携帯戦記カプセルギア・スピンオフ　ゲームの中の大冒険！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア・スピンオフ　ゲームの中の大冒険！

☆囚われの姫

「あれ？　ここどこ？」
　小学１年生の百岳甘桃は戸惑っていました。
「確かカプギアの新しいゲームを遊んでたはずなんだけど……ここおっきな鳥かごの中だし、いつのまにかお姫様みたいなドレスになってるし」
　将来の夢は「かわいいものを集めたお店を開く」or「お姫様」で悩み中の甘桃、ドレスは可愛いな……と思いましたが。
「ケエー！」
　怪しい鳴き声がして鳥かごの外を見れば、恐ろしい怪物みたいなカプギアがウロウロしているのでした。
「もしかして食べられちゃうの？　やだー！　助けてよー！」
　不安で甘桃の目に涙があふれてきます。
　ギギューン！
　ものすごい勢いでなにか突っ込んできました！
「もしかしてアマデト？」
　目が追いつかないスピードで飛んできたそれは、猛然と敵に角アタック！
「ほんとにアマデトだ」
　角と翼をもつファンシーな馬の姿をしたアマデトワールは、甘桃のカプギアです。
『お嬢様、もうしばらくお待ちください。すぐに片付けます』
　その言葉通り、アマデトはどんどん敵を倒していきます。
「すごい、アマデト！」　
　喜ぶ甘桃ですが。
　ギギギ……
　奥の扉が開くと、新たな敵が出現しました。
　今までと違い、貴族のような服を着たボスっぽい大きいモンスターです。
「王族に連なる者を逃すわけにはいかんのだよ」
　モンスターは偉そうに言いました。
（……なんか、強そう？）
　心に生まれた不安を吹き飛ばすように、甘桃は叫びます。
「強そうだけど、絶対大丈夫。頑張れ！　いけーアマデト！」
　そんな甘桃の声援に応えるように、アマデトは角アタック！
　ズズズズン！
　二度、三度と角アタックを受け、モンスターは膝をつき倒れて動かなくなりました。
「やったあ、アマデトのかんぜんしょーり(完全勝利)！」　
　飛びあがって喜ぶ甘桃。
『お待たせいたしました』　
　そう言いながら、アマデトは鳥かごの鍵を角で壊してくれました。
「これで帰れるよ。ありがとう……すっごくかっこよかったよ」
　かごから出てすがりついてきた甘桃に、アマデトは言いました。
『お嬢様を泣かせる者に、一切の慈悲はありませんので』
「これが本当の白馬の王子様だね！」
『滅相もない、私（わたくし）は従者でございます』

　こうして無事助けられた甘桃は、アマデトと共に脱出したのでした。
「アマデト、わたしお姫様だよね？」
『……さようでございますな』
「それじゃ、次はかわいいものをいっぱい集めに行こう！」
　甘桃とアマデトワールの冒険は、こうして始まったのでした。