ロケット花火でBATTLE☆｜リアクション

ロケット花火でBATTLE☆

　――ここは旧市街。打ち上がった花火の光が旧市街の街並みを照らす。打ち上げられている花火の色は様々で、辺りは夜だというのにとても明るい。
　城山水樹は気付けば恋人のヒュー・ヒューバートと共に旧市街に居た。手にはロケット花火とマッチ。そして脳内に直接響く声。事態を理解するのにはそう時間はかからなかった。
「……冗談でしょ？」
　ロケット花火を手にしながら、城山はそう呟く。コスメブランドのイメージガールをしている城山にとっては身体が資本。もしもロケット花火に当たって火傷でもしたら仕事が出来なくなってしまう。
　だがしかし、時折上がる花火がそれを冗談ではないと告げていた。城山はロケット花火をぎゅっと握り、恋人の方を見る。
　同じく、ヒューバートもロケット花火を見つめてなにやら考えている様子だった。彼は写真家としての活動で寝子島を離れていたはずだったのだが、気付けば旧市街の参道商店街にいた。二人で、花火を見上げる。
　オレンジ色の花火が二人を照らす。
「とりあえず……ここは私に任せてほしいの」
　そう切り出した城山に、ヒューバートは頷く。
「私の地元だから、地の利はこちらにある。まずは、見つからないような場所に移動しましょう」
「そうだね、そうしよう。……っ、と！」
　話している間に、城山の背後から光るものが飛んで
くるのが見えた。ヒューバートは慌てて城山を抱き寄せる。城山のすぐ横を、ロケット花火が通り過ぎていった。城山の髪が揺れる。
　彼女のことは絶対に守ろう、いざという時は自分を盾にしても。そう誓いながら、二人は物陰へと移動していった。

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