シエスタ・フェスタ！｜リアクション

シエスタ・フェスタ！

「ののこちゃん、そ、そっちじゃないってば！」
「え、え、わかんないよ？　あおいちゃん今、背中押したでしょ？」
「押してないよ……！」

「森、あと何歩で方向転換すればいい？」
「それを説明してしまうと意味がありませんので」
「そうだな。諦めるか……」

「すごいですね……！」
「ん？　何がだ？」
「どんどん進んでいくので。」

　いい具合に波乱気味のペア。慎重と慎重が重なってなかなか進めないペア。さくさくとゴールに向かうペア。
　本来は無言で楽しむものなのだろうが、そういかないところもまた楽しいのだろう。
　そして楽しみすぎて、予想通りではあるが、ののこは積極的と言ってもいいくらいの勢いで、人にぶつかっていった。
　シートを敷いて和気藹々としている集団の中に、ののこが突撃していく。あおいの「違うよ、違うって、」というささやかな静止ではどうにもならなかった。
　そうして踏み込むシートの上。
「あ、危ねーな！」
「……お菓子は無事だ」
「あれ奇遇ですね」
「野々さん、七夜さんも、ピクニック、ですか？」
　これが花厳望春、六月一日宮檸檬、御陵春哉、望月神無のピクニックグループとの合流であった。
　そしてその頃、浅山小淋と常闇月はバスを降りて、公園のベンチに腰を下ろした。