朝陽を浴びながら｜リアクション

朝陽を浴びながら

○恋人との朝

　日曜日の早朝。
　チュンチュン。
　小鳥の鳴き声で目覚めた三折部朝衣は、いつもとは違ったシーツの感触を感じていました。
　一糸まとわぬ姿の朝衣の傍らには、この前のサマーバレンタインで出会った、新しい恋人の住沢遥人。
　やはり裸の彼の寝顔を見ながら、昨夜のことを思い返します。
　４度目のデートで初めて彼の住むシーサイドタウンのアパートへ行き、そこで初めて結ばれた……
　いろいろ思い出し、ぽっと赤面する朝衣です。
　傍らの遥人が目を覚ましました。
「おはよう」
　ふたりは軽くキスを交わすと、一緒にシャワーを浴びに向かったのでした。
　情事の痕跡を消して服を着ると、時計の針は午前６時少し前を指していました。
「今日は凄くいい天気よね。海岸へ行かない？」
　窓の外を見た朝衣が言うと、遥人が答えました。
「ああ。こんな日はサーフィン日和だよね」
　意見が一致した二人は、ネットで波情報を調べたり身支度を整えたりして、出発しました。
　
　朝の寝子ヶ浜海岸へ赴くと、何人かの顔見知りのサーファーがすでに早朝サーフィンを楽しんでいました。
「おはようございます」
　挨拶する朝衣に、知り合いは遥人に視線を向けながら返事を返します。
「みおりん、素敵な彼氏ができたのかい？」
「ええ」
「いいねー」
　素直に答える朝衣に、知り合いは暖かい目を向けるのでした。
　念入りにストレッチをして、朝衣と遥人は海へと飛び出します。
　一人でもサーフィンは最高だけど、好きな人となら、もっと嬉しい。
　二人は朝の陽光を浴びながら、何度も何度も波乗りを楽しんだのでした。

「はー、楽しいけどちょっと疲れた……」
「一旦休憩しようか」
　二人で楽しく話しながら、朝衣は時折遥人から妙な視線を感じていました。
（エッチな視線、ともちょっと違うような？）
「君ってダンスも得意だよね」　
「えっ？　まあ、嫌いではないけど……？」
　実は遥人は、この前の騒動を見ていたのですが……
「いや、なんでもないよ。そろそろ行こうか」　
　優しい遥人は、どうやらなかったことにしてくれたようです。

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