うみねこで夏の味覚を｜リアクション

うみねこで夏の味覚を

●限定メニュー、おあがりよ

　最初に運ばれたのは、鬼河内巌が注文した俺のシーフードカレーと枝豆とナス、車エビの一口かき揚げ。
　かき揚げをカレーに乗せ、合掌してから豪快に食べる。
「うみねこのカレーは美味しいのぅ♪　夏バテをブッ飛ばす食べ物は、スパイスが効いているカレーじゃ！」
　あっという間に平らげ「カレー、おかわりじゃ！」と注文。

　楡宮遠海が注文した竹筒そうめんと３種類のつゆを運んできたのがハルコだ。
　まずは梅肉、青じそ、すりゴマを入れた梅つゆから。ほのかな梅の香りと食感がとてもいい、と感心。
　乾燥オクラ、干ししいたけの出汁で作ったオクラのつゆは、ほんの少し粘り気があるが気にならず。
　トマトは酸っぱみが少々あるが、さっぱりとした味だった。
「どのめんつゆも、すっごく美味しい！　何杯でもいけそうだわ」
　手を休めることなく、遠海は３種類のつゆを交互に使い分け竹筒そうめんを完食。

　綾辻綾花がテーブルに運んできたのは、李小麗が注文した冷やし中華。
　器だけでなく、麺に盛り付けられた具に工夫を凝らし金魚っぽく見えるように。具を盛り付けたのは綾花だ。
「待ってましたなのだ！　いただきますなのだ！」
　手を合わせてから、まずは一口。
「ん～っ♪　この喉ごしの良さ、器の涼やかさがたまらないのだ……！」
　一口食べると、美味しくてもう止まらないのだ！　といわんばかり一気に食べ始めた。
　気がついた時には、金魚の器にはつゆがわずかに残っている程度に。
「ご馳走さまなのだ！」
　美味しい冷やし中華を食べることができたので、小麗は大満足。

　鳴鏡院総悟が、恵御納夏朝が注文したうみねこ夏定食を運んできた。
「美味しそう……」
　全体をじっくり見て、それから何を食べようか考える。
　まずはこれ……と食べたのは炊き込みご飯。少しずつ、味わいながら食べ進めていく。
「炊き込みご飯に、刺身に、あら汁……どれも美味しい……」
　美味しいものが幸せ……！　と、一口食べるたび表情が緩む。
　半分くらい食べたあたりで、ししとうとピーマンとキスの天ぷらを食べることに。
　後回しにしたのは、ししとうがあったから。
（辛いのは苦手だけど……残さず食べるために挑む！　辛いって、注意書きとかは書いてなかったから、これは辛くない……はず……！）
　えいやっ！　と一気に食べたが、思っていたほど、ししとうは辛くなかった。
　多少辛くても我慢できるから大丈夫！　という覚悟はできていた。
「僕……苦手なもの食べられた……」
　少し苦いが、食べられない辛さではない。
　苦味が苦手な客、ピーマン嫌いな子供でも食べられるようケンゾウが苦心して作った一品だった。
「嫌いなもんを克服したようじゃのぅ」
　追加注文したカレーを食べながら、巌はえらいのぅと夏朝を褒める。
「ししとう食べられて良かったわね」
　メニューから目を離し、嬉しそうな表情の夏朝を見る遠海。
「夏朝ちゃん、嫌いなもの食べられたのだ！　すごいのだ！」
　自分のことのように小麗は大喜び。
　ししとうが食べられたので、ピーマンも食べられると思い、これもチャレンジ。
　ピーマンの天ぷらも、ししとう同様、食べることができた。

　夏朝がピーマンを食べたのと同時に、遠海が追加注文した枝豆とナス、車エビのかき揚げ丼が運ばれた。
「かき揚げがサクサクしていて美味しいわ。つゆもいい味」
　まだまだいける、旬のお造り、うみねこ夏定食も追加注文。
　お嬢様風のスラリとした容姿だが、痩せの大食いなので目立つ。
　周囲の注目を浴びるも、我、関せずと次から次へと運ばれたものを平らげる。