星幽塔第九階層は大海原に幾つもの島々が浮かぶ青い世界。
百岳 甘桃は、交易船『アルゴー』の甲板で青い世界に向かってうーんと伸びをした。
気持ちのいい潮風。
船と並走するように飛ぶ、純白のカモメたち。
隣には、金の髪を海風に靡かせた冒険者
ルーク・ポーラスターが、海みたいに青い瞳を煌めかせている。
今回の依頼主は『アルゴー』船長でおひつじ座のアステリズムでもある
ピエロット・アリス。
羊の角を生やした眠たげな青年の依頼は
『沈没船のサルベージ』である。
「実はねえ、近くの島に不思議なものが漂着したんだ」
ピエロットがみんなに見せたのは錆びた銀色の筒状のもの。
大きさはちょうど大人の男性の人差し指くらい。
「最初はなんだか分からなかったんだけど、次々と似たようなものが打ち上げられてさ。集めて見たら……」
船長室のテーブルの上には、組み立てられた腕のようなものが出来上がっている。
「ロボットの腕みたい!」
甘桃は直感で思ったことを言ってみた。
ピエロットは頷き、
「こんなものが海で見つかったのは初めてなんだ。オーパーツだよぉ。ワクワクすると思わない?」
と目を輝かせる。
「出来れば体全体を見つけて復元したいと思って調査していたところ、この先の海域に沈没船があることが分かってねえ。潮の流れから判断してあやしいと思って潜水夫たちを雇ったんだけど……」
「何かあったの?」
「
肉食の海獣・ダンクレオステウスの生息域だったんだよ。潜水夫たちはパクリ、喰われそうになって大慌て。二度とここには潜りたくないっていうんだよお」
「あらら。それで冒険者を雇ったんだね」
「うん。君たちなら、沈没船をサルベージできるんじゃないかと思ってね。ここだけの話、こんなオーパーツがあるくらいなら、
ほかにもお宝を積んでる可能性も高いと思うんだよねえ」
ダンクレオステウスは沈没船のあたりを棲み処にしているらしくて、潜水夫たちでは近づけないという。
「
なんとかダンクレオステウスの目を掻い潜って、沈没船をサルベージしてもらえないかなあ?」
ルークは任せろ、と胸元を叩いた。
「『勇者の心得その20、勇者は海のように大きな勇気を持て!』だ。やろうぜ!」
こんにちは。笈地 行(おいち あん)です。
ガイドにご登場いただきました百岳 甘桃様、ありがとうございます。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをどうぞです。
状況
海洋生態系の上位に位置する巨大肉食魚・ダンクレオステウスを掻い潜って、
沈没船のサルベージを成し遂げよう!
●沈没船
木造の小型漁船。全長約7メートルで、小さな屋根付きの船室がある。
深さは20メートルほど。ギリギリ息を止めて潜水もできる。
海底の砂に半分埋まっている。
ピエロット・アリスは、出来れば船を丸ごと引き上げたいと思っている。
この海域は豊かな海で、ダンクレオステウスのほかにもさまざまな海の生物が生息しています。
地球では見られないような美しい珊瑚礁や不思議な海の生き物も見られるかも?
●ダンクレオステウス
体長9メートルほど。
甲冑のように硬く重い装甲板のような強靭な顎をもち、他の動物を襲って食べる肉食魚。
顎に歯はないが、プレート状に発達した強靭な顎で噛み千切る。
人間サイズの生き物は捕食対象。
地球では古生代デボン紀に生息していたものの絶滅したが、
星幽塔ではまだ生息している。
海底を這うように泳いでおり、動きは緩慢ぎみ。
アクション
ろっこん、星の力、知恵、仲間の協力など駆使して、
沈没船を引き上げてください。
海の世界なので、船は簡単に手に入ります。
『アルゴー』以外の船を用意することもできます。
人手が必要であれば、雇うこともできますが、
ダンクレオステウスを怖がっているので、海に一緒に潜ってくれたりはしません。
星幽塔は中世に近いファンタジー世界です。
木材やロープなど中世にもありそうなものはあります。
巨大電動クレーンなど20~21世紀の発明品はありません。
水中での呼吸・会話について。
水中で1時間ほど息ができる水中呼吸薬があります。
海中での会話も出来るものとします。
<持ち物>
寝子島から機械などの持ち込みは難しいです。
ほしびとが体、衣装、持ち物が現代日本に相応しいものに変わってしまうのの逆で、
現代日本のものは、星幽塔に相応しいものに変わってしまうことがあります。
衣装とアイテムの持ち込みについては下記をご覧くださいませ。
星の力
星幽塔にいると、星の力 と呼ばれる光が宿ります。
★ 基本的な説明は、こちらの 星の力とは をご確認ください。
星の力やその形状は、変化したりしなかったりいろいろなケースがあるようですが、
このシナリオの中では変化しませんので、このシナリオではひとつだけ選んでください。
ひとともれいびにはひとつだけですが、
ほしびとには、第二の星の力(虹)もあります。
★ 虹についての説明は、こちらの 第二の星の力 をご確認ください。
アクションでは、どの星の光をまとい、その光がどのような形になったかを
キャラクターの行動欄の冒頭に【○○の光/宿っている場所や武器の形状】のように書いてください。
衣装などにこだわりがあれば、それもあわせてご記入ください。
衣装とアイテムの持ち込みについて
塔に召喚されると、衣装もファンタジー風に変わります(まれに変わってないこともあります)
もちものは、そのPCが持っていて自然なものであれば、ある程度持ちこめます。
※【星幽塔】シナリオのアクション投稿時、作物・装備品アイテムを所持し、
【アイテム名】、【URL】を記載することで、
シナリオの中で作物(及びその加工品、料理など)・装備品を使用することができます。
※URLをお忘れなく!!!
※オーダーメイド装備品について
鍛冶工房のトピックを経る(またはシナリオなどで得る)場合のみ
アクション冒頭で指定した星の力とは別に、装備品固有の《特殊効果》が認められます。
アイテム説明欄に、トピックでの完成時の書き込みURL・シナリオ入手時のURLを記載してください。
例:http://rakkami.com/topic/read/2577/2116
それではみなさまのご参加を心よりお待ちしております!