故郷での夏休み　セカンドシーズン｜リアクション

故郷での夏休み　セカンドシーズン

●寝子島に戻ろう

　ある人は実家でのんびり。ある人は地元の友人、家族と過ごしたり。
　ある人は、仲良く地元を散策したり。
　そんな日はあっという間に過ぎ、寝子島に帰る時がやって来た。
　
　伊藤佳奈と伊藤美緒は、寝子島から伊豆大島に来た時同様、元町港のフェリーに乗って帰る。
　乗り場には、美緒の祖父や両親、兄の誠也。
　地元の友人達や道場で一緒に稽古をした同年代の子といった多くの人が見送りに来てくれた。
「また来るね～」
　佳奈は手を振り、見送りに来てくれた人達にお別れを。
「皆～、元気でね～！」
　そう声をかけ帰路へ着く美緒は、どことなく寂しそうだった。
「美緒ちゃん、お爺さんやおじさん、おばさん、誠也さんと別れるのが寂しいの？」
「そ、そんなことないわよっ！　寝子島に帰ったら、今度はそっちの道場で勝負よ！」
　いつもの美緒ちゃんだ、と安心した佳奈は「うん、いいよ」と勝負を受けることに。

（とんでもないことになったあの件、バレてないようでホッとしたわ……）
　落合まゆらは実家にいる間、あの件が家族、特に兄にバレていないかどうか気が気でなかった。
　言われたことと言えば、母に「ゴロゴロしない」と注意された程度。
　ノーブラでタンクトップ、ショートパンツ姿でクーラーの効いた自室でゴロゴロしていた時。
　まゆらに用があり、ノックもせずドアをいきなり開けた兄に、こう質問された。
「おまえ……水着で街、うろついたりしてないよな……？」
「何でそういう話が出てくるのよ！」
「実はな……」
　ある動画を見ていたら、まゆら似の女の子がビキニ姿でペットボトル入りのミネラルウォーターのキャップを開けて頭にぶっかけたのを見たという。
（あたしがやったこと、兄貴にバレだとか！？　似てるっているから、別人だと思っているかも……）
　悶々としていると、いくらおまえでも、暑さであんなことしないよなと笑う兄。
　妹に似た女の子だろう、と思われているようなので、まゆらはホッとした。
　もう１度いうが、兄は、例の件のことを知っているむっつりスケベである。知らぬは当の本人だけ。

　那覇空港のチェックインロビー前。
　搭乗手続きを済ませた真境名アリサは、おじぃと母に「また来るからね」と別れの挨拶を。
　寝子島に帰っても元気でなー、という祖父に「なんくるないさー」とアリサは笑顔で手を振った。
（仕事も何とかなるから大丈夫。寝子島に帰ったら、また頑張ろう）

　城山水樹とヒュー・ヒューバートは、帰りの新幹線の中で京都の通りを散策したこと。
　ヒューの母方の実家で過ごしたこと。
　母親の墓参りをして、どこかで眠っているヒューの母に水樹を紹介したこと。
　そういった京都で過ごしたことを、楽しく話していた。
「ヒュー、一緒に帰省しようと誘ってくれて、ありがとう。あなたのことをより深く知ったような気がしたわ」
「それは良かった。また休みがあったら、今度は帰省じゃなくて、旅行しようか」
「休みが合ったら、ね」
　
「ん～、寝子島もいいね～☆」
　響タルトは駅に着くと、荷物とお土産を置いて背伸びを。
　地元で友人達と過ごすのもいいが、寝子高に通うようになってから住み始めた寝子島もいい。
　桜花寮に戻ろうと歩き出した時、弟にばったり会った。
「どこに行くのかな～？」
　そう聞くと、弟は「今から実家に帰る」と答えてスタスタと歩き出す。
　帰るんだったら一緒に帰ればいいのに、と思ったが、生意気だけど可愛い～☆　とデレるタルトだった。

　おかえりなさい、寝子島へ。帰省、お疲れ様。　

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あとがき

担当マスター：カターレ
ファンレターはマスターページから！

カターレです。セカンドシーズンでも帰省シナリオを担当することとなりました。

実家でのんびりしたり。地元の友達と遊んだり、家族で過ごしたり。
どなたかの帰省先に同行し、思い出を作ったり、絆を深めたり。
さまざまな地元での過ごし方があったり、楽しい出来事があったり。
いろいろな帰省の様子を書けて、とても楽しかったです。

らっかみ！タイムではまだ暑い８月が続いています。
ＰＣの皆さん、熱中症にならないよう、お気を付けください。

参加してくださった７名様に、帰省の様子を楽しんでいただければ幸いです。
ありがとうございました。

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