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木漏れ日染め
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✿*゚¨゚✿
日本の異常な暑さは未だ慣れぬのに加え、体力も発展途上中なれば、
タイラ・トラントゥール
が木陰に吸い寄せられるのは必然というもので。
―― ああ……冷たくて気持ちいい。
気力を振り絞って見つけた木の肌は、つるんと滑らかで肌触りよく、火照った額や頬をすり寄らせて涼をとった。
こんな暑い時に出掛けるもんじゃなかったな……と後悔を抱きながらも、揺れる葉の隙間から覗く太陽、そして感じる人肌のような幹から、ぼぉっとした脳裏に自然と浮かぶ一つの顔。
この気怠い暑さとは全く違う、もう一つの太陽の姿。
……ボクの中に勝手に入り込んでいつの間にかすっかり根を張り住みついたアイツ。
もう追い出せない。
白い幹に背を預けると、全身から力が抜けて。観念したように口から呟きが漏れた。
「竜世……」
ぽつり。
落とされた言の葉を受け取ったのか、タイラの頭上を覆う葉たちが一瞬揺れ動く。
そしてせがむが如く、耳に心地よい葉擦れの音をそっと金糸の上に降らせれば、少年の唇は無意識に言葉を溢れ出させた。
「アイツは……いつも好き勝手にしている癖に、
何故かボクが挫けそうな時には現れるんだ」
そして何も言わなくても勝手にボクを救い上げていく、と。
相槌な葉が揺れる影に促されて、タイラは見上げた葉たちへ聞かせる。
「これ以上借りなど作りたくない。こんな情けない姿でなくライバルとしていたいのに。
……追い越し前へ立ち塞がり構えるはずが ――」
葉の影落ちる露草の瞳に、そこにあるはずの無い、深い影が一瞬横切った。
アイツを頼りにしているボクはなんなのだろう。
時折口に為されず心に沈んだ言の葉も、幹に触れる小さな背中から伝わったのか葉を携える枝たちがしなった。
「他の友人達とも違うなにか。ライバルだからなのかそうではないのか……
アイツを友人としても認めているのなら、それは大切な……」
続けようとしたものが、ヒュッと喉の奥で呼吸が止まったように詰まる。
『友人は選べよ』
タイラの中であまりに重くのし掛かる従兄からの、顔の見えない電話越しだからこそより冷たく響いて聞こえた言葉。
それが大きな影となってタイラを覆ってしまいそうだった。
脳裏に浮かんでいた輝く笑顔に、日食が如く闇がかかる。
同時に、照らされていたタイラの心象風景がまるで睡魔に襲われたように、暗い眠りに誘われた。
兄様の言う事は絶対。従わなければイケナイカラ。
「ボクはこのまま竜世と一緒にいてもいい……のか?」
「いいに決まってんじゃん」
思いもしていなかった声がした。タイラの顔が瞬間上がった。
眠りを妨げたのは、他でもない、太陽自身だったから ――
◇
今日はアッチーな! 帰りにアイス買ってっても怒られねぇかなー。
ちょっとしたおつかいの帰路途中、お釣りの存在をポケットの中でチャリチャリ確認しながら歩く
源 竜世
の、コンビニ映る視野の中に微動だにしない人影が入り込んだのを、琥珀は見逃さなかった。
アレ? タイラだよなっ。そーだ! タイラと半分っこにすれば!
パキッと割れるソーダアイスを想像して、共犯者になってもらおうかと無邪気な笑顔で駆け寄る竜世のその耳に、思わぬ声色が届けられる。
―― 『一緒にいていいか』……? オレと……?
ライバルからの、聞いたことも無い言葉。
気付けば竜世は咄嗟に声を放っていた。
「いいに決まってんじゃん」
「竜世!? お、お前いつから聞いていた……!?」
物凄く驚いた表情でこちらを振り返ってきた顔へ、何いってんだよ、といっそとても落ち着いたトーンが竜世の口から紡がれる。
だって、そんなの当たり前だから。
いつだって隣りに在るもの。
竜世の中で、もうタイラはそんな位置付けだったから。
突然の当人の出現とあまりにも自然な返答が、逆にタイラに若干の混乱を招いて口がぱくぱくと空振る。
そんな様子を全く気にせず、陽射しの中から木陰へと入った竜世。
タイラの寄りかかる木の隣り、もう一つのサルスベリへ同じように背を預けて涼しそうに一度瞳が閉じられた。
「あ! そういえばさーこないだ変な夢見たんだ!」
すぐにパチッと目が開けば、唐突な語り出し。
竜世少年の中では、明るい視界から暗い所へ移った流れが夢の内容を彷彿とさせたわけだが、タイラ少年にそんな事が伝わるはずもなく。
混乱する頭が飛んでくる言の葉へ無意識に難しい顔を作らせるも、未だかける台詞が思いつかないまま、そのままタイラは話に耳を傾けることになった。
「なんか真っ暗なとこでスターライトナイトを追いかけてて
追い付けなくてでもはしっててさ。すっげー不安になんの」
一瞬、その時の気持ちがよぎって、竜世の眉が少し下がる。
そんな微かな表情の変化に気付けば、タイラは流されるように耳にしていた言の葉を、今度は意識して聞き入る。
語られる内容に、何かデジャヴを感じたのもあったけれど、それ以上にいつもの彼の表情がいつかの日のように崩れないか、そんな思いが出たから。
しかしタイラの心配とは裏腹に、竜世はすぐに真っ直ぐな瞳を輝かせて続け出した。
だって、その夢の続きがすぐに思い出せるから。
今この場にあるような安心感、それと同じものが湧いたのをしっかり覚えているから。
「でもな、なんか……たぶん呼ばれたんだ。いや声は聞こえなかったんだけど呼ばれてさ。
そしたら目の前もぴか! って真っ白になって、そんでタイラたちのこと思い出してさ!
バトルの楽しかったのとかずっと先の楽しいのとか、考えたらここんとこがあったかくなった気がする」
手のひらを広げて、自身の心臓の辺りをパンパンと叩く竜世の仕草を、不思議そうな色で映す露草色。
こちらをただ見つめて来る瞳へ、竜世はニカッと笑ってみせた。
「うん、そんですっげーたのしーってなったらスターライトナイト? も消えて
タイラが出てきたんだ! ビックリしただろ。オレもビックリした」
とうとうタイラの表情にも、ありありとした驚きの色が浮かんだ。
―― ボクが見た夢と……おなじ?
そんなバカなことが、と思考する頭と、事実なのだと認めようとする心がせめぎ合っている内に、自分の夢の内容にタイラは驚いたのだと受け止めた竜世が、そのまま言葉を繋ぐ。
「そんでさー出てきたタイラがすっげーうるせーの。
走り回るなーとか人の話きけーっとか!」
「……おい、」
「けど、けどな! オレ、タイラにそういうの言われるの嫌いじゃないんだたぶん」
さすがにそろそろ、色々と突っ込もうかとようやくタイラの口が動くも、
すぐに続いた竜世の言葉にまた唖然とした口の形に戻った。
すっげーポカポカで楽しい気分! なんて紡ぐ目の前の太陽から、温もりが分け与えられるようで。
ちょっと照れたように頬を赤らめながらも、竜世は迷う事無くタイラへ向ける。
しっかり言葉にしたことで、ハッキリと感じた。
タイラがタイラである証である言葉が、自分をいつも取り戻させてくれているんだと。
「だからさ、タイラありがとな!」
木漏れ日がキラキラと当たる笑顔が、昏い誘いからタイラの心を呼び覚ます。
心から伝えてくれているのだと信じられる、竜世の言葉たち。
―― なぜ礼など……兄様の言う事を守らなければ……
揺れ動く。
「えっと、だから何が言いたいかって言うと……っ」
視線逸らして見えたタイラへ、竜世があたふたともう一度言葉を探し出そうとするのを、弾かれたように遮る言葉がタイラの口からこぼれ出た。
「ボクもお前と……竜世とこれから先も一緒に居たい! お前と居るのが楽しいんだ!」
どれだけもらえばいいのだろう。
温もりも勇気も、あの夢の中ですら救われた心地がしたのに。
これ以上は、ここに居る資格が無くなる気がした。
イヤだ。
ボクたちは……友で、ライバルなんだ。
とっくに認めていたはずの気持ちが、太陽からの光を受けて更に芽吹く。
それが素直な音階となって、タイラから紡がれたのだった。
同時に、捕まえるように伸ばされた手が竜世の肩を掴んでいた。
必死な瞳と真っ直ぐ自分へ向けられた言葉と手。
竜世は一瞬キョトンと、大きな瞳をもっと大きくして、ゆっくりとまばたきをする。
なんだろ。タイラが、なんかすっげーうれしいこと言ってくれたような。
反芻させまばたき繰り返すその琥珀の目に、タイラの頭上でふわふわと花が開くのが捉えられた。
緑一色だった葉たちの間から現れたのは、アプリコット色の花びら。
どこか、ホットケーキにバニラを垂らしたような、ちょっぴり焦げが混ざっているような濃さに見えたけれど、葉が揺れると花びらに当たった日の光に浮かんだのは、蜜が滲んだ杏色。
「うわ! なんだあの花、うまそー!」
「は? 突然何を……って、ん? 竜世、おまえの頭の上に花が……」
「うん、だからタイラの上の木に花がな! ………え! オレんとこにも!?」
言われてババッと見上げた両の目に、今まさに花びらがふわりと開くのが映った。
アプリコットの隣りで浮き上がったのは、搾りたてのミルクのような、お風呂から立ち上る湯気のような、温かさ醸し出す乳白色。
自身の頭上と、現在進行形で竜世の頭上で次々咲き誇る百日紅たちを、タイラも驚いた表情で見つめている。
「タイラ見たか!? やっぱ前の不思議草、夢じゃなかったんだって!」
「草というな、バラだろ。いや、しかし……」
「ほら! これもおんなじような木なのに、花の色ちげーじゃん!」
「……そういう種類他にもいっぱいあるだろ」
「だーかーらー!」
ぷくっと膨れる竜世へ言ってのけながらも、タイラの瞳はまだまだ花びら広げる彩りたちに注がれている。
枝と枝を交わらせ、アプリコットと乳白色の花が寄り添っている様子が映れば、いつの間にか口元が綻んだ。
そんなタイラを見て、竜世も白い歯をみせ笑う。
怒ったり、素直じゃなかったり、隠すように笑ったり。
タイラらしい感情のままにそこに居てくれれば、それだけできっと自分の心はいつだってぽかぽかだから。
「なっ、これからもいっしょにいっぱい冒険したりバトルしようぜ!」
目と目が合った。
従兄の呪縛から解き放たれたわけではない。
けれど。
それは小さな、タイラにとっては大きな勇気を携えた一歩。
「ああ、のぞむところだ」
そう、これがボクの望み。
寄り添う百日紅の下で、力強い視線を互いに向け合いコツンと拳をぶつけ合うのだった。
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日常
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10人
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11人
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シナリオガイド公開日
2019年02月05日
参加申し込みの期限
2019年02月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年02月12日 11時00分
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