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BOOK BAR「百一」
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城山 水樹
と
ヒュー・ヒューバート
は夜の寝子島デートを楽しんでいた。ご飯を食べ、近所を散策しているうちに、「百一」を見つけて入ってみることにした。
「いらっしゃいませ」
狭い店内に入ると、マスターが二人を出迎える。城山は、幼い頃から慣れ親しんだ匂いにどこか安心感を覚えていた。それと共にほんのり香る酒の匂い。ここが良い店であると、雰囲気で直感した。カウンターに二人並んで座り、本棚を見る。
「いい雰囲気のお店ね」
「そうだね、入ってみて良かった」
顔を近付けて囁くように会話を交わしながら、二人は本棚の背表紙を眺めていく。城山がどこかリラックスした様子を見せているのに、ヒューバートは彼女が古本屋の娘であることを再確認した。ここは彼女にとって落ち着く場所なのだろう。
「ねえ、これ、うちで買った本よ。背表紙の傷に見覚えがあるもの」
そう言って城山は一冊の本を取り出す。世界の珍しい昆虫が並べられた図鑑。背表紙についた傷は、確かに見覚えのあるものだった。
「そうなんだ。水樹の家で買った本もあるんだね」
「ええ、これも多分、そうだと思う。見覚えがあるから」
城山が指差す先の本を眺めながら、ヒューバートは頷く。それと同時に、よく本を見ているのだなと感心した。
「これだけあると、目移りしちゃうわね」
「そうだね、水樹は、どれにする?」
「そうね……あ、これにしようかしら」
そう言って城山が手に取ってぱらぱらとめくっていたのは古びた外国の絵本。表紙には可愛らしい子供の姿が書かれている。パステル調の、優しい色合いだった。
「僕は……そうだな、これにしようかな」
「ヒューらしいわね」
モノクロの写真集を手に取ったヒューバートを見て、水樹がくすくすと笑う。口元に手を当てて小さく笑う顔が可愛らしく、愛おしかった。
二人で席に戻ると、メニューを眺める。定番のお酒から、創作カクテルまで充実しているようだった。
「もしよろしければ、そちらの本をイメージしたカクテルも作れますよ」
カウンターの中からマスターに声を掛けられ、二人は顔を見合わせる。
「じゃあ、そうしてもらおうかしら」
「僕もそうしてもらおうかな。せっかくだから」
二人して頷き、注文をする。
顔を寄せ合って他愛ない話に花を咲かせているうちに、カクテルが二人の前に差し出された。
城山の前には、萌黄色をしたカクテルにライムが乗ったもの。ヒューバートの前には透明な液体の上に、薄くカットされたカクテルフルーツが乗せられたもの。
「どうぞ、お召し上がり下さい」
二人で目を合わせ、軽くグラス同士を合わせて乾杯をする。
「あら、飲みやすい」
「うん、美味しい。柑橘の風味がよく合ってる」
二人で酒に関する感想を呟くと、本の表紙をめくる。
酒を楽しみながら、本に視線を向けたまに会話を交わす。その時間が幸せだった。
「そういえばね、さっき結構な稀覯本を見たんだけど。あれ取り扱いが大変なのよ。触る時は脂がつかないように手袋しなきゃいけないし、湿度も一定に保たなきゃいけないし」
「そうなんだ。さすが。古本屋の娘さんだ」
「でしょ? 尊敬してもいいわよ、なんて」
悪戯っぽく笑う城山に、ヒューバートもつられたように笑ってみせた。この時間が何よりも楽しかった。
城山は絵本に、ヒューバートは写真集に、二人して没頭している。会話がなくとも楽しいのは、お互いが隣にいるからだろう。
「あ、この写真、好きだな」
「どんな写真? あ、いいわね」
ヒューバートがそう呟くと、城山が隣から写真集を覗き込んだ。モノクロの街の風景に、手前にオレンジが一つだけ落ちている写真だった。ヒューバートはカクテルフルーツをつまむと、その写真を見つめて思いを馳せる。酸味と、ほんのりとした甘さが口の中で弾けた。
「ヒュー、その本、私にも見せて」
「うん、じゃあ水樹が持ってきた本と交換しようか」
そう言って本を差し出すと、再び二人は本の世界へと没頭する。相手が選んだ本を読むことで、相手のことをまた一つ知れる気がした。
酒で喉を湿らせながら、流れるジャズを聞きつつページをめくる。城山が選んだ本は、小さな少年が友達を見つけ、二人で仲良く過ごしていくという内容だった。小さな男の子と女の子、二人に自分たちを重ねてながら、ヒューバートはその内容を楽しむ。最後は二人仲良く手を繋いで空を見上げているシーンだった。
「水樹」
思わず、恋人の名前を呼んだ。
「なあに?」
名を呼ばれると、城山は本から目を離してヒューの方へ視線を向ける。そして、カウンターの下でそっと手を握った。酒のせいか、城山の手はほんのりと熱い。
「ヒューったら」
ふふ、と笑って、城山は軽く手を握り返した。少しの間そうしていて、どちらからともなく手を離す。
「他の本を見てくるわ」
「うん、いってらっしゃい」
そう言って水樹が立ち上がる。その背中を見送り、ヒューバートはグラスを傾けた。城山が次に持ってきたのは、海外の風景が収められた写真集だった。
「ヒュー、これ、良かったら一緒に見ましょう」
「ああ、いいね。見ようか」
二人の間に本を置き、ページをめくる。日本とは趣の違った風景を二人で楽しんだ。
時間がゆったりと流れていく。美味しい酒と、二人の間に広げられた本。こういう静かな夜も良い、と二人とも同じことを考えていた。視線が重なると小さく笑い合う。二人の時間は、こうして深まっていく。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
青崎灰次
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月04日
参加申し込みの期限
2019年03月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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