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【ようやく、ここまで】
日々、今日も
志波 武道
がトレーニングの一環として、毎日欠かすことのないランニング。
走れば、そこはいつもの寝子島の道。大切な、変わらない平穏が確認出来る道。
しかし、たまには。
「今日はちょっとルート変えてみよっと!」
それは、ほんの些細な気分転換。武道は猫又川にある河川敷への荒れたコンクリートの階段を降りて、その川沿いを遡るように走り始めた。
しばし走って目にすれば、少し前まで降っていた雨の影響で、川は普段よりもずっと深く、幅広くなっている事に気がついた。
「……」
武道が足を止め、川べりに立つ。ずっと目にして来た水かさの増した川に、無意識のうちに足を止めていた。
「……多分、自己防衛で忘れるほどのことだったんだろうな……」
それは零れるように口に出た……武道の中には、あまり多くの人には語りたいと思わない出来事が多い。出来事も、心配を掛けたくないからその思いも。
しかしその中に、まさか自分ですら、忘れて認識できていない出来事があったとは思わなかった。
過去に何度も繰り返した、違和感と既視感。
つい最近まで忘れていたのだ。
──自分は、水に溺れて。その時の恩人の手により、この一命を取り留めたのだと。
◆
それは約十年と少し前のこと。
まだ幼かった武道は、あの時、家族で川の側にあるキャンプを楽しんでいた。
三人兄弟の皆で、武道達は側の河原で水遊びをしていた。皆ではしゃぎながら川の中腹近くまで進んだが、それまでは、どこも水の深さは腰ぐらい。
その川自体も流れは柔らかく、本当にどこを取っても安全に見えた──そう、見えたのだ。
「ぼく、もう少し奥に行ってくるね!」
昂揚した好奇心で溢れた武道の言葉を危険と咎めるには、今に比べて幼い兄弟には、あまりにも荷が重たいものだった。
そして──それは起こるべくして、まるで武道を待ち構えていたかのように湧き上がった。
川の流れが突然急になり、川底についていた武道の足を掬い上げた。
慌てて体勢を立て直そうと、踏み直そうとした足先には、身体を支えてくれる川底の石がなかった──
「──っ!?」
武道の身体が深みにはまり沈んだ瞬間は、まるで突如、何かに足を引っ張られているかのような錯覚すら受けた。
「が……っ! ばっ、助け、て!!」
──周囲も武道も、一瞬何が起こったのか分からなかった。
その時、反射的に助けを求めた武道の声は、誰かに届いているかも分からなかった。次の瞬間には、武道の心と身体は完全に恐怖で支配された。混乱で自分が何を叫んでいるかも認識出来ないのに、ただひたすらに水を大量に飲んでも、恐怖で泣き叫ぶのが止められなかった。
声にならない悲鳴の中で、足掻いた分だけ空が遠くなっていく。しかし、武道は最後に見えた空の端で、無自覚に己の希望をその目にしていた──
誰かが上げた悲鳴よりも、何より早く。
同じキャンプの客だったのか、その存在は溺れた武道を見つけると、着ていた上着を破っても惜しまない様子で脱ぎ捨てた。そして、躊躇いなく川へ飛び込んで、武道を空気の中へ抱え上げ、陸まで引き上げてくれたのだ。
その後の事は、殆ど認識が出来なかった。
目を開いているのに良く見えない、ぼんやりとした明るさの中で、沢山の影が聞き取れない言葉をこちらに必死にぶつけている気配だけがした。
しかし、それでも覚えている。
自分を助けてくれた、その男の人は告げたのだ。
『これで、もう大丈夫だろう』
その声は、とても落ち着いていた。そして、それは確かに、武道自身がまだ生き続けていられる事を、約束してくれる声だった──
◆
「──確か心肺蘇生までしてくれたらしいのに、その恩人の事も忘れてたなんてねー!
ダメだよね俺!」
今ここに、全てを確かに振り返る。
鮮明に浮かんだその事実を、強く明るく言ってみたけれども。そこにある、今までずっと忘れていた自分への負の感情は振り切れなくて。
武道は少しの間、その目頭を強く押さえた。
あの人が、助けてくれたからこそ──今ここに、自分がいる。
あの時、彼が助けてくれた『武道のフツウ』があるからこそ。武道は今、自分では届かないかも知れない範囲にまで、無茶をしてでも手を伸ばして『フツウを守る』為に動けている。
……救われた命で無茶をしているのは、言えば怒られるかも知れないけれども。
しかし、それが助けられた命で、武道が決めた生き方だから。
また、会えるだろうか。
助けられたこの命に。胸を張って『生きています』と言える為に。
「……シンミリしちゃったかなっ、てへぺろ☆」
そうして武道は、振り返った意識を切り替えるように、立ち止まっていた足を再びランニングの速度へ切り替えて走り出した。
心が、追憶の川から少しずつ離れていく。しかし、そこにはまだ武道の中に残る思考があった。
──あの人に……出会ったら、出会えたら何よりも先に伝えたい事があるのだと。
『あなたが助けてくれたお陰で、溺れたけれども泳ぎが好きになりました』
これこそが、武道が己の人生に、何よりも強く向かい合えていることへの、証明の一端であろうと思えた。
助けてもらえてから今までの、自分の存在全てを言葉で語ることは出来ないけれども──これだけ言えば、助けてくれたあの人は、きっと理解してくれると確信しているから。
「さぁて、帰ろっと♪ ……少し、遠くに来過ぎちゃったかな」
後半にほんの少し自嘲を交じえた呟きは、武道本人の心の中ですぐに否定された。
これは、自分に必要な時間だった。そして、とても大切な行動であった。
何故なら、それは──今、明確に心に刻んだこの思いは、
この時、武道の中で……確かな成長へと昇華された瞬間だったのだから──
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月21日
参加申し込みの期限
2019年01月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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