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木漏れ日染め
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✿*゚¨゚✿
ようやくヒトの世の仮姿を休めることができる。
今にもそう告げそうな程に悠然と、厳かに、森の精霊が水辺を統べる。
もとい、星ヶ丘寮プールサイドにて。今学期最後の学校でのイベントたる終業式を終えた翌日たる現在、
三宅 葉月
は薄絹な衣を纏った身でまさに沐浴でもおこなおうとしている所であった。
つまり、暑かったのである。
見た目には室外の温度を感じているのだろうか? といったあまりに涼し気で眉一つ動かさぬ表情であるが、五感が正常に機能していれば当然この暑さを凌ぐ手段を考えるわけで。
まだ太陽も昇りきっていない午前中から、葉月はプールへと足を向けた。
大輪の花と星屑に戯れる蝶が浮かぶパレオをはらりと脱ぐと、瞬く間に水の中へと身を沈めた。
そうして暫し、時間を忘れるようにただ泳いだ。
泳ぎ疲れたのか、もしくは水の精たちとの語らいを終えたのか、唐突に高貴なる森の精は水から上がればそのまま木陰の下へ。
備え付けられたチェアにその身を横たえると、待ちかねたようにそよ風が、暑さから守るよう濡れたその肌へ吹き抜けた。
涼しさに一瞬細めた翠の瞳に、緑の葉が映り込む。
風と植物が、森の精の心の底を囁きかけるよう揺れ動かす。
―― ……経営者としては祖父に及ばず、娘は芸術面での才能を祖父から受け継いだことに、身を焼くほどの嫉妬と憎悪に苛まれている、哀しき人──それが、私の父。
瞼も、眼球すらも微動だにさせず、ただただ葉の影を映す。
影は瞳の奥で人の形をとる。暗く、昏く、黒い炎のように煮えたぎる揺らめきと共に。
それは彼が身の内に囲う毒。
同じDNAを受け継いだことが俄かに信じられない、……否、同じDNAを受け継いだからこそ、その暗く澱んだ精神から滲み出る毒を葉月は理解できたのだろう。
―― 私自身にも彼の遺伝子が受け継がれている。
それはつまり、父が持つ精神の毒を私もまた受け継いでいる、ということ。
おそらく祖父もその毒をもっている。
す、と音も無く葉月の手が伸ばされた。自身の顔と、そこに落ちる影との間に。
木漏れ日当たらぬ、影に覆われた手のひらを、その奥を、透かすように見つめそしてポツリと溢す。
「……私の“毒”はきっと、私の子供たちにも受け継がれる……」
近いか遠いかは分からない将来……もしも子を宿し産んだとしたらば、娘であれ息子であれそれは己の遺伝子を継ぐもの。毒を受け継ぐ者……意志に関係なく受け継いでしまう者。
今まで、自らが定めた道を迷うことなく見据えていた瞳に、微かな揺らぎがみえた。
祖父はおそらく、その「毒」を文学者として、あるいは経営者としての才覚を開くための鍵として使うことができた。
―― 私も祖父と同じことができた。でも、父は……
手のひらが落ちる。
毒に飲まれてしまった、毒に敗北した人影が葉月の脳裏にくっきりと浮かんだ。
まだこの身に降りかかってはいないけれど。いつその毒が自身に向けられるか、葉月は覚悟をとうに決めていた。
―― 私の道はもう決まっているから、突き進むだけ。
「けれど、その先は……?」
言霊のように空気に響いてとけた。
囁き漏れた言の葉を追いかけるように動いた視線の中に、ふと緑の影の中に何かを見つけた。
「……花……?」
初めて今自分がいる木陰、それを作ってくれている植物を意識して捉える。
百日紅? 木肌を見ればそう思えたけれど、視線の先で開く花びらの色が葉月の首を微かに傾げさせた。
影に居る花からも、それが鮮やかな紫であるのが見てとれる。
風に揺れれば光があたり、その表面がきらきらと艶めいて紫水晶のよう。
吸い込まれるように花と見つめ合った。
意志を、心を、魂ごとまるで導くように、陽射しを受けた花びらは葉月の瞳の中で煌めいて。
己の決めた道をゆく、その思いに迷いは無い。……つもりだった。
歩んだずっと先に何が待ち受けているのか、それは誰にも分からない。
不安に思わぬものの方がきっと少ないのだろう。
当然であるはずの事柄を、改めて思い出した気がすれば、森の精の唇が動いたように見えた。
そこから音が発せられはしない。
しかし葉が動いたからか、いつしかそこに木漏れ日が差し込んで、口元にはあの花のように艶が浮かんでいた。
百日紅は風と共にささやく。
葉月の未来にではなく、今ここに居る高貴なる意志持つ人へ、祝福を贈るように。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月05日
参加申し込みの期限
2019年02月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年02月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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