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木漏れ日染め
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✿*゚¨゚✿
「あづーい……こずえちゃんとのお出かけは楽しいけど、この気温は頂けないねぇ」
「暑いですねー。セミの声がいい感じに暑さを助長してますよね。
アスファルトに逃げ水が見えますよ……うえー」
「水に見えるから、視覚だけでも涼とれるかと思いきやー……なんだろねぇ、
この現象自体がもう異常だからかなぁ、ただただ余計に暑く感じるよねぇ」
「逃げてく様が干上がってくみたいで、焼けちゃいそーです」
肩を並べてスローペースに道をゆくのは、現寝子高生な
屋敷野 梢
とすでに卒業し大学に通う
壬生 由貴奈
。
共に夏休みとなれば、先輩後輩に囚われぬ友情の下、こうして遊びに繰り出したわけであったが。
暑い。
本日は連日の猛暑に輪をかけたように暑かった。
見える範囲内に入れそうな喫茶店なども発見できぬ、となれば、求めるのはせめてもの木陰。
「ちょっとそこの木で休憩しよー」
「賛成でーす」
手近な所に二人入れそうな、葉の屋根茂らせた木の下へ同時に入り込めば、また同時に溜息が漏れた。
「ふぅ、ちょっと涼しくなったー」
「木陰に入るだけで大分マシになりますね!」
「この木ってなんだっけ、えーと……そうそう、百日紅」
「よく聞くのはサルスベリでしょうかー。相変わらず良いつるつる具合です」
二つあった太くひんやりした幹へ、それぞれが寄りかかれば心地よい沈黙のひととき。
決してお互いが無理に言葉を放ったり、会話を促したりすることはない。
こうして同じ景色、同じ時間を共有しているだけで楽しめる関係を育んでいるから。
だから、唐突に由貴奈が紡ぎ出しても一切気にする事無く、梢は当たり前のように受け止めた。
「何でかねー、こずえちゃんと初めて会った頃のことが浮かんできたよぉ」
「壬生先輩と最初に出会ったころ……あのゲームの時ですねー」
「そーそー」
言葉にしては浮かんで来る、二人で怪盗となった日の出来事。
「あの時はゲームの中で、一緒にチーム組んでお宝奪おうと頑張ったよねぇ」
「婦警さんのコスプ……変装、楽しかったですねー」
「ほんとはその後すぐ警備員さんにコスプ、変装する予定だったけどねー。
こずえちゃんの機転のおかげで上手くいったよぉ」
「壬生先輩の判断力と応用力ほどじゃないですけども」
クスクスと小さな声を合間に響かせながら、『そういえば、そのときは変装するからって偽名使ってたっけ』とまた思い出せば、小柄な梢へ同じ高さな視線で合わせるように、由貴奈はくりんっとした瞳で覗き込んで。
「こずえちゃんは"エツコさん"、今でもしっかり覚えてるよぉ」
「私も覚えていますよ、ユウキさん!」
それぞれが『キノシタ エツコ』『ユウキ ミウ』と名乗った事は、未だ色あせない楽しい思い出。
合わせていた目を、梢は葉の間から覗く青空へと動かしながら。
「本当は、結構緊張してたんですよねー」
「おー? そうだったのぉ?」
「でも、すっごく優しくて、頼りになる人ですっごく助かりました!」
「うちは、さいしょっからこずえちゃん、話しやすかったよぉ。
だってイイコってすぐに分かったもんー」
照れますね! なんて、キュピーンと白い歯を見せ笑顔を向けてからも、遠くを振り返るように梢は言葉を続けた。
「いろいろゲームしましたよねー。
敵か味方かわからない状況でも、壬生先輩なら無意味な裏切りがないって
信頼できたから、そういう状況でも協力できたりしましたよね」
「共同戦線も張ったりねー。
ゲームだし、勝ちたいときだけ勝てればいいかなーって思ってたけどー……
でもぉ、勝つんだったらより盤石にー、とも考えてたから。
こずえちゃんが一緒の時は、ほんとーに頼もしかったんだぁ」
「私は基本、全て勝ちにいってましたからねっ。また一緒に戦いたいですね!」
今更に思えるあの頃の胸の内を、けれど今だからちゃんと相手に伝えたい。
なんだかいつも以上に素直になれる気がする今だから。
お互いの言葉へ、うんうんと頷きながら。
由貴奈も梢が見つめる青空の向こうを見上げた。
「マイスターでは何度も顔を合わせたけど、寝子島でちゃんと出会えたのは
もうちょっと後だったよねぇ」
「街でばったり会ったんですよね。そのあと初デートでしたねー」
「ねー。一緒に温泉入ったときもあったねー」
懐かしくなっちゃうなぁ、と空へ囁く由貴奈の横顔へ
梢はニパッと笑顔を向ける。
「卒業しても、いまもこーして遊べたりして、とっても嬉しく思いますよー!
ウェーイ☆な大学デビューされてなくて、一安心ですー」
「そぉだねぇ、今のところねー」
「いまのところ!!」
冗談も混じらせ笑い合ってから。
「もし最初にあのゲームの中で出会ってなかったら、今もただの他人だったのかなぁ」
梢にというより、自身へ、空へ、自問自答するようなそんな呟きが由貴奈の口から零れ出た。
キョトンと一度した後。
風でふわりとなびく柔らかそうな紅茶色の髪を見つめてから、再び上を見上げ梢も考えてみる。
「あのゲームで出会えてなければ、ですかー……。
うーん、どーなってたでしょーね……」
お互い大切で大事だからこそ『もしも』の姿が中々想像できず、こてんと倒した首につられ
三つ編みが揺れる。
紡いだ当人たる由貴奈も、暫し「うーん」とくぐもった声を発していたが、それ程間をあけずに
思いついたままに唇を動かした。
「……なってみないと分からないだろうけど、あの邂逅はとっても大事なものだったんだなーってことは確かだよぉ。
こずえちゃんみたいな大事なお友達、そうそう出会えないからねぇ」
「私もそう思います」
―― 本当に、壬生先輩が言うとストンッて信じられるんですよねぇ。
へにゃりと伝えられたコトへ、とてもすんなりと返答した自身に梢はどこか客観的に胸の内で呟く。
梢の心の奥底にも、未だ疼く傷跡が揺蕩おうように沈んでいる。普段忘却していてもふとした切っ掛けで浮上するそれは、梢も自覚しそのたび受け止めている。
かけがえのない存在はいらない。私がその存在に干渉することで、起こりうることはもう見たくないから。
そうやって何度も己に確認してきた、けれど。
由貴奈に対して応える自分は、日頃の虚勢を脱いでいるのではないだろうか、と時々思う。
なんでしょう、空気清浄機のようですね。
難しいことは何も気にせず、一緒に居れば自然体となれる、ともかくもそういうお友達なのだと今はすんなり認める心へ、胸の内で梢は微笑んだ。
素直に言の葉にしてくれた梢へ、由貴奈も慈しむように瞳を細める。
―― あー……こずえちゃんに出会えてよかったなぁ。
ぽかぽかと心に灯る温もりを感じた。
と同時に、一瞬、ほんの一瞬『もしも』の世界が由貴奈の脳裏を駆け抜ける。
呼吸しやすい澄んだ空気のような存在。それが突然消えた感覚。
―― ……さむい。
胸にあったはずの灯火が急に掻き消えて、発作のように時折訪れるあの虚無感を覚えて、微かに身震いした。
そんな由貴奈の耳に、温もり纏った声音がまた届けられた。
「でも、縁っていうのはあるのかな、って思ってます。
なんていうんでしょうか。もしもパラレルワールドがあったとしたら、
壬生先輩とはいつかお友達になれてるような気がします」
酸素生み出す翠と同じ色した瞳で空を仰いだまま、梢は発する。
風船のように、ふわりと飛んでいってしまいそうなほどに、とても軽い調子で。
「まったく確証はありませんが、
もしも、神様が落ちてこなかった世界があったとしても……
きっと、また出会えてると思いますよー!」
「―― うん。そうだねぇ」
だから由貴奈の中に自然に溶け込む。
すぐ消えた寒さをもう振り返る事無く、嬉しそうに梢へと微笑んだ。
どんな出会い方をしてもきっと何にも抵抗なく、こうしてお隣りで歩いてそう。
思い描く『もしも』の自分たち。
色の無い世界であっても、今と同じ関係に染まるのだろうと思わせてくれる先輩へ、梢もいつもの笑顔を返した。
「アイス、買ってこっかー」
「あ、いーですねー。今度こそ溶ける前においしく食べきりますよぉ」
「ふふー。リベンジりべんじ~」
どちらからともなく、思い出を切り上げて。
由貴奈の提案に、梢も乗り気で白い幹から背中を離した。
自分が自分のままに在る事を、自然体で受け止めてくれる存在を再確認した木陰から、二人は同時に足を踏み出す。
他愛ない雑談に花を咲かせる後方では。
いつの間にか葉ばかりであった二本の百日紅に、それぞれ花びらが浮き上がるように咲き乱れていた。
紅茶色の髪が在った頭上には、濃いパープルが陽射しに透けて鉱石たるスギライトのよう。濃紺にピンクがかったようなその色は、まるでどこかの春の海色。
珈琲色した髪が在った頭上には、太陽の子供たちが沢山集まるが如く。花びら揺れればサンストーンのようにキラキラ輝くオレンジ色。
葉の影にあるコは、そのオレンジも一際濃く見えてはまるで茜色の空模様。
嬉しそうに咲き誇る、茜色と春の海色が寄り添う様にはとんと気付くことなく。
ここから一番近いところだとネコンビかな~と掛け合いながら、暑い陽射しの中もいっそアイスをおいしく食べるためーなんて開き直った足取りが、軽快にアスファルトに響くのだった。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
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10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月05日
参加申し込みの期限
2019年02月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年02月12日 11時00分
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