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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
うさぎが質屋を襲撃しました。現場からは以上です。
【現場検証 強盗事変】
「……あー、なんか爆発したみたいな傷跡見えますねー」
強盗があった質屋前。屋敷野 梢と如月 庚は、野次馬に紛れて現場の様子を窺っていた。
黄色いテープが張られ、警官が見張りに立っている。
梢が小さな双眼鏡を片手に、こそりと様子を覗いていく。
ニュースにはなく、志波 武道がツイッターで見ただけだという『爆破の跡がある』という情報が、現場を見れば遠目ながらも確認する事が出来た。
大きな爆発ではない。しかしシャッターは膝丈程度に確かにへしゃげ、中のガラス破片が散乱しているのが確かに窺えた。
「ウサギの仕業……つってもこりゃ可愛らしいもんじゃあねぇな」
梢から双眼鏡を受け取って見た庚が、端的に言葉を述べる。
「映像に写らない以上何を使ってこうなったのかは分かりませんけど、少し注意しておく必要がありますね」
互いの無言の同意。その時、梢の携帯が鳴った。それは他の質屋について調べている武道からの連絡。
二人とも人混みから離れ、互いに聞こえるようスピーカーモードにして電話を受けた。
『そちらはどうだろう？ 何か分かった事とかはあるかな』
「……被害は、想定より悪質すね」
「あ──張り紙が見えましたー。えっと……寝子島内のチェーン店はしばらく全休業するみたいですねー」
『大きなチェーン店は守りを固めそうか？ なるほど……
よし、こちらは引き続き小規模の質屋についても調べてみるよ。そちらは、引き続きうさぎの探索をお願いしてもいいかな？』
「うす」
「分かりましたー」
武道からの電話が切れる。庚は、改めて質屋の方を見て、硬い表情に僅か眉を寄せた。
「──こりゃ、ウサギの形をした『何か』の仕業だ。……なら、遭遇しても遠慮する必要はねぇな」
庚は鋭い眼差しを閉じて、細く深く一度深呼吸をする。
改めて気持ちが切り替わる。善悪の理解がないウサギの形をした害を及ぼす『何か』ならば──まずはぶっとばさなければ、その存在は後の対話テーブルにもつかないだろう。
「うさぎねぇ……まあ、二本足なら流石に自転車よりは速くないだろ」
『299 COFFEE』にて。北里 雅樹が情報を次々に纏め上げていく。
地図アプリを携帯に引き出しながら、それを画像保存し、加工ソフトで現場の質屋を中心とした円を引き、更にその中にある質屋の住所をピックアップしていく。
そうして『うさぎ警戒。この辺り、探索者は、さり気なく警戒されたし。』とほんの遊び心から、少し大仰に乗った言葉を添えて送信してみる。
……自分の元カノが動いているのだ。ならば、他にもこの事件を追っている物好きがいるだろう。その辺りにおいても、雅樹の興味を満たす条件は十分だ。
「さて、どうなるかね」
そうして、北里 雅樹から送られてくる情報を、現地に到着した椎井 莉鳥は次々確認していった。
雅樹からの情報をいくつかリツイートしつつ、自分も現場の質屋付近から調査を始める。
スマホのバッテリーを確認すると、まずは携帯のカメラを通して野次馬に紛れて周囲の動画を撮っていく。近づきすぎれば警察に注意されるだろう。そこだけは気を付ける。
そして、次はカメラを地面に向けた。直に見た眼で気付けなくても、ファインダーを通して見れば気付ける事もあるかも知れない。
そうして調べることしばらく。携帯しか見ず、少し現場から離れたところまで来てしまった、と。莉鳥が引き返そうとした瞬間。
──小さな雑草の草むらの陰に、カメラ越しに何かが視界に入った。
莉鳥が改めてカメラを向ける。
それは、少しくすんだ緑色の小指の爪先程度しかない宝石の裸石だった。
「宝石の、ルース？」
現場に向かう途中、八神 修はねこったーに上がっていた、一枚の画像に目を向けた。それはペリドットの裸石。カメラの拡大率からも分かるように、本当にそれは微細で、偶然にしてもよく見つかったものだなと思う。
画像には位置情報が載っていた。質屋の周辺には違いないが、近くと言うには少し離れている。
現場に着いた修は、その画像の場所まで歩いてみた。
そこから更に周囲を見渡してみる。画像を見た時にも思ったが、この辺りになれば、もはや質屋の近くとは言えなさそうだが。
しかし──観察を重ねたその通り道に、歩道の上にぽつんとピアスが片方落ちていた。
そちらへ歩くと、その先には視界の範囲内に、今度は更に銀の指輪が落ちている──
「……この気分の抜け加減は、やっぱりうさぎなんだな」
修は妙に腑に落ちた様子で呟いた。
ぽつぽつと高級品が落ちていく頻度が上がっていく道……この先に、きっとうさぎ達が集まっているに違いない。
「……あー、なんか爆発したみたいな傷跡見えますねー」
強盗があった質屋前。屋敷野 梢と如月 庚は、野次馬に紛れて現場の様子を窺っていた。
黄色いテープが張られ、警官が見張りに立っている。
梢が小さな双眼鏡を片手に、こそりと様子を覗いていく。
ニュースにはなく、志波 武道がツイッターで見ただけだという『爆破の跡がある』という情報が、現場を見れば遠目ながらも確認する事が出来た。
大きな爆発ではない。しかしシャッターは膝丈程度に確かにへしゃげ、中のガラス破片が散乱しているのが確かに窺えた。
「ウサギの仕業……つってもこりゃ可愛らしいもんじゃあねぇな」
梢から双眼鏡を受け取って見た庚が、端的に言葉を述べる。
「映像に写らない以上何を使ってこうなったのかは分かりませんけど、少し注意しておく必要がありますね」
互いの無言の同意。その時、梢の携帯が鳴った。それは他の質屋について調べている武道からの連絡。
二人とも人混みから離れ、互いに聞こえるようスピーカーモードにして電話を受けた。
『そちらはどうだろう？ 何か分かった事とかはあるかな』
「……被害は、想定より悪質すね」
「あ──張り紙が見えましたー。えっと……寝子島内のチェーン店はしばらく全休業するみたいですねー」
『大きなチェーン店は守りを固めそうか？ なるほど……
よし、こちらは引き続き小規模の質屋についても調べてみるよ。そちらは、引き続きうさぎの探索をお願いしてもいいかな？』
「うす」
「分かりましたー」
武道からの電話が切れる。庚は、改めて質屋の方を見て、硬い表情に僅か眉を寄せた。
「──こりゃ、ウサギの形をした『何か』の仕業だ。……なら、遭遇しても遠慮する必要はねぇな」
庚は鋭い眼差しを閉じて、細く深く一度深呼吸をする。
改めて気持ちが切り替わる。善悪の理解がないウサギの形をした害を及ぼす『何か』ならば──まずはぶっとばさなければ、その存在は後の対話テーブルにもつかないだろう。
「うさぎねぇ……まあ、二本足なら流石に自転車よりは速くないだろ」
『299 COFFEE』にて。北里 雅樹が情報を次々に纏め上げていく。
地図アプリを携帯に引き出しながら、それを画像保存し、加工ソフトで現場の質屋を中心とした円を引き、更にその中にある質屋の住所をピックアップしていく。
そうして『うさぎ警戒。この辺り、探索者は、さり気なく警戒されたし。』とほんの遊び心から、少し大仰に乗った言葉を添えて送信してみる。
……自分の元カノが動いているのだ。ならば、他にもこの事件を追っている物好きがいるだろう。その辺りにおいても、雅樹の興味を満たす条件は十分だ。
「さて、どうなるかね」
そうして、北里 雅樹から送られてくる情報を、現地に到着した椎井 莉鳥は次々確認していった。
雅樹からの情報をいくつかリツイートしつつ、自分も現場の質屋付近から調査を始める。
スマホのバッテリーを確認すると、まずは携帯のカメラを通して野次馬に紛れて周囲の動画を撮っていく。近づきすぎれば警察に注意されるだろう。そこだけは気を付ける。
そして、次はカメラを地面に向けた。直に見た眼で気付けなくても、ファインダーを通して見れば気付ける事もあるかも知れない。
そうして調べることしばらく。携帯しか見ず、少し現場から離れたところまで来てしまった、と。莉鳥が引き返そうとした瞬間。
──小さな雑草の草むらの陰に、カメラ越しに何かが視界に入った。
莉鳥が改めてカメラを向ける。
それは、少しくすんだ緑色の小指の爪先程度しかない宝石の裸石だった。
「宝石の、ルース？」
現場に向かう途中、八神 修はねこったーに上がっていた、一枚の画像に目を向けた。それはペリドットの裸石。カメラの拡大率からも分かるように、本当にそれは微細で、偶然にしてもよく見つかったものだなと思う。
画像には位置情報が載っていた。質屋の周辺には違いないが、近くと言うには少し離れている。
現場に着いた修は、その画像の場所まで歩いてみた。
そこから更に周囲を見渡してみる。画像を見た時にも思ったが、この辺りになれば、もはや質屋の近くとは言えなさそうだが。
しかし──観察を重ねたその通り道に、歩道の上にぽつんとピアスが片方落ちていた。
そちらへ歩くと、その先には視界の範囲内に、今度は更に銀の指輪が落ちている──
「……この気分の抜け加減は、やっぱりうさぎなんだな」
修は妙に腑に落ちた様子で呟いた。
ぽつぽつと高級品が落ちていく頻度が上がっていく道……この先に、きっとうさぎ達が集まっているに違いない。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年04月20日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年04月27日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年04月27日 11時00分
