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【腹心にして友なれば】
午後十時。
八神 修
は、高校の履修課程の尚先に進む自習を終えて。その心に一息つける為、自室からリビングへとやって来た。
せっかくだから温かい紅茶でも、と軽く思案するのは至福の時間──
そんな有意義な時間の狭間に、ふと修の寮家とドアで繋がった、今は隣屋に住まいを置いている、運転者兼秘書である風間大地が姿を見せた。
「ああ、」
姿を認めた修の表情が綻んだ。しかし、それを傍らに、風間は表情を引き締めたまま修に告げる。
「修様、明日のご予定についてなのですが」
「──……それが秘書としての仕事なのは分かる。だが、何度でも言うぞ。ここでは、その呼び名も口調もなしだ、大地」
修は、珍しくその瞳の半眼に不満を染めて、相手の名を告げた。
「……やれやれ。せめて仕事でのメリハリは付けないと、落ち着かないんだがな」
「それでもだ」
逞しく、そして存在感強い大地と名を呼ばれた相手──風間大地は、不服とする表情を変えない相手の様子に、凜々しく硬質に整えていた顔を、軽く困ったような微笑に崩して、修に向かい問い掛けた。
「修、明日の予定についてなんだが」
「そうか、あの倉は取り壊しか……」
「ああ、ついに年季が入りすぎたらしく、新しく作り替える事にしたようだな」
テーブルを挟んで座り向かい合う。手元にはそれぞれ、風間が淹れた緑茶が柔らかな湯気を立てていた。
風間は秘書としての職務の他にも、こうして定期的に修に必要な情報として、実家の状況についての報告を欠かさない。
「なるほど……だが懐かしいな」
ふと、過去を呼び起こすように修が告げた。
「あの倉は子供の頃に一緒に探険に行った所だろう? 確か──」
◆
「大地、探検に行こう! 今日はあの庭隅にある倉だ」
それは修が小学六年生だった時分。両親は不在気味で、その時間を、修は風間と過ごす事がとても多かった。
「修、あの倉には確か鍵が──」
「庭師のじいから倉の鍵を借りてきたんだ」
「お、準備が良いな?」
二人きりの時は口調も軽く。
修の提案に、高校生だった風間も、その時間へと満更ではなさそうに、軽く微笑を浮かべて付き従った。
倉の電気を付ければ、舞い上がった埃が光を反射させて目に留まる。
そこには探険に相応しい、日常とは乖離した空間が確かにあった。
「これは、茶器……かな」
「修、こっちの箱も開けてみろ。凄い物が入ってるぞ」
「わ……! すごい! 大地、本物の刀が入ってる!」
修の瞳が、好奇心の輝きに満ち溢れている。
それに、風間も満足そうに次を物色しようと辺りを見渡した時、
──足元が大きく揺れた。
「わっ!」
「──修!!」
少し離れた所にいた修に、風間は地震で揺れる足元を気にせず、そちらへ全力で駆け寄った。
届いた手を引き寄せて、自分の胸元へ修の身体を抱き込み、そのまま強く床へと覆い被さる。
……修は、守らなければならないのだ。
確かに、責務や立場はある。だが、それらの理由以上に、風間の心には『絶対に、守らなければならない』という信念が、常に其処には存在していた。
地震が収まる。だが、停電が起きたのか倉の中は真っ暗だった。
「……大丈夫か?」
「う、うん」
自分を守ってくれた、密着する風間の大きな身体を、修は驚きを以て体感する。
そう、いつも自分を守ってくれるのは、遠すぎる父親などではなく、このいつも身近にいる兄のような彼の存在なのだと……
真っ暗の中で、手探りに入り口まで戻る。だが、扉は歪んでしまって開く様子がない。
「どうしよう……」
修の不安に、風間は手元にあった懐中電灯を付ける。場所は庭師が知っているだろうが、救出を待てば一騒動になる。自力で脱出出来ればそれに越した事はない。
「あの高窓に届けば出られそうな気がするな……」
風間の目に入ったのは、硝子と雨戸で閉じられた高窓だった。
「あ、さっき梯子があったから、机や台と組み合わせれば届きそうな気がする……!」
「よし、さすが修だな。さっそく決行するぞ」
倉の中で、とにかく高い台になりそうなものを積み上げていけば、それは倉の高窓の戸に届き、開ければ外の景色がはっきりと見えた。
「……よし、この庭木を伝って降りよう」
「ぁ……」
ほぼ即断した風間は、隣接する枝に躊躇いなく手を伸ばして強度を確認すると、そのまま枝に身体を移した。
だが、身体も小さく幼い修にとっては、それらの行動が恐怖で妨げられるのは当然の事だった。風間の後についていかなければならないのに、その身体が動かない。
「──大丈夫だ。これで地面に落ちる事もない」
修に差し伸ばされた手。そして風間が一瞬目を向けた先には、木とその身体を括り付けたロープがあった。
それならば確かに風間の手を取っても地面には落ちない。
風間は、倉の中で既にこの状況を想定していたのだろうか──この即判断の中で考え込まれた準備の良さは、後に幼い修の中で、それが脳裏に深く刻まれた瞬間となったのだ。
伸ばされた、安心出来る力強い手。
それにまだ小さい、修の細い手が重なれば──不安定な危険など彼方の事のように、その身体は安全な風間の傍……木の上にその身を置いていた。
◆
「ああ、懐かしいな。しかし良く覚えているな?」
少しぬるくなった緑茶を片手に、風間が驚いたように目を見開いて修を見た。
「教訓となる事も多かったからな。何より──」
振り返れば、修にとってこの関係は、この相手は──こんな眩しいまでに『奇跡に近しく傍に居続けてくれる』存在であるのを再確認できたのだから──
「──これからも、どうか頼む。大地」
振り返れば、修から言葉が自然に口をついて出た。
改まりすぎた言葉だとしても──今までも、そしてこれからも。どうしてもその感謝を伝えたいと思った。
それを耳にした風間も、心を打たれた一拍の間の後。修を安心させる優しい笑顔で言葉を返した。
「改まらなくても。
その言葉は、この身に余るほどに充分だ。修」
こうして、腹心として、そして友としての二人の時間は、今日も満ち足りたものとして過ぎていく──
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月21日
参加申し込みの期限
2019年01月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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