携帯戦記カプセルギア・スピンオフ　ゲームの中の大冒険！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア・スピンオフ　ゲームの中の大冒険！

☆ゲーム世界へ

「βテスター当選、やったね！　こういうのってなかなか機会がないし、よーし思いっきり楽しむぞー」
　白真白は早速ゲームにログインしました！
　次の瞬間、違和感と共に周囲の景色が一変していました。
「……あれ？　ここは……え、ゲームの中！？」
（普通にログインしただけなのになんで？　……って神魂かなぁ）
　不思議なことには慣れている真白は、驚いたものの慌てたりはしませんでした。
「まぁ、いっか、これはこれで面白そうだし。よーし、最初の予定通り思いっきり楽しむぞ」
　目の前にはなぜかボタンがあります。
「とりあえず押してみよう、おー、こうしたらウィンドウが出てくるのか」
　ウィンドウには自分の映像と現在位置が表示されています。
「えーと、今あるのは……あれ？　私のネージュリェーツはどこに……あ、このボタンかな、えいっ」
　あたりを見回し、適当にボタンを押してみた真白ですが。
　ピピピピ。
　電子的なノイズに包まれたと思ったら、ウィンドウに映った真白の姿がネージュリェーツになっていました。
『わ、私がネージュリェーツになったぁ！？』
　見下ろせば白い４つ脚、確かに自分のカプセルギアの機体でした。
『ま、まぁゲームの中だしそういうこともあるよね。前にもなったことあるし』
　前回の経験を生かしあっさり立ち直った真白。
　４足歩行を試してみると、勘は鈍っていないようです。
「でもこれでだいたい操作は分かったかな。よーし、それじゃしゅっぱーつ！」
　とりあえず人間に戻った真白は、まずは周囲を探索することにしました。
「あれだよね、山の上とかぱっと見行けそうにないところに行ってみたいよね」

「プレイスタートしたら、なぜかゲーム世界に入っていた……」
　仙藤蒼は驚きつつ自分の姿を見ました。
「衣装もなんかファンタジー世界っぽい……けど、これって」　
　勇者の格好というより、どう見ても村人でした。
　そして普通のファンタジー世界と違うのは、自分の隣にゴーレム風のカプギアがいることでした。
「Diablo Azulなの？」
　ゴーレム風になってはいますが、大砲を二門肩に装着しており、ボディカラーもオリジナルの時と同じ青一色です。
「何持ってるの？　……って水を汲んでるのか」
　あたりは草原で、自分の近くには小屋がありました。
　メエエー。
　のどかにヤギの声が聞こえてきます。
「そうか、私の仕事を手伝ってくれてるのね？」
　こんな平和な暮らしもいいかな、という気分になりながら蒼がヤギたちに水を持っていこうとしたとき。
　鳥が一斉に飛び立ちました。
　そして、地響きと共にそれは現れました。
「モンスター？！」　
　突然のモンスターの襲撃に、蒼はたちまち臨戦態勢に入ります。
「村人からスタートって……かえって燃えちゃうかも。Diablo Azul、行くわよ！」
　根っからのゲーマー気質な蒼なのでした。
　ズバーン！
　Diablo Azulのキャノン砲で、モンスターは吹き飛ばされました。
「やったあ！」
　その時、ファンファーレと共に目の前に、何か画面が開きました。
「何これ……クラスチェンジ？　冒険者？！」
　どうやら今の戦闘で、蒼は村人から冒険者へ思わぬクラスチェンジを果たしたようでした。

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