８月の☆ハッピーバースデー｜リアクション

８月の☆ハッピーバースデー

　８月３０日。フォルカ・ヴィクスンの誕生日に、アリス・ミーティアは自らが働くＢａｒアストラルに彼女を呼び出した。
「アリス～、来たよ～」
「フォルカ、誕生日おめでとう！」
　さっそく手渡したのは、綺麗にラッピングされた箱。
「プレゼント？　開けていいの？」
「うん、見てみて」
　箱を開くと、姿を現したのはナイフ。装飾はあまりないけど、手に馴染みやすいデザインだ。
「……へー、良いじゃん。持ちやすいよ」
　柄のところを見ると、F.Vとイニシャルが彫ってある。
「フォルカが使ってくれるもので考えたらこれが良いかなって」
「うん。ありがたく使わせてもらうよ！」
「切れ味鋭く扱いは難しいけどフォルカなら大丈夫でしょ！」
「もちろん」
　顔を見合わせ、笑う。
「あと、これも」
　アリスは、１枚の紙きれを渡す。フォルカはそれをのぞき込んで口の端をつりあげた。
「ふ～ん……」
「今日入った依頼の仕事。伝説の盗賊のお宝が眠っているといわれる遺跡の調査の依頼だよ」
　ぺろり、舌なめずりをひとつ。フォルカは頭の中でもう計算しているようだ。
「で、報酬は半分は依頼者で残りの半分が山分け」
「ん、まぁでしょうね……」
「まあ、フォルカ一人で行くなら半分全部お宝ゲットできるけど」
　紙から視線をアリスに移し、フォルカは頷く。
「ただ、飛べる人が一人いた方が良さそうな感じなんだよね。どうする？」
「んん～～～～」
　苦笑いを浮かべるフォルカ。
「なるほど？　いっしょに行ける依頼にしてくれたんだ？」
「フォルカならお宝はもらうより自分で見つけたいと思うかなって思ったから好きそうな依頼残しておいたんだよ」
　通常、依頼の紙はＢａｒアストラルの壁に貼られている。誰かに依頼がとられることの無いよう、わざわざよけておいたのだと知り、フォルカはくすくすと笑った。
「そうだね、その通り。よーくわかってんじゃん！」
「誕生日記念に乾杯して出かけない？」
「うん、一杯お願い」
　それじゃあ、乾杯、とグラスを合わせ、一気に中身をあおる。
「よし」
「誕生日だけどお宝は山分けだからね」
「はは、わかってるよ」
「依頼がプレゼントって事で！」
　拳を突き合わせてから、バーの扉を開く。
「じゃあ、出発といきますか！」
「このナイフの切れ味も、早速試させてもらうよ。……もうひとつのお礼は依頼成功のときに、ね！」
　駆け出す二人の視線の先には、お宝。輝くものと、二人の間にある心。

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あとがき

担当マスター：寿ゆかり
ファンレターはマスターページから！

　皆さんお誕生日おめでとうございます。
　進展した方も、よりお友達との仲を深められた方も本当におめでとう。
　あれがあれだったかたも大丈夫よ、たぶん。夏はほら、あれな季節ですからアレ。
　それぞれひとつ大人になって、これからどんな日常を歩んでいくのでしょうか。これからも見守らせていただけますと幸いです。

　▼運営部より
　８月生まれのＰＣの年齢加算は、数日中に行われます。
　らっかみ！タイムの「９月」への移行は来週の予定です。しばらくお待ちくださいませ。

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