ロケット花火でBATTLE☆｜リアクション

ロケット花火でBATTLE☆

　神野美野梨は誰もいないコンビニで傘を調達した後、九夜山を目指していた。研究を信条とする彼女にとってはこの機会は絶好のチャンス。危なげなくロケット花火を飛ばせるとなれば尚更だ。辺りに気を配りながら、片手にロケット花火とマッチ、片手に傘を持って移動する。
　その姿を、アリス・ミーティアが見つけていた。ロケット花火に火を点けて、愛用の銃で数発撃ち出す。
　神野は銃声に振り返り、咄嗟に傘を広げた。ミーティアが撃ち出したロケット花火は傘にぶつかり、パン、と弾けた。「あっ、そういう防ぎ方もあるんだね？」
「早速狙われるなんてね」
　二人はそう言いながら次弾を装填する。銃を使うミーティアの方が神野よりも速かった。ざざ、と走りながら立て続けに三発、発射する。それを傘で防いだ神野がミーティアの頭上へとロケット花火を撃ち出した。ミーティアは避けるまでもないと思ったのか、次弾を銃に込めた。
「楽しいね！」
　無邪気な笑顔でそう言いながら、神野の方へ向かって発射する。傘に阻まれてしまうが、それでも構わないといった様子で次々銃を撃っていく。
「ええ、そうね」
　ミーティアよりも撃ち出す速度が遅い神野は不利だと悟ったのか、咄嗟に物陰へ隠れた。ロケット花火の熱でビニールが溶けて穴が空いた傘を、身を守るように掲げたまま息を吐く。このままでは撃ち負けてしまう。何か策を考えなくては。とりあえずは、物陰に身を隠しながら高いところを……九夜山を目指す方向性に変わりはない。ミーティアからの追撃を警戒しながら神野は歩き始めた。

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