ロケット花火でBATTLE☆｜リアクション

ロケット花火でBATTLE☆

　恵御納夏朝は目立つ青い髪の少女を見つけていた。彼女は神野に気を取られていて自分に気付いていない……チャンスだ。家の影から少しだけ顔を出して、ミーティアの方へロケット花火を撃ち出す。
　ロケット花火の音が聞こえたミーティアは、小さな羽を使って空へとそれを避けた。
「んん、違う子かな？」
　そう言いながら振り返り、人の姿を確認する。物陰に隠れている恵御納の姿は見えない。きょろきょろと辺りを見回した後、数発恵御納の方へロケット花火を撃ったが、恵御納に当たることはなく、横を通り過ぎて爆発していった。
　恵御納がその行方を目で追い掛けている内にミーティアは身を隠したらしい、気付けば姿が見えなくなっていた。
（この異変がなんなのか……確かめなくちゃ。みんなを花火にして見る絶景なんて……）
　そう思いながら、恵御納はロケット花火を握り締めた。辺りを見回し、人影がいないかを探る。すると、男性が一人警戒しながら出てきた様子だった。ヒューバートだ。
　そちらに向けてロケット花火を投げるようにして撃ち出す。ヒューバートはそれに気付いたようで、咄嗟に避けた。そして、恵御納の方向に撃ち返してくる。しかし壁に阻まれ、恵御納に当たることはなかった。恵御納はその場から離れ、ロケット花火を手に構える。
「ヒュー、大丈夫？」
　物陰から城山が声を掛ける。その言葉にヒューバートは頷いてみせた。掠ってはいたが、当たってはいない。
「どちらかが囮になって、敵を引き付けましょう」
「じゃあ、その役目は僕がやるよ。君に花火が当たったら、危ないから」
　それが、二人の立てた作戦だった。片方が囮になり、もう片方が囮に引き付けられた敵を撃つ。城山の地元という地の利を最大限に利用して立ち回るつもりだ。
　ヒューバートはロケット花火に火を点けて、花火が飛んできた方へ発射する。しかし手応えはない。どうやら敵は移動したようだ。一旦物陰に身を隠し、体勢を整える。敵……恵御納がどこからやってくるか分からない。
「ヒュー、上！」
　城山が焦ったようにそう声を掛ける。見上げると、上から恵御納がヒューバートを狙ってロケット花火を撃っていた。
　ろっこん「重く軽く」でねこシールを自分に貼り付け、身体を軽くした恵御納は家の外壁を登り、屋根からヒューバートを狙ったのだ。
　ヒューバートは城山の声に反応して、半ば転がるようにそれを避ける。なびいた髪に、ロケット花火が掠った。
　城山が、屋根の上の恵御納を狙ってロケット花火を撃つ。まっすぐにやってくるその軌道を予測して、恵御納はロケット花火を避けた。見つかってしまったからには仕方がない、と体勢を変え、屋根の上で身を伏して匍匐前進のように移動をする。そのまま二階部分にかかる屋根の上へと降りると、ちらりとヒューバートの様子を窺う。ヒューバートも身を隠したらしい、姿は見当たらなかった。
（逃しちゃった、か……）
　そう心の中で呟いて、息を吐いた。ロケット花火を片手に、この事態を引き起こした者のことを考える。
　気は乗らないが、恵御納には勝ち残って聞きたいことがあった。そのためには、不本意でもこの戦いに参加をするしかない。ぐ、とロケット花火を握り直して、決意をあらわにする。
（この戦いに参加している皆のためにも、恥ずかしい戦いは出来ない）
　そう考えてちらと壁から顔を出して覗くと、二人の姿が見えない代わりに青い髪の少女が見えた。恵御納は素早くロケット花火をそちらに向けて射出する。
　パン、と弾ける音がした。見ると、青髪の少女……ミーティアはふわりと浮いて花火を避けたようだった。
（人間じゃない……？）
　お返しとばかりに花火が発射されたのを見て、恵御納は慌てて身を隠す。花火が壁に当たって、爆発する音がした。恵御納は器用に屋根から降りると、身を隠したまま辺りを警戒する。音、匂い、気配……おかしいところはないだろうか。
　ミーティアの姿が視界に入ると、よく狙ってそちらに向けてロケット花火を撃ち出した。しかし、それよりも早く気配を感じたミーティアにはひらりと避けられてしまう。
　羽を持つ彼女とは相性が悪そうだ、そう考えた恵御納は場所を変えるべく走り出した。
　その瞬間、頭上で花火が弾ける。飛び出した瞬間を狙われていたらしい。狙っていたのは、城山だ。身を隠して機会を窺っていたらしい。身を低くしてそれを躱すと、草むらの中に身体を隠した。

このページにイラストを設定する

ロケット花火でBATTLE☆

シナリオ

シナリオデータ

シナリオスケジュール

参加キャラクター一覧