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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
レッツ・スタディ！ ～大人も子供も学生さんも！～
少し大きめの鞄を手に、御巫 時子は何でも屋『いぬもり』を訪れた。
古い戸を開けて、「おはようございます」と柔らかな声を投げる。
店主の犬杜 一閃の顔を見れば、先日の不思議なおでん屋での出来事が思い出された。
微笑ましさに小さく口元を綻ばせれば、一閃はいかにも面映ゆげに視線を外し、
「先日は、その……世話になった」
と、ぽそぽそと、何とかあの日の礼を言う。それから気を取り直したように、
「今日は、何か依頼か？」
「いえ、今日は、初さんに用事があって……」
店の奥から犬杜 初が顔を出したのは、まさにその時だった。
その瞳が、くるりと丸くなる。
「あ、時子じゃない！ どうしたの？」
「初さん、夏休みの宿題終わりましたか？」
「うっ！」
「一緒にしませんか？ 夏休みの最後の方に纏めては、色々と危険ですから」
言いながらも、既に、鞄から教科書などを取り出し始めている時子である。初は、
「……ういも持ってくるから、ちょっと待ってて」
と、やや苦い声を出しながらもごく素直に、自分の分の宿題を取りに戻った。
かくして、（一閃の許可を取り）店のテーブルで宿題開始！
「場所をありがとうございます。寮は少々賑やかで……」
「ニワトリいるもんね、時子の家」
時子が一閃に声を投げ、間で初が口を挟む。
一閃は、時子が持参したシューアイスを、冷凍庫に入れにいくところだ。
――終わったら一緒に食べようと思って。旧市街に美味しいお店があるんですよ。
との時子の言葉に、一閃は「いつもすまないな」と眉を下げたが、
「宿題、ちゃっちゃと終わらせないとね。シューアイス、シューアイス～♪」
なんて具合で、初の方は、何とも現金なことを言っている。
じきに一閃は、冷えた麦茶のグラスを手に戻ってきて、それを時子と初の前に並べた。
ありがとうございますとふんわりと笑んだあとで、
「一閃さんは勉強得意でしょうか？ もし分からない問題があれば聞きたいのですが」
と、時子は一閃に尋ねた。
一閃が、少し難しい顔になる。
「……俺のことは、あまり頼りにしない方がいいと思う。勿論、わかるところは教えるが」
「わかりました。では、よろしくお願いします。先生」
言って、時子は早速、数学のプリントに取り掛かった。
すらすらとペンを走らせていた手が、ふと、ぴたりと止まる。
「初さん、ここ分かりますか？」
わからない個所を指で示して問えば、
「数学でしょ？ 時子に解けない問題は、ういには絶対解けない」
と、初はごく真面目な顔と声で言った。
すぐに、『先生』が呼ばれる。
何とかかんとか解法を導き出して、一閃は、深い安堵の息を吐いた。
「初さんは、宿題は何が終わってますか？」
「うい、問題集はね、結構進んでるのよ。時子は？」
「私は読書感想文と化学のプリントは終わってます。数学のプリントは、これが最後の一枚ですね」
「うわっ、めちゃくちゃ進んでるじゃない！」
「でも、まだまだ沢山残っていますから……」
「絶対多すぎるわよね、宿題」
そんなふうに言葉を交わしたりもしつつ、それでも２人は着々と、宿題を片付けていく。
２人なら答え合わせもできるし、わからないところを教え合うこともできるのが良かった。
尤も、時子が教える側に回る回数の方が、圧倒的に多かったのだけれど。
宿題の方が一段落したら、お待ちかねのデザートタイムだ。
時子が持参したシューアイスは、ひやひやふっくらとして、見るからに美味しそう。
「イチゴ味と抹茶味とチョコ味があるんですよ。初さんはイチゴ味ですか？」
「うん！ うい、イチゴ味が食べたい！ あ、でもチョコ味も……」
「ふふ、私は抹茶味にします。一閃さんは？」
「じゃあ……俺も、御巫と同じものを」
いただきますを唱えて、３人でシューアイスにかぶりつく。
「皆で食べると、美味しいですね」
「うん！ 超美味しい！ 時子、ありがとう！」
「……御巫は、美味しいものを見つけるのが上手いな……」
時子がおっとりと笑み、初が声を弾ませ、一閃は感じ入ったような声を漏らす。
初と一閃の反応に、時子は益々、表情を華やがせた。
「宿題、今日はずいぶん進みましたね。また一緒にやりましょう」
「お話しながらすると、勉強も楽しいですね」
ほっこりと胸をあたためながらそう音を紡いだなら、
「うん、ういも楽しかった！」
と、初も、満面の笑みで頷いた。
古い戸を開けて、「おはようございます」と柔らかな声を投げる。
店主の犬杜 一閃の顔を見れば、先日の不思議なおでん屋での出来事が思い出された。
微笑ましさに小さく口元を綻ばせれば、一閃はいかにも面映ゆげに視線を外し、
「先日は、その……世話になった」
と、ぽそぽそと、何とかあの日の礼を言う。それから気を取り直したように、
「今日は、何か依頼か？」
「いえ、今日は、初さんに用事があって……」
店の奥から犬杜 初が顔を出したのは、まさにその時だった。
その瞳が、くるりと丸くなる。
「あ、時子じゃない！ どうしたの？」
「初さん、夏休みの宿題終わりましたか？」
「うっ！」
「一緒にしませんか？ 夏休みの最後の方に纏めては、色々と危険ですから」
言いながらも、既に、鞄から教科書などを取り出し始めている時子である。初は、
「……ういも持ってくるから、ちょっと待ってて」
と、やや苦い声を出しながらもごく素直に、自分の分の宿題を取りに戻った。
かくして、（一閃の許可を取り）店のテーブルで宿題開始！
「場所をありがとうございます。寮は少々賑やかで……」
「ニワトリいるもんね、時子の家」
時子が一閃に声を投げ、間で初が口を挟む。
一閃は、時子が持参したシューアイスを、冷凍庫に入れにいくところだ。
――終わったら一緒に食べようと思って。旧市街に美味しいお店があるんですよ。
との時子の言葉に、一閃は「いつもすまないな」と眉を下げたが、
「宿題、ちゃっちゃと終わらせないとね。シューアイス、シューアイス～♪」
なんて具合で、初の方は、何とも現金なことを言っている。
じきに一閃は、冷えた麦茶のグラスを手に戻ってきて、それを時子と初の前に並べた。
ありがとうございますとふんわりと笑んだあとで、
「一閃さんは勉強得意でしょうか？ もし分からない問題があれば聞きたいのですが」
と、時子は一閃に尋ねた。
一閃が、少し難しい顔になる。
「……俺のことは、あまり頼りにしない方がいいと思う。勿論、わかるところは教えるが」
「わかりました。では、よろしくお願いします。先生」
言って、時子は早速、数学のプリントに取り掛かった。
すらすらとペンを走らせていた手が、ふと、ぴたりと止まる。
「初さん、ここ分かりますか？」
わからない個所を指で示して問えば、
「数学でしょ？ 時子に解けない問題は、ういには絶対解けない」
と、初はごく真面目な顔と声で言った。
すぐに、『先生』が呼ばれる。
何とかかんとか解法を導き出して、一閃は、深い安堵の息を吐いた。
「初さんは、宿題は何が終わってますか？」
「うい、問題集はね、結構進んでるのよ。時子は？」
「私は読書感想文と化学のプリントは終わってます。数学のプリントは、これが最後の一枚ですね」
「うわっ、めちゃくちゃ進んでるじゃない！」
「でも、まだまだ沢山残っていますから……」
「絶対多すぎるわよね、宿題」
そんなふうに言葉を交わしたりもしつつ、それでも２人は着々と、宿題を片付けていく。
２人なら答え合わせもできるし、わからないところを教え合うこともできるのが良かった。
尤も、時子が教える側に回る回数の方が、圧倒的に多かったのだけれど。
宿題の方が一段落したら、お待ちかねのデザートタイムだ。
時子が持参したシューアイスは、ひやひやふっくらとして、見るからに美味しそう。
「イチゴ味と抹茶味とチョコ味があるんですよ。初さんはイチゴ味ですか？」
「うん！ うい、イチゴ味が食べたい！ あ、でもチョコ味も……」
「ふふ、私は抹茶味にします。一閃さんは？」
「じゃあ……俺も、御巫と同じものを」
いただきますを唱えて、３人でシューアイスにかぶりつく。
「皆で食べると、美味しいですね」
「うん！ 超美味しい！ 時子、ありがとう！」
「……御巫は、美味しいものを見つけるのが上手いな……」
時子がおっとりと笑み、初が声を弾ませ、一閃は感じ入ったような声を漏らす。
初と一閃の反応に、時子は益々、表情を華やがせた。
「宿題、今日はずいぶん進みましたね。また一緒にやりましょう」
ほっこりと胸をあたためながらそう音を紡いだなら、
「うん、ういも楽しかった！」
と、初も、満面の笑みで頷いた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年02月22日
- 参加申し込みの期限
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- 2019年03月01日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年03月01日 11時00分
