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【優しい笑顔に教わって】
放課後の時間。
綾辻 綾花
が図書委員を務める高校の図書室は、受験勉強や調べ物、自習で利用する生徒がいつも誰かしらが存在する静かな空間。
──それは、綾花が目にするいつもの図書室。
返却された本を、一つ一つ本棚へ戻していく。
「あ……これは」
その中で、ページが少し破れていたとある本を見つけた綾花は、何か心当たりを得たように、しばらくそれに目を留めた。
(懐かしい、ですね)
一冊の本を見つめる──それは、綾花が図書委員になったばかりの、今から一年半の前のこと──
◆
高校に入ってすぐ。委員会決めが始まった時、中学校の頃から既に図書委員だった綾花は、既に図書委員になることを決めていた。
当然、全てが思った通りには行かないとは思っていた。それでも、ずっと本と真摯に向き合ってきたその気持ちは本当だったから。きっと何とかなる、何とか出来ると思っていた。
「すみません、生物図鑑と数学の参考書を探しているんですが」
問い掛けられれば、即座にその場所を答えるのが図書委員の仕事の一つ。
尋ねられた綾花は、問われたその場所を一生懸命思い出そうとした。しかし、高校の図書館は、義務教育の知識も含めて一層の幅を見せ、貯蔵する知識の量は、それらを具現化したかのように広かったのだ。
「あの、えっとその本は……」
委員会に入ってからの綾花は、まずは本の場所を必死に覚えようとした。だが、いざ場所を問われれば、それは肝心な所でふいと綾花の記憶から外れていってしまう。
「確か……」
思い出せそうで思い出せない。
しかし、これ以上、利用者を待たせてはいけない。諦めて知っている人を呼んでこようかと思ったその時、
「──ああ、その本ならこっちだね。案内するよ。
綾辻さんもおいで。一緒に来た方が早く覚えられるからね」
そこに偶然側を通り掛かった、図書室を預かる司書教諭の
早川 珪
が声を掛けてくれた。
綾花は、早川先生から向けられた微笑みに、当時、不甲斐ない恥ずかしさから、頬を赤らめてついていったのを思い出す。
高校生になったのだから。
利用する人にとっても、図書委員はしっかり出来るのが当たり前だと思うのに──
カウンターでは、図書室の利用者には中学校からの持ち越しではない、他から入学編入してきた生徒も当然多くて。
綾花は、そんな学生とも少しでも仲良くなれたらと、名前と顔をきちんと覚えなければと、不安に胸を緊張に鳴らしながらその場に立った。
「あの……初めて図書室を利用するんですけど、どうしたら良いですか?」
「あ……あ、はいっ! ま、まずは──」
完璧にやりたかった。しっかりと、静かに頼れる図書委員になりたかった。
それでも、頭の中で何度もシミュレートしたはずなのに、実際に声を掛けられれば、脳裏のメモは一瞬で白紙になったかのように、しどろもどろになってしまう。
「あ──」
──今も、貸し出し履歴の用紙に、日付を書き損じてしまって。
頑張っているはずなのに……どうして。
「……」
ただ真面目一心に頑張ってきた綾花が、ついに心から俯き掛けた時──……その綾花の傍には、早川先生がいた。
「はい。綾辻さん、代わりの用紙。
これはね、恥ずかしいけれど僕もよく間違えるんだ。だから、何度間違えても大丈夫だよ?」
『先生が間違えちゃ駄目ないですか!』──そんな言葉が笑い交じりに相手の生徒から飛ぶ。それを恥ずかしそうに苦笑で受ける早川先生を見て、綾花は彼が自分をフォローして庇ってくれた事に気が付いた。
心が、一気に温かくなった。その感情の理由は分からなかったけれども。
「綾辻さん、新しく入った『猫達の凱旋』だけれども、少し目にしたらとても面白そうだったよ。落ち着いたら読んでみたいね」
それからも、気を抜けず緊張に身を固めることの多かった綾花に、早川先生は他愛のない雑談から、図書委員の作業の手順まで、そのペースも様子も崩すことなく、優しい口調と変わらない笑顔で教えてくれた。
その笑顔を見る度に、綾花の心は落ち着いていった。ミスをしても、こんなにも優しく見守ってくれる人がいる事に気がついた。
もちろん、甘えてはいけないけれども……その言葉は、いつも後ろからそっと綾花を支えてくれていた。
そうして、いつしか──図書委員としての仕事は、少しずつ慣れながら覚えていけば良いのだと……早川先生は、綾花にそう思わせてくれるに至る、大きな心の支えとなっていったのだ──
◆
(今は、大分慣れましたが……)
綾花は、手元にある本を見つめながら考える。
一度感慨に耽るように瞳を閉じて。今は完璧と言っても差し支えない程に、場所を覚えた本棚に手元の本を戻し終える。そして、綾花は最後に残したその一冊を手に、早川先生のいるカウンターに戻って来た。
破れてしまった本のページにテープを貼って補修をして、確認をしてもらう。
「珪先生、補修はこれで大丈夫ですか?」
「うん、これなら大丈夫そうだね。ありがとう」
補修ページを確認して、早川先生はいつも通りの当たりの優しい、静かな笑顔で綾花に微笑んでくれた。
「この本、高校の図書委員になって、初めてブッカーを貼った本なんです」
「そうなんだね。それなら大事な記念の本だな」
「ちょっと空気抜きに失敗して気泡が入ってますけど……」
「そうか──綾辻さんが図書委員になってから一年半か。
だったら、もうそれも含めて懐かしいんじゃないかな?」
微笑みながら告げられた早川先生の言葉には、確かに、綾花が辿ってきた時間への感慨が含まれていた。
「……!」
この図書室で、綾花がいた一年半の時間を。早川先生は覚えていてくれた。
記憶に留めていてくれていた──綾花は早川先生の言葉を、この上なく嬉しくその本と共に胸に抱き締める。
「はい……!」
そして綾花は、暖かな春に綻ぶ花のような笑顔を伴って、心からいっぱいの至福と共に微笑んだ。
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担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月21日
参加申し込みの期限
2019年01月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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