夏の終わりに｜リアクション

夏の終わりに

●願いの夏、祈りの夏

「英語が難しかったけど、何とか終わらせたのだ！　英語できる人はすごすぎるのだ……尊敬するのだ」
　大仕事をやり遂げた李小麗は、んー、と背伸びする。
　夕飯までにはまだ時間があるので、ちょっと散歩に行くことに。
　どこに行こう、と考えて決めた行き先は落神神社。山道は大変だが、ちょっとした運動になる。
　歩いている途中、九夜山展望台に向かう夏夜に出会った。
「夏朝は、どこに行くのだ？」
「……僕は展望台へ。君は？」
「落神神社なのだ。早く行かないと日が暮れるから急ぐのだ」
　それじゃあ、と二人はそれぞれの目的地へ。

　展望台の屋上に着くと、夏夜はそこからの景色を眺める。
（……僕等の未来は、どうなるのだろう）
　夏夜も夏朝も、２人が並んで過ごせる未来のため心身ともに分離する事を望んでいる。
　それが叶わなければ、高校卒業までに人格統合をとも考えている。
「妥協線を示したのは僕だけど……来年の夏休みに未だ叶ってなければ、その辺りの決断も必要になる……」
　２人別々に、各々の体で、同じ時間を過ごしたい。
　夏休みだって別々に過ごすこともあれば、たまに会って一緒にプールや海に行ったりしたい。
「夏朝……君もそう思うよね……？」
　そう呟いた夏夜は、どことなく寂しそうな表情だった。

「はーっ！　久しぶりに落神神社に来たのだ。それにしても暑いのだ……木陰で休むのだ」
　大きな木に移動すると、小麗はそこで一休み。
「ううむ、そろそろ夏も終わりか……。春にクローネはいなくなったけれど、また別の新しいナニカが起こっているようなのだ」
　そう思うと、何だか落ち着かない気持ちになった。
「ぬぅ……このモヤモヤをどうすればいいのだ……？」
　腕組みをして、どう解消しようか考える。
　落神神社に行ってお賽銭を入れ、落神様に祈ってみようか。
　そもそも落神はののこなのだから、ののこに直に祈るべきなのか。
（いやいや、そんな事したら、ののこがきょとん顔になるのだ）
　考えていても埒が明かない。どこかに届くかもしれないと、夕焼け空に向かって手を合わせて祈る。

「みんなの希望が、ナニカによって消えませんように！　なのだ！」
　
　お祈りをしたら、何だかモヤモヤが晴れた気がした。
「よし！　じいじ達が心配するから、そろそろ帰るのだっ。帰る途中、アイスを買って帰るのだ！」
　明日は何をするべきかと考えながら、小麗は家に帰る。
「そうだ！　明日は胡麻団子をたくさん作って家族４人で食べるのだ！」
　揚げる時にすごく暑くなるかもしれないが、これも夏の思い出のひとつだ。

　桜花寮に戻った夏夜は夕食、入浴を済ませた後、机の上に置いてある交換日記にメモを見ながら今日のことを事細かく記す。
「夏朝の宿題はもう終わっているけれど……これが僕の、夏休みの日記であり、宿題だ」
　日記を書き終えた夏夜は、いろいろなことがあり、いろいろな人に会ったな……と考えているうちに眠りについた。

　日記の最後には、こう書かれていた。
　夏休み……ありがとう
　とても楽しかったよ
　夏夜

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あとがき

担当マスター：カターレ
ファンレターはマスターページから！

カターレです。

宿題を済ませようと頑張ったり、部活動を頑張ったり。
アルバイトをしたり、遊んだり。
残り少ない夏を、各々の方法で過ごされていました。
８月も終わりとはいえ、リアルでもらっかみ！タイムでもまだ暑いです。
プレイヤーさんも、ＰＣさんも熱中症にお気を付けください。

ありがとうございました。

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