暑い時の遊び方｜リアクション

暑い時の遊び方

「うひぃー、今日も暑いなぁ」

　地上に存在するありとあらゆるものに燦々と降り注ぐ日光。それを少しでも軽減させるかのように前の前に手の平を掲げ白真白は怠そうに呟く。
　体質によりおむつが手放せない真白だが、それによって蒸れておりより一層辛い状態となっていた。かと言って、スカートを扇いでも正に焼け石の水であり、劇的に改善されるという事はない。
　
　そもそもの話、身体全体から流れている汗によってシャツもスカートも肌にべったりと貼り付いてしまっているのだから、乾かすのすら一苦労だろう。
　真白の場合、おむつ以外にもあまりにも成長している大きな胸もまた蒸れを気にしなければならない。
　その大きな胸にシャツが貼り付き普段よりも身体のラインが出ている上に、かなり透けていたりもするのだがそれを気にするだけの余裕すらないようだ。

　消耗品のストックが切れかけているものがある為、真白はこうして外へと買い出しに出たわけだが店までの距離はそれなりにある。
　こんな事ならば、この時間帯に出かけるのではなくもう少し日が落ちて涼しくなってからにするのだったと今更ながらに真白は後悔中だった。

「うーん、でも、流石にちょっと辛いなぁ……。よし、もうちょっと涼しくなるまでどこかに退避しよっと」

　一度出かけた以上は家に戻るという選択肢を取りたくなかった真白は、ならばとどこかで時間を潰す事にしたようだ。
　夕方になれば恐らくは多少マシになる筈だと考えての事だ。

「問題はどこで涼むかって事なんだけど……。あ、あそこなんかいいかも」

　どうするか悩む真白の前に見えたのは喫茶店らしきお店。正しく涼むには丁度良いと言えるだろう。
　考える必要は特になしと真白はドアベルを鳴らしてその店の中へと入って行くのであった。

「はー、涼しいー。生き返るよ～」

　冷たい水が入ったコップを傾け、リラックスしながら店の中を見渡す真白。
　混み具合はほどほどといったところ。このお店の事を詳しく知らないので普段と比べて多いのか少ないのかは真白には判断が付かない。
　ただ、中には真白同様に汗を流している人もいるところから、あまりの暑さにここに避難してきた人もいるようであった。

　だが、それでもほどほどの混み具合ではあるので、多少の長居をしても大丈夫そうである事に真白は安心する。
　ここから更に別の避難先を見つけるとなると、それなりに苦労する事は間違いないだろう。

「それじゃ何注文しようかなぁ。メニューメニューっと」

　店内の様子を観察し終わった真白は何か注文をすべくメニューを手に取る。
　喫茶店内の冷房によって大分涼んできたとは言え、それでもまだまだ身体は火照っていると感じるので真白は何か冷たいものが良いと考えていた。

「ふむふむ……。あ、このアイス美味しそう！　うん、これにしよう！　すみませーん」

　飲み物とデザートのページを見てみると、そのページにあったアイスクリームに心惹かれたようで真白はアイスクリームとアイスティーを注文するのであった。

「お、来た来た！　いっただきまーす」

　暫く待つと注文したアイスクリームとアイスティーが運ばれて来たので、早速スプーンでアイスクリームを掬って口に運ぶ真白。

「んー！　冷たくて美味しい！」

　アイスクリームが冷たいのは当たり前だが、今日の様な日に食べるアイスクリームはより一段と美味しく感じるのかすっかり真白は満面の笑みとなっている。
　暑さによって火照った身体も、冷房の風とアイスクリームによって冷まされていき、段々と落ち着いて行く。

「このお店初めて来たけど結構当たりかも」

　雰囲気もかなり良く、アイスクリームとアイスティーのどちらも中々に真白の好みと言えるようだ。
　これなら今後もたまに来ても良いかもしれないと思えるくらいには好評なようである。

「それじゃもう少し外が涼しくなるまでソシャゲでもしながらここでのんびりしてよっと」

　自らの携帯機器を取り出し、暫くこの店に厄介になるつもり満々の真白であった。

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