしいニャー!」
「誰が?」
「(くりんとしたつぶらな瞳)」
秘月、しばし猫目と見つめ合った後、いやいやいやと静かに首を振る。
「あんな高い所早々登れはしない。君たちの得意分野というか、得意な場所じゃないのか?」
「にゃ~……オニャっち、たかいところニガテなのニャ~……」
猫なのに? という言葉はとりあえず飲み込んであげた。
シュートの要領でボールでも投げれば落とせるだろうか……などと思案していれば、にゃっぱちがまた思い出したように鳴き声響かせる。
「あかいヤドリギ、さむいのニガテニャ!」
「すっごい暑いな、今は」
「さむい、っていう、うにゃ……、っきもち! いっぱい伝えてあげると
さむくなったって思って、下に落ちるニャ!」
なんだそれは、という藍色の眼差しが疑問いっぱいに飛んだのは言うまでもない。
「さて……どうしたものか」
ほしーにゃー、ほしーにゃー、どーしてもほしーにゃー……と足元から懇願の視線が痛い。
さむいという気持ち、まぁやりようはいくつか浮かぶが。
(この時期に露出する、照り輝く筋肉美たちを堪能しようかと出てきたのだが)
傍目には憂う横顔に見える、そんな秘月の悩ましい立ち姿があったとか。
いつだって調子にノる蒼い文房具! お世話になっております、蒼色クレヨンです!
気付けば1年ぶりに少し出番お久しぶりになった当NPCがでしゃばるシナリオをお届けにまいりました。宜しければお付き合いしてやっていただけると、ふにゃふにゃ喜びますっ。
また、卵城 秘月様におかれましては、ガイドへのご登場誠にありがとうございました!
万が一ご参加いただける際には、本文に囚われずご自由にアクションをおかけくださいませ☆
●あかいヤドリギ
小さな小さな葉っぱたちを丸く密集させ、他の木の幹や枝に根付いて育つ。
普通の緑陽樹たちに混ざって、意外と堂々とその赤を目立たせ太陽光を浴びている。
どうも見えるヒトにしか見えぬ様子。
暑い陽射しをめいっぱい浴びたい為か、かなり高い枝々に根付いている。
取る方法
「さむい」という気持ちを沢山届けると、さむいと思い込んでポトンと落ちる、らしい。
・冷たいかき氷を食べて、「つめた、さむいさむい!」と大袈裟に叫ぶ。
・渾身のオヤジギャグを高らかに披露して、周囲の人をドン引……もとい、さむくさせる。
などなど。
落ちてきたものをナイスキャッチしても、特に熱くて火傷する! なんて事は無し。
普通にしなやかに冷たい赤い葉っぱたち。
木登り上手が登って枝を折って取ろうとすると、「だめなのニャー!」とけたたましい鳴き声に遮られる。
(曰く、折ってしまうと色褪せてしまうらしい。自然に落ちてくれるのがベスト、との事)
●にゃっぱちが脱走もとい抜け出してきた、「いぬねこの国」について
いぬやねこたちが二足歩行で歩き、笑ったり鳴いたりはしゃいだりしている国。
(~にゃんこ西暦222年~ ねこネコ王国祭!!冬眠MS様著)
紆余曲折大冒険の後、現在は星幽塔第一階層・城下町の片隅の空き地で、
(勝手に)テントを張っては、常時何匹か交代で星幽塔内を探索兼、旅行気分を味わい中。
いぬのしょーぐんさま、ねこのおうさまなるツートップは、本当はもっと沢山のいぬねこが暮らせるようにしたいと思案を巡らせている。
(直近のいぬねこたちの様子⇒ニャンとめでたいワンダフル!冬眠MS様著)
今回のシナリオにおいては、メインは『あかいヤドリギを取ってあげる』ことな為、
『現在のいぬねこたちはどうしているか?』などのにゃっぱちへご質問等は避けて頂けると、全力で救われる当方が這いつくばって感謝します。
当シナリオNPC:にゃっぱち
白黒ブチ模様、片目は傷があり閉じている。
(初登場:当方作「刃紋~乱れる光に救いの手を~」。読まれなくても一切問題無し☆)
ツートップの目をこっそりかいくぐって、時々こうして寝子島へ頼み事をもってくる。
一人前の商い屋目指し修行中。熱いようなちゃっかりしてるようなそんな性格。
出だしと終わり程度でほとんど登場しない予定ですが、話し掛けられれば反応します。
「古来よりの魔除け」「その下でキスをすると幸せになる」など、
ヤドリギって萌えますよね(真顔で)
寄生する樹でありながら決してその寄生した木を枯らせることはせず、
共生するヤドリギ。今回は普通のヤドリギと違いますが、生え方は一緒です☆
是非、キャラ様個々の「さむい」方法で取っていただければと!
(「さむい」の判定はとってもゆる~いつもりですので、どうかあまり深く考えずに♪)
皆様のご参加を、今か今かと待っている猫もとい、蒼色クレヨンでした☆
改めまして、この場をお借りして。
にゃっぱちの如くちゃっかりと二度目な突然のお伺いをしましたのにも関わらず、
またも快くご許可&温かくご丁寧に質問などにお応えして下さった冬眠MS様に、心よりの感謝を申し上げます。
お忙しい中、誠に誠にありがとうございました! いぬねこ万歳!☆(←ファン)