朝陽を浴びながら｜リアクション

朝陽を浴びながら

○朝のシャワー

「んぁ……んー、もう朝かぁ」
　カーテンの隙間から差し込む朝の光に、高校２年の白真白は目を覚ましました。
「今何時……」
　時計を手に取れば。
「あー、もう10時かぁ。休みだからって夜更かししちゃったもんなぁ」
　休みですから急ぐことはないのですが、真白には事情がありました。
「となると下もそろそろ限界だろうし……早く変えちゃお」
（そうしないと部屋汚しちゃうし、というか気持ち悪いし）
　昔あった事故の後遺症で、真白はおむつが手放せない身体でした。　

　起きた真白は枕元に用意していた着替えを持って、一階に行くためにドアを開けました。
「……あつっ」
　冷房の効いた部屋を出ようとしたら、熱気がむわっときました。
「暑くなるの早くない？　まだ10時だよ？」
　げんなりする真白ですが。
「うぅ……でもシャワー浴びないといけないし……急いでいこ」
　シャワーを浴びさえすればこの暑さと気持ち悪さから解放されるのですから。
　脱衣所に着替えを置いたら、トイレに行ってぐっしょりと濡れたおむつを外します。
「やっぱりもう限界だったかな。危ない危ない」
　おむつを専用のごみ箱に入れたら、そのままお風呂場に行ってぬるめのお湯のシャワーを浴びます。
「あー、気持ちいいー」
（やっぱり朝一のシャワーは欠かせないね。どうしても寝てる間に汚れちゃうから清潔にしときたいし）
　ポジティブで楽観主義な真白は、事故の後遺症の義眼やおむつでの生活を嘆いてはいません。
　他人と違っていようと、これが自分なのです。

　シャワーを浴び終えたら、身体を拭いて用意しておいた着替えに袖を通します。
　まずは下着から。新しいおむつを当てて位置を調整したら両サイドのテープを止めます。
（まぁ慣れたものだよね。ブラもしてっと）
「んー、今日はまだまだ暑くなりそうだし下着姿でもいいや！　今日はどこにも出かける予定がないしね」
　人目を気にせずに済む、これが夏休みの醍醐味。
　ちゃちゃっと朝ごはんを済ませ、真白は元気に部屋に向かいます。
「よーしゲームするぞー」

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