８月の☆ハッピーバースデー｜リアクション

８月の☆ハッピーバースデー

「にょえ？！　８月？　わあっ、ひびきもだよーっ」
　それはとある体育の授業でのことだった。話しているうちに互いの誕生日の話になって、日々野結衣香と天馬ひびきは自分たちの誕生月が一緒だということを知った。しかも、3日違い。
「そしたらさ、バースディは２人で」
「そうですね！」
　ミニ旅行なんてしたら楽しいんじゃないかな、と提案しあう。絶対楽しい。二人のバースデー旅行！
「うんっ。いーっぱい遊ぼう。早く来ないかなあ……夏休み」
　うっとりとひびきは目を細める。早くこい、夏休み！

　そうして訪れた８月中旬のこと。
「あ、ひびきさん」
　すこし早めに待ち合わせ場所についていた結衣香は、キラキラの日差しの中ひまわり色のミニワンピを纏ったひびきが走ってくるのをみつけた。
「やっほー！」
「こんにちは！　いいお天気ですね」
「うん！　まずはどこいこっか？」
「島の歴史博物館に行きたいんですが、良いですか？」
「もちろん！」
　あっ、とひびきが小さく声をあげる。そして、カバンからスマホを取り出すと……。
「今日は留守番なんだけど、はやぶさだよ！」
　LIVEで映るペガサスのぬいぐるみを見せた。
「わ、かわいいですね。結衣香です、よろしく」
「どうぞよろしくお願いします、って言ってるよ」
　あは、と笑うひびきに、結衣香も笑顔を返す。
「博物館では、しっかりエスコートしますね！」
「うん！　お願いね！」
　博物館についた二人は、さっそく壁掲示や展示してある書物を見て回る。結衣香は、それぞれ学校の授業で扱った人物など、できるだけひびきにとってなじみの深い話を選んで説明していった。
「へぇ……そうなんだぁ。結衣香ちゃんよく知ってるねぇ」
「好きなので、自分でも調べちゃうんです。あと……自然と覚えちゃうんですよね」
「すごい……」
「きっと勉強の役にも立つはず～」
「あはは、そうかも」
　存分に博物館を楽しんだら、二人はショッピングモールへ。
「わー、すずしーいっ」
　何を見に行こうか、と問うひびきに、
「お洋服もいいけどやっぱり私が買うとなると本ですね～。おこづかいの大半は本代に消えます」
　と、答える結衣香。
「そうなの？」
　なるほどぉ、と頷いたひびき。そして、すぐに気取られぬようパッとミスト冷房にはしゃいでみせた。
「あ、ちっちゃな虹っ」
「綺麗ですね～」
　それから、雑貨屋へ向かった二人。
「これも可愛い……これもいいなあ」
　うーん迷う、と唸るひびきの横で、結衣香はひびきの好きそうなものをじっくりと吟味する。
「買えた？」
「はい、ひびきさんは？」
「うん。ばっちり！　じゃあ、ケーキ食べにいこっか！」
　二人が向かうのは、洋菓子店『Raton』。
「結衣香ちゃんは何にする？」
「私はマロングラッセにします」
「おいしそう！　んんん、何にしようかなぁ」
　ひびきは、結衣香がメニューのストロベリーショートケーキを見ているのに気づき、提案する。
「ね、もしよかったら……私ショートケーキにするからシェアしよ？」
「良いですね！　私もショートケーキ、気になってたんです」
「じゃあ、決まりだね！」
　注文した品が来るまでの間に、プレゼント交換が始まる。
「ね、結衣香ちゃん……」
　これ！　とひびきが差し出したのは、かわいらしいラッピング。
「はぴばーっ！」
「わぁあ！　ありがとうございます、私からも！」
「ありがとーっ！　開けていい？」
　もちろん、と頷きあい、二人でせーので包みを開ける。結衣香が包みをあけると、そこからは可愛らしいペンギンのブックカバー・メモ帖・ペンのセットが出てきた。
「わぁ……ペンギンさん！　かわいい……」
「えへへ、実はペンのほうはお揃いにしちゃった」
　ほら、とひびきが自分用に買ったペガサスのトップがついたペンを見せる。
「ふふ、かわいい」
　私もあけるね、とひびきも包みをひらく。そこには、ペンにぴったりの天馬柄のレターセットが入っていた。
「わーっ！　かわいい！　ありがとう！」
　思わず愛おしくなって、ぎゅっと抱きしめ、満開の笑顔を見せるひびき。
「大切にするね！　……お手紙、書いていい？」
　あっ、でも何枚かは手元に残しておきたいかも、なんてつぶやくひびきに、結衣香はころころと笑う。
「ブックカバーも、大切に使いますね」
　私が本好きだから選んでくれたんですよね、と、好みを把握してもらったことに結衣香は嬉しそうに目を細める。
「えへへー☆」
　また二人で遊ぼうね、と、運ばれてきたケーキを頬張りながら約束する。最高の、誕生日に。

このページにイラストを設定する

８月の☆ハッピーバースデー

シナリオ

シナリオデータ

シナリオスケジュール

参加キャラクター一覧