携帯戦記カプセルギア・スピンオフ　ゲームの中の大冒険！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア・スピンオフ　ゲームの中の大冒険！

「おー！　スゲーッス！　ゲームの世界にダイブインしてるッス！」
　ゲーム世界に入り込んだ小学５年生の古尾桐子は、歓声を上げました。
「しっかし、ファンタジーな世界観だとトルーパーはなんか浮いてるッスね」
　隣にいる量産型戦闘ロボットタイプのカプギア、トルーパーを見ながら桐子はつぶやきます。
『ソンナコトナイ』
「え？　そうッスかねぇ……ってトルーパーがしゃべったッス！？」
　何気なく返事をした桐子は、トルーパーの言葉を初めて聞いてびっくりしました。
「ほへー、こいつぁビックリッス……」
　驚きつつ、桐子はステータスウィンドウを開きました。
「ま、気を取り直して冒険にでるッスよトルーパー！　ウチらは旅のよーへーって設定みたいッスね」
　あたりを見回すと、遠くに城らしきものが見えます。
「それじゃあ早速売り込みってやつをしてみるッス！」
　城へ向かって歩き出した桐子は、モンスターと戦っているカプギアを見つけました。
　しかし、善戦むなしくモンスターに間合いを詰められています。
「あ、あそこに戦闘でピンチになってそうな人がいるッス！　かれーに助けるッスよトルーパー！」
『ワカッタ』
「いけー！　ローラーダッシュッス！」
　トルーパーは足の裏のローラーでダッシュし、モンスターと、カプギアをかばう白い髪の少年の元にたどり着きました。
「そこだ！　パイルバンカーッス！」
　シュポン！
　圧縮したエネルギーで射出された杭は、見事にモンスターにダメージを与えました。
「グエエエ……」
　モンスターはほうほうの体で逃げていきました。

「無事に敵をおっぱらったッス！」
「危なかった……ありがとうな」
　滝原レオンは桐子にお礼を言いました。
「とーぜんのことをしたまでッス！」
　胸を張った桐子はトルーパーに言います。
「襲われてた人によーへーとして売り込みするッス！　えっと、トルーパーどうやって売り込めばいいッスかね？」
『コーショーハ　マカセロ』
　頼もしい返事が返ってきました。
「じゃあ頼んだッス！　むふー、流石トルーパー、頼りになるッスね！」

　難を逃れたものの、レオンの顔色は冴えません。
　レオンは、うつむいてアタランテーに言いました。
「……ごめん、俺みたいな弱いのがマスターで」
（せめてもっとうまいやつならよかったのに）
　そう言いかけたレオンを、アタランテーは制しました。
『いや、主様はさっき自分をかばおうとしてくれた。その気持ちだけで充分だ』
「そっか……ありがとうな」
　その言葉を聞いて、レオンはそっとアタランテーに触れたのでした。

『カレラハヨウヘイヲ　ヒツヨウトシテイナイヨウダ』
　二人の様子を見ていたトルーパーは、桐子にそう告げたのでした。
「なるほどわかったッス。それじゃあ、他のやとい主を探すッス！」
　桐子は気持ちを切り替えて、周囲を見回しました。

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