朝陽を浴びながら｜リアクション

朝陽を浴びながら

○ラジオ体操

　小学６年生の佐藤瀬莉は、星ヶ丘の自宅で目を覚ましました。
　時計を見ると午前６時少し前。
（まだ眠い……）
　二度目を決め込もうとした瀬莉ですが。
　シャーッ。
　母親にカーテンを開けられてしまいました。
「ま、まぶしい……」
　部屋は朝の光に満たされます。
「おはよう。朝のラジオ体操、遅刻するわよ」
　母に容赦なくタオルケットを剥ぎ取られそう言われてしまい、瀬莉は仕方なく起き上がりました。
　寝ぼけ眼をこすりつつ洗面台へ。
　顔を洗ったら、おいしい朝ごはんが待っています。
「いただきまあす」
　トーストにジャムを塗って、スクランブルエッグとベーコン、それにグリーンサラダとミルク。
　豪華な朝ごはんですが、残念ながらまだ眠いので、味はあまりわかっていないのでした。
　ご飯のあとは歯を磨いて部屋にもどり、身支度を整えます。
　今日の服装は白地のＴシャツと紺のショートパンツ。
　スタンプカードを首から下げて、タオルなどを入れたトートバッグを肩にかけて。
　小学校へ出発です。

　小学校につくと、校門で雨宮花三郎校長先生が待っていました。
「おはよう」　
　といつもの笑顔で声をかけてくれました。
「おはようございます」
　こちらも元気に返事を返します。
　校庭にはすでに多くの児童が集まっていました。
　同級生の姿を見つけて瀬莉は、
「おはよう」
　と挨拶します。
「おはよう。瀬莉ちゃん眠そう」
「まだ眠いよ～」
「瀬莉ちゃんち遠いもんね～」
　などと話しながら待っていると、先生が朝礼台に上がりました。
「おはようございます。みんな元気ですか？　それでは今日も元気にラジオを体操を始めましょう」
　ラジオ体操の音楽が流れてきました。
　体操を始めた瀬莉ですが、眠気が残っているので動きが緩慢です。
　６年生にもなると、ラジオ体操は数え切れないほどやっていて退屈ですが。
　身体を動かしている間にだんだん目が覚めてきます。
（それなりに楽しいよね）
　そんなことを思うのでした。

　終わった後は先生にスタンプを押してもらいます。
「あと少しで皆勤賞かあ」
　スタンプカードに押されたスタンプを見ていると、自然と顔がほころんでくるのでした。

　
　

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