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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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【星幽塔】第九階層 サルベージ！
●沈没船の中にあったもの
もともと、今回のサルベージの依頼は、金属の欠片が複数打ちあがって、組み立ててみたらロボットの腕のような代物だったことから始まっていた。
この船の中に、残りの部分があるのではないか。
もしもそれがロボットだとすると、星幽塔の第九階層としては時代錯誤のもの――『オーパーツ（場違いな工芸品）』なのではないか。
沈没船が無事引き上げられた今、そんな期待が第九階層のアステリズムであるピエロットはじめ、冒険者たちの表情に浮かんでいる。
薄暗い船内。
天井までびっしり着いた藤壺。
ぴちょん、ぴちょんと垂れる水滴。
「漁船、のようだけどね」
船内を見渡し、サキリがつぶやく。
船室の隅に、藻と藤壺で黒緑色になった細長い塊がある。大きさはちょうど、大人の男性くらいだ。
「なんだろう」
修が、しゃがみ込んで、塊にこびり付いた藻を手でぬぐうと、現れたのは錆びた金属の顔だった。
顔には継ぎ目のラインが入り、瞼はなく、眼球も金属製。
「きゃ！」
桜は気味悪がって後ずさる。人に似たものが目を見開いたままというのは、死体に似て、ちょっと不気味なものだ。しかし、ピエロットや修をはじめとした男子諸君は、目当てのものの発見に感激した様子でさらに藻や藤壺を掻き落とす。思った通り片腕はない。しかし、それ以外はすべて残っている。
「浪漫だねー！ うまいこと組み立てられるかなー？」
真白は男子たちに交じって目を輝かせている。
「名作映画の『スターニャーズ』に出てくるN-3POみたいだねー」
映画に出てくる二足歩行する金属ボディの人型ロボットの名が真白の口から飛び出すと、修も目を輝かせた。
「間違いなくロボットだ。ドロイドとかオートマトンと言ってもいいけど。自律していたんだろうか」
右目に手を当て、宿した幻視の光を発動させる。
海が見えた。
この第九階層の海だ。
眩しい青の世界を目にして嬉しい、という感情を感じた。
髭面の中年の男が『どうだ？』と聞く。憧れの海を見ることが出来て嬉しい、と答える。
『船長ありがとう』
『なに、こっちこそ珍しい交易の手伝いをさせて貰って有難いさ』
『はい。こちらの人々とよい取引が出来ることを期待しています』
このロボットはどこか遠くから来た商人かなにかで、交易のためにこの船に乗ったようだ。
どうやら他の船は、ロボットの彼のために船を出すことを渋ったらしい。
『あなたのようなよい人と出逢えて幸せです』
「……これは……このロボットの記憶？」
シーンが変わる。
嵐だ。
飛沫と雨が横殴りにぶつかってくる。
波は大きく盛り上がって繰り返し繰り返し襲ってくる。
船体はジェットコースターのように急上昇、急降下する。
船長、と呼ばれた髭面の男が必死に船を操っている。
世界が覆われるかというような、ひときわ大きな波が船に覆いかぶさった。
『船長！』
叫ぶも、船長の身体は海の中に投げ出され、あっという間に波に揉まれて消えてゆく。
刹那ののち、船もまた、船長と同じ運命をだどった。
――映像が途切れる。
「ピエロット」
見た記憶を皆に話し終えた修は、言った。
「彼を整備させてくれないか？」
ピエロットはもちろん、と頷いた。
「そういう仕事をするなら隠し階層・工房『クレイドル』が適切だろうね～。あそこならアステリズムの会議場にもなってるし、みんなの知恵を借りることもできるよ～」
そのとき、熟練の盗賊、ティオレが何かを発見した。
「ねえ、みんな、これも見てくれない？」
船室の床下収納の奥、水の被害を免れた空間に納められていたのは、木製の箱だった。
蓋がアーチ状で金属の鋲が打ってあり、いかにも宝箱といった風情だ。
両手で抱えるとずっしりと重く、期待が膨らむ。
装飾の付いた金属の南京錠が掛かっていたが、幸いほとんど錆びておらず、ティオレが携帯していたピッキングツールを差し込むと、あっという間に「かちゃん」と開いた。
「なになに？」
「何が入ってるんでしょう？」
メリィとリリエルが身を乗り出して覗き込む。
果たして中に入っていたのは――
「なんだろ、これ……？」
使い方の良く分からないジャンク品のようなものだった。
「もっとあるよ」
宝箱はいくつもある。
次々に開けられた宝箱の中身は、綺麗に詰められた機械のようなものだったり、部品のような金属片だったり、楽器のようなものだったり。
「これが交易品、だったのかな」
桜は、星型のナットのような綺麗な金属パーツを手に取り、遠い過去、この海に来たロボットの商人に思いを馳せた。
「このデザイン、好みだから今度自分でアクセサリ作る時の参考にしよう」
もともと、今回のサルベージの依頼は、金属の欠片が複数打ちあがって、組み立ててみたらロボットの腕のような代物だったことから始まっていた。
この船の中に、残りの部分があるのではないか。
もしもそれがロボットだとすると、星幽塔の第九階層としては時代錯誤のもの――『オーパーツ（場違いな工芸品）』なのではないか。
沈没船が無事引き上げられた今、そんな期待が第九階層のアステリズムであるピエロットはじめ、冒険者たちの表情に浮かんでいる。
薄暗い船内。
天井までびっしり着いた藤壺。
ぴちょん、ぴちょんと垂れる水滴。
「漁船、のようだけどね」
船内を見渡し、サキリがつぶやく。
船室の隅に、藻と藤壺で黒緑色になった細長い塊がある。大きさはちょうど、大人の男性くらいだ。
「なんだろう」
修が、しゃがみ込んで、塊にこびり付いた藻を手でぬぐうと、現れたのは錆びた金属の顔だった。
顔には継ぎ目のラインが入り、瞼はなく、眼球も金属製。
「きゃ！」
桜は気味悪がって後ずさる。人に似たものが目を見開いたままというのは、死体に似て、ちょっと不気味なものだ。しかし、ピエロットや修をはじめとした男子諸君は、目当てのものの発見に感激した様子でさらに藻や藤壺を掻き落とす。思った通り片腕はない。しかし、それ以外はすべて残っている。
「浪漫だねー！ うまいこと組み立てられるかなー？」
真白は男子たちに交じって目を輝かせている。
「名作映画の『スターニャーズ』に出てくるN-3POみたいだねー」
映画に出てくる二足歩行する金属ボディの人型ロボットの名が真白の口から飛び出すと、修も目を輝かせた。
「間違いなくロボットだ。ドロイドとかオートマトンと言ってもいいけど。自律していたんだろうか」
右目に手を当て、宿した幻視の光を発動させる。
海が見えた。
この第九階層の海だ。
眩しい青の世界を目にして嬉しい、という感情を感じた。
髭面の中年の男が『どうだ？』と聞く。憧れの海を見ることが出来て嬉しい、と答える。
『船長ありがとう』
『なに、こっちこそ珍しい交易の手伝いをさせて貰って有難いさ』
『はい。こちらの人々とよい取引が出来ることを期待しています』
このロボットはどこか遠くから来た商人かなにかで、交易のためにこの船に乗ったようだ。
どうやら他の船は、ロボットの彼のために船を出すことを渋ったらしい。
『あなたのようなよい人と出逢えて幸せです』
「……これは……このロボットの記憶？」
シーンが変わる。
嵐だ。
飛沫と雨が横殴りにぶつかってくる。
波は大きく盛り上がって繰り返し繰り返し襲ってくる。
船体はジェットコースターのように急上昇、急降下する。
船長、と呼ばれた髭面の男が必死に船を操っている。
世界が覆われるかというような、ひときわ大きな波が船に覆いかぶさった。
『船長！』
叫ぶも、船長の身体は海の中に投げ出され、あっという間に波に揉まれて消えてゆく。
刹那ののち、船もまた、船長と同じ運命をだどった。
――映像が途切れる。
「ピエロット」
見た記憶を皆に話し終えた修は、言った。
「彼を整備させてくれないか？」
ピエロットはもちろん、と頷いた。
「そういう仕事をするなら隠し階層・工房『クレイドル』が適切だろうね～。あそこならアステリズムの会議場にもなってるし、みんなの知恵を借りることもできるよ～」
そのとき、熟練の盗賊、ティオレが何かを発見した。
「ねえ、みんな、これも見てくれない？」
船室の床下収納の奥、水の被害を免れた空間に納められていたのは、木製の箱だった。
蓋がアーチ状で金属の鋲が打ってあり、いかにも宝箱といった風情だ。
両手で抱えるとずっしりと重く、期待が膨らむ。
装飾の付いた金属の南京錠が掛かっていたが、幸いほとんど錆びておらず、ティオレが携帯していたピッキングツールを差し込むと、あっという間に「かちゃん」と開いた。
「なになに？」
「何が入ってるんでしょう？」
メリィとリリエルが身を乗り出して覗き込む。
果たして中に入っていたのは――
「なんだろ、これ……？」
使い方の良く分からないジャンク品のようなものだった。
「もっとあるよ」
宝箱はいくつもある。
次々に開けられた宝箱の中身は、綺麗に詰められた機械のようなものだったり、部品のような金属片だったり、楽器のようなものだったり。
「これが交易品、だったのかな」
桜は、星型のナットのような綺麗な金属パーツを手に取り、遠い過去、この海に来たロボットの商人に思いを馳せた。
「このデザイン、好みだから今度自分でアクセサリ作る時の参考にしよう」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年02月25日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年03月04日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年03月04日 11時00分
